こんにちは。助産師・おむつなし育児アドバイザーの榎本です。今回はおむつなし育児について3回にわたってお話ししていきます。おむつなし育児をしているとトイレトレーニングがスムーズに進みやすいといわれています。
今トイレトレーニングを始めようとしている方も何かのヒントになるかもしれません。
おむつなし育児とは?
おむつなし育児と聞くと、下半身すっぽんぽんで床や布団におしっこがダダ漏れでは? と思われる方もいます。
おむつなし育児とは、おむつをしながら、おしっこやうんちが出そうなタイミングや赤ちゃんのサインを周りの大人が受け取って、できるだけおむつの外(おまるやトイレなど)に排泄することを手助けすることです。
実はおむつの外におしっこをしたい?
新生児のころに、おむつを開けるとおしっこをすることがあったと思います。赤ちゃんは生まれたときから、おむつの外の解放空間におしっこをすることの心地よさを知っています。それがだんだん、おしっこやうんちはおむつの中にするものだとトレーニングされます。
そして2歳ごろになると突然、「おしっこやうんちはトイレでするものなんだよ」と宣言されます。大人が突然おむつの中で排泄をするよういわれても難しいように、子どもが最初に戸惑うのは仕方のないことだと思います。
昔の育児雑誌によると、1965年ではおむつは2歳ごろには外れていたのですが、2009年の紙おむつ会社の調査では平均3歳4カ月となっています。現在はもっと遅くなっていることが予想されます。
おむつなし育児は早期トイトレではない
おむつなし育児は、トイレトレーニングと思われがちですが違うものです。
トイレトレーニングは、子どもが自分でトイレやおまるに行ける、うんちやおしっこをしたいときに、周囲の大人に伝えるようになるという排泄の社会的な自立を目指し、おむつがいらなくなることです。
おむつなし育児は、元々身体的に備わっている自然な排泄ができるように、大人がおむつを外してあげるものです。
おむつなし育児はいつから始められるの?
答えは、ズバリ「いつでも始められます」です。
新生児から始められますが、お母さんや赤ちゃんの体調が落ち着いてくる生後2〜3カ月からのほうがやりやすいといわれています。生後1年以上ですと、おむつの中で排泄をするということを強く学習してしまっている可能性があり、最初は難しいかもしれません。反対に生後6カ月未満の場合は、おむつの中で排泄することにまだ十分慣れていない場合があり、やりやすいかもしれません。
1歳半〜2歳ごろはイヤイヤ期に入り、トイレ・おまるイヤイヤ期になることもあります。一旦お休みしてイヤイヤが落ち着いてきたら再開される方もいます。2〜3歳すぎてトイレトレーニングを始める場合にも、おむつなし育児の進め方は参考になると思います。
排泄が自立する本来の年齢は1歳半〜2歳前半ごろといわれています。おむつなし育児は、まだまだ認知度は低いですが、トイレトレーニングを特別にしなくても、自然におむつをとってあげることができます。
親子のコミュニケーションのひとつとして、楽しんでいただけたら幸いです。次回は、おむつなし育児をするためのポイントについてお話していきます。
※参考
・「おむつなし育児アドバイザー養成講座テキスト」(おむつなし育児研究所)
・「日経新聞」2009年9月2日 「40ヶ月 おむつ外れの平均月齢」(日本経済新聞社)