え? 今なんて言ったの?
結果は陽性でした。なんの知識もなかった私はどうすればよいのかわからず、とりあえず夫に報告し、2人ですぐに近くの産婦人科に行くことにしました。診てくれたのは50代くらいの女医さんで、忙しいのか不機嫌そうでした。
そして、その女医さんからの説明に衝撃を受けたのです。「妊娠していますね。でもまだ小さすぎるし……。あのねぇ、子宮外妊娠かもしれないし、あと2週間くらいしてから来てくれる?」と怒ったように言われました。私は「子宮外妊娠って何!?」と不安になり、帰ってから泣きました。
その後不安な2週間を過ごし、違う病院で再度診てもらうことにしました。その病院の先生はにこやかに「妊娠していますね、おめでとう」と言ってくださり、心の底から安心しました。
病院の先生にとっては日常的で当たり前のことかもしれませんが、患者にとっては人生で初めてのことだってあるので、もう少しやさしく接していただきたかったです。病院選びの大切さを痛感した出来事でした。
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初めての妊娠で「子宮外妊娠かもしれない」と突然言われたら、不安になってしまいますよね。どういったものなのか説明はあったかもしれませんが、不機嫌な態度を取られたら、聞きたいことがあっても遠慮してしまったと思います。
子宮外妊娠とは異所性妊娠とも言われ、受精卵が本来着床するはずの子宮内膜ではなく、卵管や腹腔など子宮の外に着床してしまう状態のことをいいます。妊娠100例のうち約1~2例の割合で起こり、最も多いのが卵管妊娠です。
この状態では赤ちゃんが成長できないだけでなく、放置するとおなかの中で大量出血を引き起こし、ママの命に関わることもあります。症状としては、少量の性器出血や下腹部の痛みが現れることが多いですが、破裂するまでは気づかない場合もあります。特に、破裂してしまうと激しい痛みや大量出血を伴い、ショック状態に陥り命に関わることもあるため、早めの診断と治療がとても大切です。
赤ちゃんは子宮以外で育つことはできないため、残念ながら妊娠継続はできません。治療にはいくつかの方法がありますが、患者さんの状態や希望に合わせて選ばれます。卵管を摘出する手術が必要な場合もありますが、将来の妊娠を希望する場合には、卵管を温存する手術や薬を使った治療が選択されることも。場合によっては、自然流産を待ちながら経過を観察することもありますが、これにはいくつかの条件が必要です。どの治療を選ぶにせよ、患者さんの命を最優先に考えながら進められます。
妊娠が分かったときの喜びや不安に寄り添い、ていねいに説明してくれる医師に出会えるかどうかは、とても重要ですよね。産院までの距離やかかる時間などの問題で近くの産院を選ばざるを得ないこともあると思いますが、嫌な思いをしないためにも、来院前に口コミを確認するとよいのかもしれませんね。
著者:山田 なな/40代女性・主婦
結婚20年目のベテラン主婦。最近野菜の水耕栽培にはまっている。
作画:赤身まぐろ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)
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