アニメに出てくる「炎太郎」に憧れるゆうちゃんのために、ゆうちゃんの髪を金髪に染めた母えみこ。園からは何も言われなかったのですが、保護者の間では、ゆうちゃんの金髪は話題に。
ある日、お迎えの時間に、母えみこと遭遇したケンくんママは、金髪にした理由を聞きました。しかし、悪びれる様子のない母えみこに、ケンくんママが「正直、やりすぎ」「うちの子も真似したがって困る」と苦言。母えみこがムッとして「誰にも迷惑をかけていない。金髪がダメな理由を論理的に説明して」と反論すると、ケンくんママも「非常識だし、健康上も教育上もよくない。周りへの影響を考えないのも無責任。ゆうちゃんが色眼鏡で見られてかわいそうだ」と応戦。
そんなやり取りを見ていて、自分のせいで母えみこが責められていると思ったゆうちゃんは、泣き出してしまいました。そして、母えみこは「とにかく私は娘のやりたいことを応援するだけ」と一歩も引かなかったのです。
金髪をめぐって、保護者とトラブルに…














母えみこがケンくんママと言い合いになった数日後、保護者数名が園長先生のもとに相談に現れました。そして「ゆうちゃんの金髪に関して、保育園として指導や注意を行わないのであれば、保育園の掲示スペースに、身だしなみについての保護者の意見を掲示したい」と許可を求めたのです。
意見の内容とは「子どもたちの健やかな成長と、心地よい環境づくりにご協力をお願いします。小さな子に華美な装いが本当に必要かどうか、今一度よく考えてください」というものでした。
内容を読んだ園長は、個人を特定しているわけではなく、攻撃的な文章でもないということで、園の掲示スペースに、意見が書かれた紙を貼ることを許可したのです。
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ゆうちゃんの金髪を黙認する園に対して、保護者は、個人を特定しない状態で、身だしなみについての注意文を掲示することを求めてきました。言い合いになったケンくんママだけでなく、何人かの保護者がゆうちゃんの金髪に対して「よくない」と感じていることを示したいということなのでしょう。
もともと地毛が茶髪だったり金髪だったりすることは華美ではありませんが、もともとの髪色を変えて金髪や茶髪にすることは「不要な装い」という意見でしょう。もちろん母えみこやゆうちゃんにそういうつもりはなく「したいことをした」だけなのですが、他人からすると、必要以上の派手さとして見られることもありますね。
装いに関しては、もちろん個人の自由ですが、「他人から見られるもの」だったり「中身を判断されるもの」だったりという一面もあります。外見で人を判断するのはいけないことだと思いますが、実際には見た目でどういう人なのかやっぱり想像してしまう人がいるのも事実です。
本人がそういう他人からの色眼鏡に対しても自分の意見を持てる年齢であればいいのですが、子どもにはまだ難しいかも…。そのあたりは、大人がしっかり考えてあげたいものですね。
山野しらす