東京医療センター(東京都目黒区)医長インタビュー

カテゴリー│インタビュー 2017/01/19 12:00

患者さんの気持ちに寄り添った対応を

山下医長「本来はせっかちなんですが、患者さんの前ではやさしく接するように心がけています」

「当院は、病院助産師も看護師もやさしい人柄の者が多く、患者さんの気持ちに寄り添ってくれるということで評判をいただいています。もちろん、命に関わるような場面では厳しいこともありますが、たしかに明るくやさしいスタッフが多いように思います。当院では年間700件くらいの出産があります。助産師外来では、ひとり30分と余裕を持って、妊婦さんの診察や心配ごとを伺う時間を設けています。一人ひとりの事情に合わせて、必要があれば医療サービスや社会サービスを紹介するなど、とにかく妊婦さんの不安を取り除くように心がけています。また、妊婦さんに向けた栄養指導にも取り組んでいます。最近はやせ型の方が多いため、しっかりと栄養バランスのいい食事を心がけてくださいという指導をしています」

ニーズの多様化に合わせてさまざまなサービスを展開

落ち着いた雰囲気の病室

「当院では、LDRという陣痛・分娩・回復期を一貫して過ごせる病室も一室備えています。通常でも、陣痛から出産、そして出産後2時間までは『お産室』という個室で過ごしていただけるシステムになっています。ご主人やご家族と一緒に過ごせるのはありがたいと妊産婦さんから評判です。また、”手ぶらでお産”という、何も持たずに入院できる個室サービスもスタートし、好評をいただいています」

「最近の出産は、ニーズが多様化しているため、妊婦さんからご自身のバースプランをしっかりと伺い、できるだけ要望に応えるようにしています。とくに最近は出産年齢が上がるとともに、産後のお母さんをケアしてくれる親御さんの年齢も上昇傾向にあります。体力面での厳しさとサポートが少ないという環境を改善すべく、当院では産後のケアにも力を入れています。母乳外来を設置し、現在は当院で出産された方だけでなく、広く受け入れを行っています。そのほかにも、麻酔科があるという当院の特徴を生かし、陣痛の痛みをやわらげる和痛分娩も始めました。出産以外では入院中の食事にも力を入れており、豪華なお祝い膳をはじめ、どの食事もおいしいと患者さんから好評をいただいています」

掲示板にはさまざまなイベント情報が。スタッフみなさんの熱意が伝わります

総合病院だからこその体制で安心の出産を

白い外観と大きな窓ガラスが特徴の東京医療センター

「私は、医師として明るい場面にも立ち会いたいと思い、産婦人科での勤務を選びました。そのせいか、ほかの産婦人科の先生方も明るくやさしい人柄の方が多く、明るい雰囲気の職場です。私自身はまず慶應義塾大学の医学部で経験を積み、その後は国立病院機構栃木医療センターで2年半ほど勤務につき、2002年にこの東京医療センターにやってきました。今まで携わってきたどのお産も印象的です。これまで医師として勤務をしてきて、いちばん印象に残っているできごとは、妊婦さんの命を救えたことです。ある妊婦さんが出産時に予期せぬ命の危機に陥ってしまったときに、総合病院の体制を生かし、ほかの科の先生方と協力して命を救うことができました。当院は、救命救急センターとしての役割も持っています。すべての診療科がある総合病院だからこそ、あのときの妊婦さんの命は助かったのだと思います。当院には、予期せぬ事態が起きたときでも迅速に対応できる、”この病院だからこそ”という安心感があります」

ベビーカレンダー編集部


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