牧岡マタニティハウス（埼玉県越谷市）助産師インタビュー

妊婦さんやご家族と信頼関係を築いていく

もっと「自然なお産」のよさを知ってほしいという思いから、牧岡さんは平成20年2月8日に「牧岡マタニティハウス」を開業しました。ご自宅の１階が助産スペース。ベッドは1床で、完全な貸切りになるため、自宅のようにリラックスして過ごすことができます。

「病院では、医師、助産師とそれぞれの担当がいますが、助産院では妊娠時の健診、お産、産後のケアなどを私ひとりで行います。マンツーマンで行いますので、お母さん方とは長いお付き合いになります。ここで赤ちゃんを産んだお母さんからは、『ささいな悩みを誰に相談していいかわからず、知らないこともたくさんあって……。牧岡さんは、なんでも相談に乗ってくれました。もうひとつの実家みたいな助産院です！』とうれしいお言葉もいただきました」

「助産院」でのお産スタイルは自由

「牧岡マタニティハウスの特徴は３つあります。1つ目は『自由な形でお産ができる』ところです。病院では、『分娩台』の上で仰向けの体勢でのお産となりますが、助産院では布団の上でご自分の好きな、楽な体位で産むことができます。これにはリラックス効果があり、陣痛を和らげる効果もあります」

「2つ目の特徴は、『家族に見守られながらのお産も可能なこと』です。ときにはお父さんに支えてもらいながらお産ということも。生まれてくる赤ちゃんのきょうだいも一緒に立ち会い、生まれたての赤ちゃんを見て『お兄ちゃんになった！』とよろこぶような場面もあります。こういった光景を見ると、お産っていいなぁと改めて感じます」

「3つ目の特徴は、『乳房トリートメントやボディートリートメントなどを受けられること』です。私は、『妊産婦ケアマスター』などの資格を持っているんです。マッサージには、陣痛を和らげる効果もあり、お母さん方からも『陣痛のとき、付きっきりでマッサージしてくれて、本当に楽になりました』と好評をいただいています」

病院との提携で、しっかりとお産をサポート

「助産院では医療行為を行えません。そのため、医師のいる病院と提携を結んでいます。医療行為を伴う定期健診は、提携している永井マザーズホスピタルと越谷市立病院のどちらかで行っていただくようにしています」

「病院の先生と健診を重ねた上で、自然分娩でのお産に問題がない場合、助産院でも出産が可能になります。私自身も永井マザーズホスピタルで非常勤として働いているので、健診に立ち会わせていただき、常に情報共有をしています」

「お産の手助けをしたい」が助産師としてのスタート

「もともと看護師を目指していた私は、実習中にお産の現場に立ち会う場面がありました。助産師自ら先頭に立って、お母さんのために働く姿を見たときに『これだ！』と思いました。このとき、お産に立ち会わなかったら、助産師にはなっていなかったと思います。愛育病院で１３年助産師として働き、永井マザーズホスピタルで勤務をしましたが、より『自然分娩のよさを伝えたい』との思いから、助産院を立ち上げました」

「お母さんや、立ち会ったご家族からは『お産の間は、牧岡さんがずーっと見ていてくれるのでとても安心感があります。産後の指導もマンツーマンでとても丁寧に教えてくれてるので、ほかでは産めません！』というお言葉をいただいたことがあります。私自身もお産を終えたお母さんやご家族からのメッセージにとっても励まされています」

おいしくてボリュームたっぷりの助産院ごはん

「牧岡マタニティハウス」で出されるごはんは、牧岡さん自ら腕をふるって作っているのだそうです。取材に伺った日もたくさんのごはんを用意してくださいました！

「ごはんについては、お母さんの好みのものをお出しすることが多いです。料理を作るのも、食べさせるのも大好きなんです！」と笑顔で話す、牧岡さんのボリュームたっぷりのごはんをお見せします！

旬の野菜を使用したボリュームたっぷりのごはんは、お母さんのお楽しみのひとつとなっています。このボリュームだと残してしまうのでは？とちょっと思いましたが、お母さんたちからは「ボリュームがあるけどおいしいから食べられちゃう」と好評なんです！

ごはんを盛り付ける食器にも工夫があります。陶芸スクールに通う牧岡さんが心を込めて作った手作りの食器を使用しているんです。

お手製ランチ付き！大人気のベビーマッサージ教室

牧岡さんは、アロマセラピーやカウンセラー、ベビーマッサージの資格をお持ちです。その中でも、ベビーマッサージの資格を生かした、月１回のベビーマッサージ教室はすぐに定員いっぱいになってしまうほどの人気です。

「何気ないことでも、お母さん同士でおしゃべりすることはとっても大事なんです。産後は１日中、誰とも話さない日も少なくありません。『おしゃべりする時間』をつくり、お母さん同士の情報交換の場所にもしてほしい。そのためにお母さん同士が交流できるよう、ベビーマッサージ教室のときにもランチをお出ししています。おなかいっぱいになって、おしゃべりをたくさん楽しんでほしいと思っています！」

「2人目もほしい」と思ってもらえるような幸せなお産の手助けをしたい

「妊娠・出産・育児と、そのときそのときに必要な知識があります。ご自身で答えを探すことも大切ですが、専門的なことを相談できる相手を見つけることも大切です。そんなときは、いちばん身近にいる助産師がお役に立てると思います。私のところでは、ふだんの生活のことから育児のことまで、なんでもお答えしていますよ！」

「お産は簡単なことではありません。でも、私のところに来てくれたお母さんには『ここで産んでよかった！』『2人目もほしい』と思ってもらえるような『幸せなお産』をしてほしい。その手助けをしたいと思っています」

助産院に興味のある方は、ぜひ「牧岡マタニティハウス」を訪れてみてください。笑顔が素敵な助産師、牧岡晴美さんがおいしいごはんを作ってお待ちしていますよ！