マザーズ高田産医院(神奈川県横浜市)院長インタビュー

カテゴリー│インタビュー 2017/07/11 12:00

お産はリラックスすることがいちばん。そのためのサポート体制とは!?

マザーズ高田産医院の外観。教会のような可憐な建物が特徴です
アーチを描いた入り口もキュート
やさしい語り口が印象的だった椎津敏明院長

患者さんご本人やご家族の方々との対話、喜びを共有できるということが産婦人科医になるキッカケだったという椎津院長。新横浜 母と子の病院の産婦人科医長をご経験されたあと、ご自身が考えている、理想のお産のサポートを目指し、マザーズ高田産医院を開業されたとのこと。そこで、マザーズ高田産医院の特徴を伺ってみました。

「産婦人科医になり、なかでも妊娠中の健診にやりがいを感じました。妊娠中の健診では、患者さんご本人のことだけではなく、ご主人のこと、ご家族のことなど、お産に必要な情報をいろいろとお伺いするんですね。そうやって、患者さんの体についてだけではなく、生活背景や患者さんご自身のことをよく知ったうえで対応できることが、医師として病院としてとても幸せでした。もちろん、産後の母乳育児のサポートなども、患者さんの背景を知ったうえで対応することが、充実したサポートにつながると考えていました。

このような経験を経て、『みんな一緒にみる。家族同様にサポートしていく』というコンセプトのもと、マザーズ高田産医院を開院しました。そして、医師だけではなく、助産師も一丸となって、患者さんの妊娠の経過や妊娠中の生活をみていき、そして赤ちゃんを守り、母親を守る。医師と助産師がしっかりと患者さんをサポートしていくことのできる医院を目指しました」

「患者さんをしっかりサポートするために、マザーズ高田産医院の助産師は20名弱と、ほかの同規模の産婦人科に比べ、2倍ぐらい多い人員体制にしています。

わずかな時間の場合もあるかもしれませんが、毎回、健診時は助産師が対応するということを徹底しています。その際に、カルテとは別に、助産師同士で患者さんの情報を記録する『助産師カルテ』というものを導入し、助産師の間でも、しっかりと患者さんの情報を引き継げるような工夫をしています。このように、妊婦健診のときから助産師がじゅうぶんに対応している産院はあまりないと思いますよ。

出産時には、すでに助産師と患者さん、患者さんのご家族とも顔なじみです。『いざ出産!』となったときに、知らない人ばかりではなく、ずっとサポートしてきた助産師と一緒だからこそ、患者さんは緊張せずにリラックスしてお産に臨めるんですよ」

家庭のような雰囲気で「分娩」ではなく「お産」を楽しむ場所

患者さんもご家族もリラックスできるような配慮がされているLDR
個室も明るく、患者さんが使いやすいつくりとなっています

「リラックスしたお産のために、陣痛室と分娩室、回復室がひとつになったお部屋『LDR』は広めにしています。長丁場なお産になることもあるため、ご主人が休んだり、ご家族の方がリラックスして過ごせように配慮をしています。”分娩”という処置をする場所ではなく、”お産”という自然なものをご家族と一緒に体験できる、家庭のような温かい雰囲気が、マザーズ高田産医院のLDRの特徴です。

マザーズ高田産医院でのお産では、9割くらいがご夫人立ち会いの分娩です。立ち会い分娩の際には、ただお産に立ち会われるのではなく、ご主人にもお産に参加していただくようにしています。

どうしていいかわからずに、手持ちぶさたなご主人がいらっしゃるときには、助産師がご主人をサポートさせていただいています。お産のあと、患者さんからご主人が『何もしていなかった』と思われるのではなく、『たくさんサポートしてもらえた』と思われることでご主人の株があがるんですよね。できるだけ、ご主人にもお産のお手伝いをしていただくという点も私たちのコンセプトなんです」

患者さんのサポートは助産師のやりがいなんです

椎津院長のお話から、スタッフへの強い信頼感が感じられました

「患者さんと健診中から深く関わり、お産をサポートするということは、助産師にとってのやりがいにもつながっていると考えています。そして、助産師のやりがいが患者さんに提供するサービスの向上につながるんですよね。また、助産師の人数が多いことにより、夜間のお産への対応や、母乳ケアにも時間をかけて対応することができています。

マザーズ高田産医院は、開院して4年になりますが、助産師を中心としたスタッフで運営しています。そのため、助産師がやりたいことは積極的に取り組み、逆にやりたくないことはできるだけしないようにしています。

助産師とのコミュニケーションが肝となる自然分娩に特化しているのもそのためです。マザーズ高田産医院は、家族ぐるみで、助産師が中心となってすすめるアットホームなお産をいちばん大切にしているんです」

助産師と患者さんがコミュニケーションできる多目的ホール

「『家族ぐるみでお付き合いができる、助産師中心の産院』を今後も極めて行きたいと考えています。幸いなことに、マザーズ高田産医院は、口コミなどの影響で東京都内や神奈川県の各地から来院される方も増えています。これからも特徴ある産院で居続けたいと考えています」

リラックスしたお産を通して、患者さんへの温かい気持ちが伝わってくるマザーズ高田産医院。助産院のような温かさと、最新の医療設備のコラボレーションが、たいへん印象に残る取材でした。

ベビーカレンダー編集部


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