愛和病院(福岡県古賀市)看護部長インタビュー

母乳育児を全力で応援しています!

愛和病院の外観
ゆったりとした待合室

「愛和病院は、『早産予防』『自然分娩』『母乳育児』『マタニティ・ヨーガ』の4つを軸としていますが、その中でもとくに力を入れているのが、母乳育児です。

長年、母乳育児へのサポートに力を入れてきた結果、平成16年に『赤ちゃんに優しい病院 BFH (Baby Friendly Hospital)』に認定されました。ユニセフとWHOは『母乳育児を成功させる10ヵ条』という共同声明を発表しています。この声明に基づき、愛和病院では母乳育児を希望している患者さんに対して、さまざまなケアをおこなっています。

たとえば、『母乳育児を成功させる10ヵ条』には、『産後30分以内に母乳育児ができるよう、母親を援助しましょう』という条項があります。これは生まれたばかりの赤ちゃんとお母さんが、お産後早い段階で触れ合うことができる環境を整えることが重要です。そのため、愛和病院では、事前に同意していただいた患者には、お産の際にカンガルーケアをおこなっています。

母乳育児をすすめるという観点以外にも、カンガルーケアにはいろいろメリットがあります。たとえば、赤ちゃんの呼吸が落ち着いたり、免疫力を上げたり、体温低下を防止したり。そして何よりお母さんと赤ちゃんがお互いに、においを感じることができ、愛着形成に繋がります。そういった理由からも、愛和病院はカンガルーケアを推奨しています。

そして、私たちが目指すところは、患者さんに自信をもって帰ってもらうということです。赤ちゃんが生まれて初めての授乳など、まだ授乳に自信のない段階では患者さんの手をとり、だんだん手を放して患者さんと赤ちゃんだけでじょうずに授乳できるように、いつでもとことん付き合ってサポートしています。

ナースコールで呼ばれれば病室まで行きますし、入院している方が多いときは、ナースステーションの隣にある『憩いのへや』という授乳スペースで、患者さんたちの授乳を見たり、相談に乗ったりできるようにしています。励ましながら一緒に見守って支える感じですね」

赤ちゃんが生まれる力を信じて患者さんをサポートしています

和室でお産をすることもできます

「愛和病院はドクターが常勤3名体制なので、比較的恵まれている環境だと思います。それに自然経過で異常のない妊婦さんは、ある程度助産師に任せてもらっています。ですので、助産師はみっちり患者さんと向き合いながら赤ちゃんが生まれるのをサポートしています。

助産師は赤ちゃんが生まれる力を信じてお母さんをサポートするので、医療介入も最低限ですし、帝王切開の件数も少ないです。帝王切開が減る理由は、妊娠中からの体づくり、体重管理も大きいと思います。BMIが25以上の方やもともと肥満傾向の方が体重を増やしてしまうとリスクが上がってしまうので、栄養士とタッグを組んでハイリスクにならないように気を付けています。

また、早産になると、産後にお母さんと赤ちゃんが離れ離れになってしまい、その後の育児や母乳に関して大変なことが増えてしまう場合もあります。そこで、妊娠期間中に通院されているすべての患者さんを対象に、早産チェックを2回おこなっています。”愛和スコア”という愛和病院オリジナルのチェック方法で、高得点の方は早産のリスクがあるとして何かしらの対策をおこなっています。これは、前院長のときから愛和病院で受け継がれていることです。

また、愛和病院では里帰り先がないなど、退院後のサポートが整わず、不安に感じていらっしゃる患者さんに対して、産後ケア入院も受け入れています。主に、産後に適した食事の提供と母乳育児のケアをおこなっているのですが、入院期間を延長される患者さんもいらっしゃいます。幸い愛和病院はベッド数に余裕がありますし、なかなかそういう受け皿がないので、退院後の生活に不安を感じている患者さんも安心できるのではないかと思います」

スタイリッシュな個室
広々とした特別室は家族でご利用いただけます

とにかく明るい!スタッフのアットホームな雰囲気がいちばんの自慢

みなさんの仲のよさが滲み出ています
みなさんお忙しい中、快く撮影に応じてくださいました

「愛和病院は、スタッフ同士の仲がよく、離職率も低いので、いつも同じスタッフがいるということが、患者さんたちの安心材料のひとつになっていると思います。また、スタッフも患者さんのことを家族だと思って接しているので、患者さんからも『退院したくない!』『帰るのがさみしい!』なんて言われることが多いんです。スタッフ一同、患者さんが居心地のいい産院を目指しているので、このような言葉を聞くとうれしくなります。

また、『ヨーガのインストラクター資格を取得したい!』など、スタッフは自身のスキルアップに対してもとても積極的です。このようなスタッフの姿勢を見ていると、よりよいケアを患者さんに提供したいという、スタッフの愛和病院に対する愛を感じます。ですので、産院としてもスタッフが資格を取ることを推奨しています。

やはり、スタッフ一人ひとりが輝ける職場、雰囲気のいい職場がいちばんだと思います」

地域に貢献できる産院でありたい

「母と子・ライフサポート館」にはたくさんの方が訪れています

「愛和病院はマザークラスも充実しています。マザークラスの参加率も昔に比べて高くなっています。最近の患者さんは自分のお産について積極的に学ぼう、知ろうという方が増えているんでしょうね。お仕事をされている方も多い中、意識の高い妊婦さんが多い気がします。

それから、産院からは少し離れていますが、JR新宮中央駅前に『母と子・ライフサポート館』という施設を平成27年にオープンさせました。ここには助産師が常駐していて、妊娠・出産・育児に関するさまざまな悩みや相談に対応しています。そして、週に一度、栄養士が離乳食などの相談会も開いています。こちらはどなたでも無料で利用できる施設なので、たくさんの方に気軽に来ていただけるとうれしいです。

前院長のときからの方針である『地域に根差した、地元に貢献できる産院』でありたいと思っています。現院長もその方針を引き継ぎ、愛和病院のいいところをしっかり守ろうとしています」

患者さんへのメッセージ

「私は、『赤ちゃんの生まれてくる力とお母さんの産む力を信じています。そして、それは必ずみなさんに備わっています』と、患者さんにいつもお話させていただいています。ですから、患者さんは出産をこわがったりせずに自分と赤ちゃんの力を信じていただきたいです。赤ちゃんが生まれるのを楽しみに迎えていただければと思います」

今年の4月から看護部長になられた田中さん。看護部長になられて日が浅いため、まだ実感はあまりないといいます。

「看護部長の話を受けたときは、プレッシャーを感じずに、同じ看護部のスタッフのためにできることがあるならやるしかないと思いました。スタッフのためにより楽しい職場、そしてより働きやすい職場のために、縁の下の力持ちになれればと思っています。

愛和病院の伝統を大事にしていかなければと思います。また、愛和病院で働くスタッフがやりがいを感じて、生き生きしていれば、風通しもよくなり、患者さんにもいいケアができると思っています。部屋に籠らず、なるべく現場を見ている看護部長でありたいですね」

そうお話される田中さんは、慈愛に満ちた素敵な看護部長のお顔をされていました。

ベビーカレンダー編集部


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