アイ・レディスクリニック(愛知県名古屋市)産院ごはん
スタッフは主婦中心! 自宅で作れる内容の献立で構成
奥村さん:「アイ・レディスクリニックの厨房のスタッフは、主婦が中心です。アイ・レディスクリニックで作る献立のレシピは意外とかんたんです。
提供されるお食事は、患者さんが家に帰って子育てしながらでも作れるような内容で、かつ、見た目、おいしさ、栄養バランスも意識しながら考えています」
奥村さん:「アイ・レディスクリニックでは、自宅でもつくれるような献立をみんなで意見交換しながら、定番メニューだけでなく、新しいメニューも常に作っています。食べ物も時代や流行があるので、患者さんのニーズを常に意識しています」
楽しく最後まで飽きずに食事ができるように
奥村さん:「患者さんに提供するお食事は、味や栄養のバランス、見た目、食器といったことを意識しながら、”メリハリ”を心がけています。
甘い、辛い、酸っぱい、つるつる、カリカリなど、さまざまな味や食感をとりいれることで、患者さんに最後まで飽きずに楽しく食べていただけるよう工夫しています。
同じ食材でも調理方法によって全く別のものになりますし、おうちのメニューもここを抑えると、さりげない料理もさらにおいしくなりますよ」
定番メニューはビーフシチュー・ハンバーグ・松花堂弁当
奥村さん:「アイ・レディスクリニックでは、ビーフシチュー・ハンバーグ・松花堂弁当が人気で、10日おきに出しています。普通分娩の患者さんは4〜5日で退院されるので、人気メニューのどれかを召し上がっていただけるようにしています。
また、行事食もいろいろと出すようにしています。季節のメニューやイベント食で、患者さんによろこんでいただけるよう工夫しています」
食材にも命があり、その命を大切にしたい
奥村さん:「魚は近所の魚屋さんから仕入れていますし、肉も近所の肉屋さんにずっとお願いしています。魚屋さんや肉屋さんからは、食材のアドバイスやよりよい調理方法も教えてもらってます。
また、冗談で『本業は農林業』なんて言っている院長が所有されている山林でとれたタケノコや柿など、旬のものも積極的に取り入れています。
命を扱う職場なので、食材の命も大事にしたい、食材の声に耳を傾けてメニューを考えるようにしています」
患者さんの想いをできる限り取り入れたい
奥村さん:「10年ほど前に、『お肉や、添加物は一切食べられません』という患者さんがみえて、マクロビ食にたどり着きました。患者さん一人ひとりの想いや文化、宗教観を大切にすることをお食事に取り入れ、患者さんが安心してお産に臨んで、より良いお産や育児につながればと考えています。
患者さんには配膳しながら、食事の好みだけではなく、家族構成や上のお子さんの様子を見て、ご家族のみなさんにも心地よく過ごしていただけるようにしています。付き添いの子ども食もアレルギーなど、個人対応でお出ししています」
奥村さん:「宗教上の理由で、ハラル食を希望される患者さんもいらっしゃいます。その方の想いや背景に寄り添って、型どおりでない対応ができるよう心がけています。アイ・レディスクリニックでの出産を選択してくださった信頼を裏切らないよう、細心の注意を持って対応します。
文化やその国のお食事にも大きな意味があります。多様化する出産を大切にし、慈しみ、赤ちゃんとお母さんを包み込む優しくきめ細やかな食事を作っていきたいと思っています」
産婦人科医が患者さんの食事指導と厨房へのアドバイスもおこなっています。
奥村さん:「アイ・レディスクリニックの産婦人科の医師である原 紗希先生は栄養学も学ばれているので、患者さんから質問がきた場合、原先生に対応していただいています。そのほか、おっぱいに良い食事とは?添加物をとらないようにするには?調味料を変えてみてはどうか?など、入院中の食事についても貴重なアドバイスをいただいています」
原 紗希先生に患者さんへのアドバイスをお話いただきました。
原先生:「妊娠中は鉄欠乏による貧血が多いのですが、栄養学の考えとしては、不足しているから鉄を補給しなさい、という単純な指導ではありません。それ以前に体が吸収できる状態でなければ、不足しているものを補おうとしても無駄なのです。
”必要なものを吸収できて、不要なものを排出できる体を作る”ことが重要なのですが、まずは食べ方から意識してほしいですね」
原先生:「消化・吸収で最も大事なのは胃酸です。胃酸をよく出せるような体にする必要があります。そのためには、まずはよく噛むこと。食事に集中してよく噛み、ながら食べはしないことで、胃酸を出せる体づくりができます。
くわしくは患者さんだけにお教えしますが、ひとつだけヒントをお教えすると、食後にレモン水を飲んでみて、胃の感覚が楽になるかどうか試して見てください。レモン水を飲んで楽になった場合は、胃酸が不足している可能性が高いですよ」
クリニックとして患者さんに還元したい
鷲見成晴院長にもお話を伺いました。
鷲見院長:「昨今、豪華なお料理を出されるクリニックも多いですが、私自身気取ったことが苦手なので、アイ・レディスクリニックではあえて家庭的な料理を提供しています。
産後は特に、リラックスして幸福感が高いと母乳の出もよくなるし、赤ちゃんも安定するので、患者さんにおいしい食事を提供したいと、厨房スタッフもがんばってくれています。
産婦人科クリニック業界は、アメニティに力を入れて10年の歴史があります。産婦人科はほかの診療科より患者さんに還元できるので、クリニックとして何を還元できるか常に考えています。食事に関しても、高級な料理も入院中の1回で終わってしまうので、退院後にも自宅で気軽に作れる料理を目指しています。
出産された患者さん達は、主婦であり、育児中は特に忙しいです。そんな患者さん達が、家族にも食べさせたいなぁと思ってもらえる食事を目指しています」
おいしくて、見た目も楽しく、栄養も考えられている産院ごはんが自宅でも作れるなんて、聞いているだけでワクワクしますね!どうやって作れば良いか厨房スタッフにぜひ聞いてくださいね。よろこんでレシピを教えてくれますよ!
患者さんに寄り添い、心と体の両方を癒してくれるアイ・レディスクリニックの産院ごはん、いかがでしたか?
ぜひアイ・レディスクリニック院長インタビューの記事も読んでみてくださいね。
PICK UP
新着記事
-
インタビュー 村岡産婦人科医院(福島県いわき市)院長インタビュー
-
インタビュー みなみ野グリーンゲイブルズクリニック(東京都八王子…
病院情報の登録・修正