【医師監修】赤ちゃんの心拍が確認できるのはいつから?
妊娠4週ごろから超音波検査で胎嚢が確認できるようになります。今回は、おなかの赤ちゃんの心拍を確認できる時期についてお話しします。
- 【目次】
- ・妊娠がわかるまで
- ・胎児心拍が確認できる時期
- ・心拍を確認できない場合の理由
- ・心拍を確認したあとの流産の可能性について
- ・まとめ
妊娠がわかるまで
市販の妊娠検査薬で妊娠反応が陽性となった、あるいは基礎体温の高温相が14日以上続いたといったことをきっかけに産婦人科を受診する方も多いと思います。
現在市販されている妊娠判定薬の場合、妊娠3週後半くらいから陽性となります。妊娠検査薬が陽性の場合、妊娠していることはほぼ確実ですが、妊娠のどのくらいの時期なのか、正常の妊娠なのか確認が必要になります。
基礎体温は排卵後に上昇する黄体ホルモンを反映するため、妊娠が持続している場合は排卵後2週を過ぎても体温が高い状態が続くことになります。また、月経から日数を計算した場合、妊娠2週頃が排卵の時期になるため、本当は月経開始から排卵日までは妊娠はしていません。
この時期に超音波検査(エコー)をおこなうと、子宮の中に胎嚢と呼ばれる袋状の構造が確認できることがありますが、受精卵が人間のかたちになる前の段階である胎芽や心拍はまだ確認できません。
正常と考えられる月経周期も25日から38日までありますので、個人差が大きく、月経周期が長い人や不順な人は最終月経から6週経過した時点でもエコーで心拍を明確に確認できないこともあります。
胎児心拍が確認できる時期
医師が胎嚢や胎芽、胎児の様子を確認する際は、プローブと呼ばれる器具を妊婦さんの体に当てて、胎内の様子を画像で映し出す超音波検査がおこなわれます。
おなかの赤ちゃんの心拍が確認できるのは、妊娠6週ごろからです。最終月経から計算して7週くらいまでには超音波検査で胎児の心拍が確認できるようになります。
心拍を確認できない場合の理由
妊娠7週の時点で胎児心拍が確認できない場合には、以下のことが考えられます。
1.排卵した時期が想定より遅れている
2.妊娠したが発育が途中で停止してしまい、流産の状態になっている
3.子宮外妊娠のため子宮の中に胎嚢が見えてこない
以上のことが考えられますが、月経周期や腹痛・出血などの症状などを考えて対応します。特に症状がなく、超音波検査で確認できないと思われる場合には、1~2週後にもう一度検査します。
心拍を確認したあとの流産の可能性について
心拍を一度確認できるとその後に流産となる可能性はぐっと低くなりますが、胎児心拍が確認された人のうちの1%以下で赤ちゃんの発育が停止することがあります。
妊娠中期は安定期と言われていますが、その時期でも子宮内で胎児が死亡することもあります。胎児心拍が確認できたからといって、絶対大丈夫とは言えないのが妊娠ですが、まれにしか発生しない出来事を心配していても精神衛生上メリットはありませんので、気にしすぎないようにすることも大切です。
まとめ
一般的に妊娠6~7週ごろには、赤ちゃんの心拍をエコーで確認することができます。ただし心拍を確認できるタイミングには個人差があるので、心拍を確認できる時期はあくまで目安として考えてください。
参考:
産婦人科診療ガイドライン産科編2017 <http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2017.pdf>