【助産師監修】避妊リング(IUD・IUS)の使い方、値段について

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家庭の事情や経済的な理由などで妊娠を希望しない人もいるでしょう。避妊リングと呼ばれるIUDやIUSの知識があると、避妊について悩んだ時に役に立つのではないでしょうか。ここでは避妊リングについて詳しく解説していきます。

 

 

避妊リングとは

避妊にはさまざまな方法があります。基礎体温法やコンドーム法などの古典的品法に対し、低用量ピルや避妊リングと呼ばれるIUD(子宮内避妊具)・IUS(子宮内避妊システム)を用いた近代的避妊法があります。

 

避妊リングと呼ばれるIUDやIUSは、パートナーの協力は必要なく、自分の意思で使用できます。出産経験があり、長期の避妊を希望する女性に勧められ、一度子宮内に挿入すると数年の避妊が可能です。

使用後1年以内に妊娠してしまう確率は、IUDでは0.6%、IUSでは0.1%と低く、高い避妊効果が期待できます。

 

授乳中は使用できない低用量ピルとは異なり、産後2カ月から使用できます。その一方で、除去するとすぐに妊娠可能な状態になるという特徴があります。

 

 

 

 

避妊リングの種類

IUD(子宮内避妊具)

IUDを子宮内に挿入することで、子宮内膜に炎症性変化を起こし、着床を防ぐ方法です。最初に承認されたIUDはリング型の器具で、避妊リングと呼ばれていましたが、現在は魚の骨の形をしたもの(FD-1®)が多く使用されています。

 

近年は、T字型のIUDの軸棒に細い銅線を巻きつけ、銅イオンの作用によってより精子の運動性を抑制することで避妊効果を高めた銅付加IUD(ノバT®)が用いられています。ノバT®交換時期は最長5年です。

 

IUS(子宮内避妊システム)

銅付加IUDとともに、近年多く用いられている方法です。黄体ホルモンが付加されたIUDで、黄体ホルモンの作用により高い避妊効果が期待できます。わが国では、ミレーナ®が使用可能で、交換時期は5年です。

 

IUS(ミレーナ®)には、以下のような作用があります。
1)子宮内膜増殖抑制作用
・子宮内膜が厚くならないので、子宮内が着床に適した環境にならない
・月経血の量が減り、月経困難症は軽減・消失する
・過多月経の場合、貧血が予防できる

2)子宮頚管粘液粘度増加作用
・子宮頚管粘液の粘度が強いと、精子が子宮内に入りにくくなる

3)精子運動性阻害作用
・精子の運動性が妨げられ、卵子にまでたどり着けない

 

 

 

避妊リングの使い方

避妊リングと呼ばれるIUDやIUSの挿入や抜去は、母体保護法指定医又は日本産科婦人科学会認定医である産婦人科医によっておこなわれます。処置は数分で終わるため、入院の必要はなく、外来でおこなわれることがほとんどです。

 

IUDやIUSの挿入の際は麻酔の使用はせずにおこなうので、多少の痛みが生じる可能性があります。特に出産経験のない10~20代の女性の場合、痛みを強く感じるかもしれません。避妊リングは出産経験のある女性に勧められる避妊法ですが、最近ではIUDやIUSの改良が進み、出産経験のない女性でも使用することができます。

 

IUDやIUSの挿入は月経中または月経終了1週間以内におこなうことを勧められます。なぜならこの時期を過ぎると子宮内膜が厚くなり、IUDやIUSを挿入してもはがれてきてしまうことがあるからです。ですので、IUDやIUSの挿入を希望されている方は、あらかじめ産院に相談しておくと安心です。

 

IUDやIUSを挿入したら、年に1~2回の定期検診が必要になりますが、日常生活などは今まで通りでかまいません。ただし、挿入後、腹痛や月経周期の変化、経血量の増加、不正出血などが起こることがあります。気になる症状がある場合は、早めに受診するようにしましょう。

 

 

避妊リングが使用できない場合

避妊効果の高い避妊リングと呼ばれるIUDやIUSですが、中には使用できない方、使用の際に注意が必要な方がいらっしゃいます。主なものを挙げていきますが、あらかじめ医師に確認しておくと安心です。

 

・付属器炎、子宮内膜炎、、急性又は亜急性頸管炎、骨盤内炎症性疾患( PID )がある
・骨盤内炎症性疾患( PID )治療後2カ月未満
・妊娠中、または妊娠の疑いがある
・子宮腔の変形をきたすような子宮筋腫、性器悪性腫瘍の疑いがある
・子宮発育不全、子宮奇形、著しい子宮の位置異常、強度の前屈・後屈、頸管無力症
・過去3カ月以内に感染性流産の既往がある
・異所性妊娠の既往、または異所性妊娠の素因がある
・IUD・IUS装着時、頸管拡張時に失神、徐脈(脈拍がゆっくりになる)などの迷走神経反射を起こしたことがある
・カンジダ症を除く、性器感染症にかかっている
・過去12カ月間に性感染症(細菌性膣炎、カンジダ症、再発性ヘルペスウイルス感染症、B型肝炎、サイトメガロウイルス感染症をのぞく)にかかったことがある

 

加えて、銅付加IUD(ノバT®)は、銅アレルギーがある、IUS(ミレーナ®)は、使用している成分にアレルギーがある、重篤な肝障害、または肝腫瘍の患者さんは使用できません。

 

 

避妊リングの値段

基本的に避妊目的で避妊リングと呼ばれるIUDやIUSを挿入する際は、保険適応にならないため、約3~7万円と病院よってかかる費用に幅があるようです。そのほか、交換時、抜去時も別に費用がかかります。

IUS(ミレーナ®)は、過多月経および月経困難症と診断された場合のみ保険適応となり、1万5,000円前後になるようです。

 

 

まとめ

避妊リングは女性主体の避妊方法のひとつです。低用量ピルと同等の避妊効果があるとされており、ピルに比べて手軽な避妊方法ともいえます。その一方で、HIV感染や梅毒、クラミジア、B型肝炎ウイルス感染などの性感染症を予防することはできません。避妊同様、これらの感染予防も大切です。性感染症の予防にはコンドームの使用が有用であることも知っておきたい情報ですね。

 

 

 

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◆避妊に関するQ&A

監修者・著者

助産師 REIKO


医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。


2018/11/02


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