友だちに怒ったりべったりします
4歳になったばかりの娘を持つ1児の母です。娘は最近、仲良しのお友だちが自分の意見を聞いてくれなかったりすると、大声で怒ります。近くにいる子にも「お友だちなんて大嫌い!」と大声で言ってにらんだり、隣に座ると押したりしてヒステリックになります。時には、大声で私の話をさえぎるように号泣し続けます。そうかと思うと、仲良しのお友だちにとても固執しているようにも見えます。プレ幼稚園などでのお遊び会では、何かをしていても特定のお友だちにすぐ「手をつなごう」と言って、べったりくっつきたがります。お友だちとの接触に夢中で、先生のお話もちゃんと聞いていない状態です(先生に何か言われたときには、話は素直に聞きますが)。こんな娘の心理がわからなくなっています。私のしつけがなってないがために、こんなにわがままになってしまったのかという焦りもあり、かなり厳しく娘に怒ったり怒鳴ったりしてしまいます。娘は、もともと神経質なところがあります。1~2歳のころは、怒ると自分の髪の毛を引っ張って抜いていました。今では爪を噛んでしまうため、しばらく爪は切っていない状態です。家庭の状況は、2歳のころに1年間保育園に行きましたが、今は私が仕事を辞めて毎日一緒です。夫は仕事での出張が多く、時々しか娘と触れ合えません。
お嬢さんの行動はわがままではなく、情緒(感情)が不安定なせいです。1歳半~3歳ごろまでは自我が形成される第1歩(第1次自立期)であるため、自分の力を確かめたり、他との関係を考えたりしていたはずです。自分で服を着たがったり、ごはんを食べたがったり、おとなの行動をまねることが多かったのではないでしょうか。たとえば、この時期に集団に入れて「教育」をおこなうと、情緒にひずみが出やすくなります。「こうしたい」「こうやってみよう」という基礎的な思考の枠を自分自身で形成しようとしているのに、先に「こうしなさい」と枠を作られてしまうからです。ちなみに、保育園は生活の場なので、1~2歳の時期では教育的な枠(お勉強)は作りません。保育園のプログラムに学習的要素が少しずつ取り入れられるのは、第1次自立期を経た3歳ごろからです。では、どうしてお嬢さんは4歳の今になって、自分のやり方を押し通そうとして、頑固に意地を張っているように見えるのでしょう。それは、1~2歳の第1次自立期に自我を形成できなかったため、今作ろうとしているのです。お母さんは焦らないで見守りましょう。「2歳ごろに戻って、やり直しているのだな」と受け止めてください。問題に見える行動だけに注目して叱ってしまうと、お嬢さんは自分の精神や心を追い詰めてしまいます。「ごはんをおいしそうに食べてくれて、お母さんはうれしい」など、当たり前におこなっていることに注目して、勇気付けてあげてください。それでも、どうしてもきつく当たってしまうようでしたら、ひとりで抱え込まないことです。幼児相談をおこなっている医療関係、教育関係へ相談に行かれることをおすすめします。