暴力的な行動は、愛情で直せるの?
4歳と生後10カ月の男の子がいますが、上の子について相談します。幼稚園で思い通りにならないことがあると、先生や友だちに椅子を振り上げて向かっていったり、物を投げたり、ドアに体当たりするなど、危険な行為で反発します。「相手がどのような気持ちになるか」を汲む力が弱いようです。家ではかんしゃくは起こしますが、幼稚園でのような激しい行動は起こさず、会話で納得できることがほとんどです。登園時の別れ際の後追いも続いており、「情緒不安定」と言われています。また、園から「多動」の傾向も指摘されています。思い起こせば、息子の暴力的な行動のほとんどは、過去に私が息子にしてきたことなのです。イヤイヤ期にうまくつきあえず、イライラしていました。今更ながら、自分のしてしまったことに自責の念でいっぱいです。愛情を注ぎ直して、おだやかな生活を続けていくことで、上の子の症状は改善されるでしょうか?
ご質問の内容を見ると、4歳の息子さんは怒っているようですね。「情緒不安定」になっているのは、そのためです。きっと今、思い通りの生活を送れていないのでしょう。息子さんが、今どのような状況にあるかを考えてみましょう。1つ目は、幼稚園に行っている間に、ママと弟は家で楽しく暮らしているのだろうと感じているのでしょう。2つ目は、幼稚園さえなければ、自分も家でママと楽しい生活ができるのにと思っているのでしょう。3つ目は、ママと家で過ごすより、魅力的な友だちがまだいないということだと思います。息子さんの年齢では、このようにきちんと言葉にして話すことで満たされない感情を発散することができないのです。だから、過去どこかで自分が受けてきた方法で、気持ちを表現しているのでしょう。そして、そのことをお母さん自身も感じているようですね。息子さんの寂しさ、不安定さ、怒りをわかってあげてください。弟が日々かわいくなって動きも活発になり、みんなの注目が弟に集まれば集まるほど、自分は取り残されるような気がするのです。弟が寝ている間は、くすぐりっこや鬼ごっこ、お相撲など、肌と肌が触れ合う遊びを多くしてみてください。添い寝も、要求されたらしてあげてくださいね。またパパにも、思い切り体を動かす遊びをやってもらってください。幼稚園の先生には、頭ごなしに言われることを恐れるあまりに、逆に自分から暴力的に出てしまい、相手を脅かすようになっているということを説明してみてください。