「また動画見せちゃった…」
料理中、仕事の合間、下の子のお世話中。忙しい毎日の中で、ついタブレットを渡してしまう瞬間がありますよね。その後に訪れる小さな罪悪感。でも、現実問題として「動画を一切見せない」というのも難しい。
だからこそ、どうせ見せるなら家庭のルールに沿って、安心して活用できる仕組みを作りたい。そう考えているあなたに向けて、Amazonプライムのキッズ向けサービスを徹底解説します。
Amazonプライムの子ども向けサービス、実は3種類ある
「Amazonプライムでキッズ向けコンテンツを見せたい」と思っても、実は選択肢が複数あることをご存知でしょうか。ここを整理せずに契約すると、「思っていたのと違った」となりがちです。
①プライムビデオの「キッズプロフィール」（追加料金なし）
すでにAmazonプライム会員なら、今すぐ使える基本機能です。プライムビデオ内で子ども専用のプロフィールを作成すると、12歳以下向けのコンテンツだけが表示される仕組みです。
メリット：
- 追加料金ゼロで始められる
- 親のアカウントと分離できる
- ある程度の年齢フィルターがかかる
デメリット：
- 知育コンテンツは限定的
- 時間制限機能が弱い
- 英語教材としては物足りない
②Amazon Kids+（月額480円〜）
知育・学習を重視するなら、このサブスクリプションサービスが選択肢になります。プライム会員なら月額480円、非会員は980円です。
主な特徴：
- 3〜12歳向けの書籍・ゲーム・動画が数千点
- 学習系アプリや知育コンテンツが充実
- 「ペアレントダッシュボード」で利用状況を詳細に確認可能
- 最大4人の子どもプロフィールを作成できる
こんな家庭に合う：
- 動画だけでなく本やアプリも触れさせたい
- 英語の絵本や教育コンテンツに興味がある
- Fireキッズタブレットの購入を検討している（1年間無料特典あり）
③Prime Videoチャンネル（月額217円〜）
アンパンマンやポケモンなど、特定の番組を集中的に見せたいなら、専門チャンネルの追加契約という方法もあります。「キッズステーション・オンデマンド」は月額217円で、14日間無料体験が可能です。
向いているケース：
- 好きなキャラクターが決まっている
- 特定の番組だけで十分
- コストを最小限に抑えたい
親が本当に不安なこと：「勝手に」「見せすぎ」「課金」
サービス内容の説明を読んでも、実際に使い始めると別の不安が湧いてきます。検索サジェストにも表れている、親たちの本音を見ていきましょう。
「勝手に触られる」問題
一番多いのが、「子どもが勝手に親のアカウントで操作してしまう」「意図しないコンテンツにアクセスしてしまう」という不安です。
これを防ぐには：
- PINコードの設定
大人向けコンテンツや購入画面には必ずPINを求めるよう設定できます。Prime Videoの設定画面から「機能制限」→「PIN」で4桁のコードを設定しましょう。 - キッズプロフィールに切り替える習慣
子どもに渡す前に必ずキッズプロフィールに切り替える。これだけで、成人向けコンテンツへのアクセスを防げます。 - Amazon Kids+なら自動ロック
Fireキッズタブレットとセットで使えば、起動時から自動的にキッズモードになり、親が解除しない限り大人のコンテンツにアクセスできません。
「見せすぎてしまう」問題
一度渡すと止まらない。気づけば2時間経っている。この状況を防ぐには、事前のルール設計が不可欠です。
年齢別・推奨視聴時間の目安
- 3〜4歳：1日15〜30分（親と一緒に見る時間を含む）
- 5〜6歳：1日30〜45分（平日は控えめ、週末は少し長めなど柔軟に）
- 小学生：1日45分〜1時間（宿題後のごほうび時間として設定）
ただし、これはあくまで目安。各家庭の生活リズムに合わせて調整してください。
Amazonの時間制限機能を使う
Amazon Kids+では、曜日ごとに視聴時間の上限を設定できます。たとえば：
- 平日：30分
- 土日：1時間
- 就寝時刻の1時間前は自動ブロック
こうした設定をすることで、「もっと見たい！」という子どもとの交渉ストレスを減らせます。「タブレットが言ってるから」という第三者効果も期待できます。
「課金が怖い」問題
勝手にアプリ内課金されたり、チャンネルを追加契約されたりする不安もありますよね。
対策：
- 購入にはPINを必須にする
- 1-Click購入をオフにする
- クレジットカード情報を削除し、ギフトカードでチャージ式にする
特に小学校高学年になると、PINを覚えてしまうリスクもあるため、カード情報自体を登録しない運用も検討する価値があります。
「英語教育に使いたい」なら、こう活用する
「どうせ見せるなら英語に触れさせたい」という声も多く聞かれます。ただし、ただ英語音声にすれば良いわけではありません。
英語活用の3ステップ
ステップ1：まずは日本語で内容を理解
初めて見るコンテンツをいきなり英語で見せても、子どもは内容がわからずストレスになります。まずは日本語で1〜2回見せて、ストーリーを把握させましょう。
ステップ2：英語音声＋日本語字幕
内容を知っている状態で英語音声にすると、「あ、これはこう言うんだ」という発見が生まれます。日本語字幕があれば、親も一緒に確認できます。
ステップ3：英語音声＋英語字幕（小学生以上）
ある程度英語に慣れてきたら、英語字幕に切り替え。文字と音の対応を意識させることで、読解力の土台になります。
Amazon Kids+の英語コンテンツ例
- Peppa Pig：短いエピソード構成で飽きにくい
- Curious George：シンプルな英語で聞き取りやすい
- Reading IQ：フォニックスや英語絵本の読み聞かせ機能
ただし、「英語を学ばせる」と意気込みすぎると、子どもが嫌がることもあります。「楽しんでいるうちに英語にも触れている」くらいの温度感がちょうど良いでしょう。
家庭のルール設計：すぐ使えるテンプレート
ここまでの内容を踏まえて、実際に運用するためのルール表を作ってみましょう。
わが家のタブレットルール（例）
| 項目 | ルール内容 |
|---|---|
| 視聴時間 | 平日30分・休日1時間 |
| 視聴タイミング | 夕食後、宿題が終わってから |
| 禁止時間 | 朝の支度時間・就寝1時間前 |
| 場所 | リビングのみ（自室持ち込み禁止） |
| コンテンツ選び | 週末は親子で一緒に選ぶ時間を作る |
| 約束を守れなかったら | 翌日は使用禁止 |
このルールを紙に書いて冷蔵庫に貼る、子どもと一緒に作るなど、家族全員が見える形にすることがポイントです。
また、**「これ守れたらシールを貼る」**など、ゲーミフィケーション要素を入れると、小さい子どもでも楽しく守れるようになります。
解約を含めた「見直し基準」も決めておく
無料体験や1ヶ月試してみて、「うちには合わないかも」と感じることもあります。その判断基準を最初から持っておくと、ズルズル続けてしまう事態を防げます。
継続すべきか判断するチェックリスト
継続を検討する場合：
- 子どもが知育コンテンツに興味を示している
- 親が設定した時間内で満足している
- 英語や本など、動画以外のコンテンツも活用できている
- 家事や仕事の間、安心して任せられている
解約を検討する場合：
- 結局YouTubeばかり見たがる
- 時間制限を守れず、親子でストレスになっている
- 使っているのは無料のプライムビデオコンテンツだけ
- 月額料金に見合う価値を感じない
スムーズな解約方法
Amazon Kids+の解約は、Amazonアカウントサービスから「メンバーシップおよび購読」→「Amazon Kids+」→「登録をキャンセル」で可能です。
無料体験期間中に解約しても、期間終了まではサービスを利用できるため、「とりあえず試してみる」のハードルは低いと言えます。
年齢・目的別おすすめコンテンツ
最後に、具体的にどんな作品を見せれば良いか迷っている方に向けて、年齢別のおすすめをご紹介します。
3〜4歳：短くてわかりやすいもの
- はなかっぱ：1話10分程度で飽きずに見られる
- おさるのジョージ：好奇心を刺激する内容
- しまじろう：生活習慣が学べる
5〜6歳：ストーリー性があるもの
- ポケットモンスター：冒険・友情・成長要素
- ドラえもん：想像力と笑い
- おしりたんてい：推理力を育む
小学生：知識や学びにつながるもの
- ダーウィンが来た！：自然・生き物への興味
- ピタゴラスイッチ：論理的思考
- 世界遺産：社会科の学習補助
親子で一緒に見たい作品
- すみっコぐらし：癒しと優しい世界観
- スタジオジブリ作品：想像力と感動
- ディズニー映画：家族の時間として
こうした作品リストを作っておくと、「次何見る？」と聞かれたときにスムーズです。
まとめ：完璧じゃなくていい、「わが家のやり方」を見つける
ここまで、Amazonプライムのキッズコンテンツを安心して活用するための設定やルール設計について解説してきました。
大切なのは、「動画を見せること=悪」ではなく、「どう見せるか」をコントロールすることです。
- 家庭のルールを事前に決める
- 時間制限や視聴制限の機能を使いこなす
- 英語や知育につながる見せ方を工夫する
- 解約も含めて、定期的に見直す
これらを意識するだけで、罪悪感は減り、「味方として使いこなしている」感覚に変わっていきます。
完璧な親である必要はありません。忙しい毎日の中で、無理なく続けられる「わが家のやり方」を見つけていきましょう。
よくある質問（Q&A）
Q1. Amazonプライム会員ではないですが、Kids+だけ契約できますか？
A. はい、可能です。ただし料金が異なり、プライム会員なら月額480円のところ、非会員は月額980円になります。プライム会員特典（配送無料・プライムビデオなど）も活用する予定があるなら、先にプライム会員になる方がお得です。
Q2. FireキッズタブレットとiPadではどちらが良いですか？
A. 目的によります。Fireキッズタブレットは10,000円前後と安価で、Kids+が1年間無料、保護カバー付き、2年間の破損保証があるため、初めてのタブレットには最適です。一方、iPadは汎用性が高く、将来的に学習アプリや動画編集などにも使えます。「子ども専用で安全重視」ならFire、「家族共用で長く使いたい」ならiPadがおすすめです。
Q3. 時間制限を設定しても、子どもが泣いて要求してきます
A. これは多くの家庭が直面する課題です。対策として、（1）時間制限は「タブレットが決めたルール」と伝え、親が悪者にならない構造を作る、（2）終了時間の5分前に「あと5分だよ」と予告する、（3）タブレット終了後の楽しい活動（おやつ・外遊びなど）を用意しておく、などが有効です。一貫性を持ってルールを守ることで、子どもも次第に慣れていきます。
Q4. プライムビデオの「キッズプロフィール」とKids+の違いがわかりません
A. キッズプロフィールは、プライムビデオ内で子ども向けコンテンツだけを表示する無料機能です。一方、Kids+は有料サブスクリプションで、動画だけでなく書籍・ゲーム・学習アプリが数千点追加され、より詳細なペアレンタルコントロール機能があります。まずはキッズプロフィールを試し、物足りなければKids+の無料体験を検討するのが良いでしょう。
Q5. 解約を忘れて自動課金されるのが不安です
A. 無料体験開始時にカレンダーやリマインダーアプリに「解約検討日」を登録しておきましょう。また、無料体験期間中に解約しても期間終了までサービスは利用できるため、「申し込んだらすぐ解約手続きをする」という方法も有効です。これなら自動課金の心配がありません。
Q6. 英語音声に切り替えると子どもが嫌がります
A. いきなり英語にすると、内容がわからずストレスになります。まずは日本語で何度か見せて内容を理解させ、その後「今度は英語で聞いてみよう」とゲーム感覚で提案してみてください。また、親も一緒に見て「この言葉、英語ではこう言うんだね」と発見を共有すると、子どもの抵抗感が減ります。焦らず、楽しむことを優先しましょう。
