子どもたちの情報収集やエンターテイメントに、今やYouTubeは欠かせない存在となっています。教育的なコンテンツやアニメなど、有益な動画が豊富にある一方で、保護者としては「子供に見せたくない不適切なチャンネルや動画に触れてしまわないか」という不安がつきものです。
「攻撃的な表現が多いチャンネルをブロックしたい」 「過激な企画を行うYouTuberの動画を非表示にしたい」 「子どもが偶然、怖い動画を見てしまわないか心配」
このような悩みを抱える保護者の方々は少なくありません。
結論から言うと、YouTubeには子供に見せたくないチャンネルや動画をブロック・制限するための機能が用意されています。 保護者がこれらの機能を正しく理解し、適切に設定することで、子どもたちがより安全な環境でYouTubeを楽しめるようになります。
この記事では、「youtube 子供に見せたくないチャンネル ブロック」というキーワードを軸に、具体的な設定方法から、ブロックできない場合の対処法、そして安心してYouTubeを活用するためのポイントまで、網羅的に解説していきます。
本記事を読めば、あなたのお子様専用にカスタマイズされた、安心・安全なYouTube視聴環境を構築する方法がすべてわかります。ぜひ最後までご覧いただき、お子様の健やかな成長のためにご活用ください。
この記事でわかること
- YouTubeで子供にとって安全な視聴環境を整える具体的な方法
- 「YouTube Kids」と「ファミリーリンク」の機能と違い
- スマホ、パソコン、テレビそれぞれのデバイスでのチャンネルブロック手順
- チャンネルブロックがうまくいかない時の原因と解決策
- 設定だけに頼らない、親子で取り組むべき安全対策
YouTubeで子供に見せたくないチャンネルをブロックする方法は?
まず、保護者がお子様のYouTube視聴を管理するための主な方法として、「YouTube Kids」と「Googleファミリーリンク」という2つの強力なツールがあります。どちらもGoogleが提供する公式のサービスで、それぞれに特徴があります。
お子様の年齢やご家庭の方針に合わせて最適な方法を選択することが重要ですが、特に未就学児から小学校低学年のお子様には、より安全性の高い「YouTube Kids」の利用を強くおすすめします。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
YouTube Kidsを使うのがおすすめ
「YouTube Kids」は、その名の通り子どもたちのために設計されたYouTubeの公式アプリ・サービスです。通常のYouTubeとは完全に分離されたプラットフォームで、子どもたちが安心して楽しめるコンテンツだけが集められています。
YouTube Kidsの主な特徴
- 自動フィルタリングシステム: YouTubeのアルゴリズムが、子ども向けではない動画を自動的に除外します。これにより、不適切なコンテンツに触れるリスクが大幅に低減されます。
- 保護者による徹底した管理機能: 保護者は、お子様に見せるコンテンツのレベルを年齢(「未就学児向け」「小学生(5~8歳)向け」「小学生(9~12歳)向け」)に合わせて設定したり、特定の動画やチャンネルを個別にブロックしたりできます。
- 子ども向けのインターフェース: 大きなアイコンや簡単な操作で、小さなお子様でも直感的に使えるようにデザインされています。
- タイマー機能: 視聴時間を制限できるタイマー機能が搭載されており、動画の見過ぎを防ぐことができます。
- 検索機能のオフ設定: 保護者の判断で、検索機能をオフにすることも可能です。これにより、子どもが予期しない動画にたどり着くのを防ぎ、保護者が承認したコンテンツのみを視聴させることができます。
このように、YouTube Kidsは、保護者が能動的に管理し、安全な遊び場を提供するというコンセプトで作られています。不適切なチャンネルを「ブロックする」という受け身の対策だけでなく、初めから安全が確保された環境を提供する「ホワイトリスト方式」に近い運用ができるのが最大のメリットです。
YouTube KidsとYouTubeの違い
機能/項目 | YouTube Kids | 通常のYouTube |
対象 | 子ども(主に12歳以下)とその家族 | 全年齢 |
コンテンツ | 子ども向けにフィルタリングされた動画のみ | あらゆるジャンルの動画(成人向けコンテンツも含む) |
広告 | 有料広告に関する厳格なポリシーが適用される | 多様な広告が表示される |
コメント機能 | なし | あり |
チャンネル登録 | なし(お気に入り機能で代用) | あり |
管理機能 | 保護者による詳細なコンテンツ管理、タイマー、検索制限など | 制限モード、プライバシー設定など |
安全性 | 非常に高い | 設定次第で向上するが、Kidsに劣る |
Google スプレッドシートにエクスポート
ファミリーリンク機能でブロックもできる
「Googleファミリーリンク」は、保護者がお子様のスマートフォンやタブレットの利用状況を管理・監督するためのGoogle公式アプリです。13歳未満のお子様は通常、自分自身でGoogleアカウントを作成できませんが、ファミリーリンクを使えば、保護者の管理下で子ども用のアカウントを作成できます。
この子ども用アカウントを使って通常のYouTubeにログインすると、「保護者向け管理機能」が有効になり、一部の機能を制限しながらYouTubeを利用することが可能になります。
ファミリーリンクで管理するYouTubeの特徴
- コンテンツ設定: 「より多くの動画を視聴(ほとんどのYouTube動画が対象。ただし18歳未満のユーザー向けに設定されているものを除く)」「一部の動画を視聴(YouTube Kidsと同様のコンテンツが対象)」「YouTube Kidsのみ」の3段階から、視聴できるコンテンツの範囲を保護者が選択できます。
- 機能制限: 作成、ライブ配信、コメント投稿などの機能を制限できます。
- 視聴履歴の確認: 保護者はファミリーリンクを通じて、お子様がYouTubeで何を視聴したかを確認できます。
なぜYouTube Kidsの方がより安心なのか
ファミリーリンクを使って通常のYouTubeを管理する方法は、YouTube Kidsよりも広範囲の動画にアクセスできるため、小学校高学年など、より多様なコンテンツに触れさせたい場合に適しているかもしれません。
しかし、その反面、不適切なコンテンツに接触するリスクはYouTube Kidsよりも高くなります。 YouTubeの膨大な動画の中から、システムが「子どもに不適切」と判断しきれない、いわゆる”グレーゾーン”の動画が表示されてしまう可能性はゼロではありません。
例えば、過激なドッキリや、子どもには刺激の強い言葉遣いをするゲーム実況、一見子ども向けに見えても内容は大人向けといった動画が、フィルタリングをすり抜けてしまうことがあります。
そのため、特に小さなお子様に対して「見せたくないチャンネルを確実にブロックしたい」という目的を最優先するならば、初めから安全なコンテンツしか表示されない「YouTube Kids」を選択するのが最も賢明な判断と言えるでしょう。
YouTube Kidsで子供に見せたくないチャンネルをブロックする方法
ここからは、最も安全性の高い「YouTube Kids」を利用して、お子様に見せたくないチャンネルや動画をブロックする具体的な手順を解説します。まずは、YouTube Kidsの利用を開始するためのアカウント作成(プロファイル作成)から始めましょう。
YouTube Kidsのアカウント(プロファイル)を作成する手順
YouTube Kidsは、保護者のGoogleアカウントに紐づける形で、お子様一人ひとりの「プロファイル」を作成して利用します。これにより、兄弟姉妹それぞれに合わせた設定を個別に管理できます。
ブラウザ(パソコン)の場合
- YouTube Kidsサイトにアクセス: まず、お使いのウェブブラウザでYouTube Kidsの公式サイトにアクセスします。
- 保護者の確認: 「私は保護者です」ボタンをクリックします。次に、保護者であることを確認するために、生年月日を入力する画面が表示されますので、ご自身の生年月日を入力して「送信」をクリックします。
- Googleアカウントでログイン: 画面の指示に従い、保護者ご自身のGoogleアカウントでログインします。YouTube Kidsの設定は、このGoogleアカウントに保存されます。
- お子様のプロファイル作成: ログイン後、「お子様のプロファイルを作成」という画面が表示されます。お子様の名前(ニックネーム可)、年齢、誕生月を入力します。この年齢情報に基づいて、おすすめのコンテンツレベルが提案されます。
- コンテンツ設定の選択: お子様の年齢に合わせたコンテンツ設定を選択します。
- 未就学児向け(4歳以下): 学習、創造性、遊びなどを促す動画が表示されます。
- 小さいお子様(5~8歳): 歌、アニメ、工作など、幅広いテーマの動画が対象となります。
- 大きいお子様(9~12歳): ゲーム実況、音楽、科学、vlogなど、さらに多様なコンテンツが含まれます。
- コンテンツを自分で承認: 保護者が許可した動画、チャンネル、コレクションのみを視聴できる、最も制限の厳しいモードです。 どの設定を選べばよいか迷った場合は、最初は少し厳しめの設定から始め、お子様の様子を見ながら調整していくのがおすすめです。
- 検索機能の設定: 「検索をオンにする」か「検索をオフにする」かを選択します。「オン」にすると、お子様は自分で好きな動画を探せますが、予期せぬ動画に触れる可能性も生まれます。「オフ」にすると、ホーム画面に表示されるおすすめ動画のみ視聴できるため、より安全です。
- プロファイルの完成: これでプロファイルの作成は完了です。「完了」をクリックすると、お子様向けにカスタマイズされたYouTube Kidsのホーム画面が表示されます。
スマホアプリ(iPhone)の場合
基本的な流れはブラウザの場合と同じです。
- アプリのダウンロード: App Storeから「YouTube Kids」アプリを検索し、ダウンロード・インストールします。
- アプリの起動と保護者の確認: アプリを起動し、「設定を開始」をタップします。保護者確認のため、ご自身の生まれた年を入力します。
- Googleアカウントでログイン: 「ログイン」をタップし、保護者ご自身のGoogleアカウントでログインします。
- お子様のプロファイルの作成: お子様の名前、年齢、誕生月を入力し、「次へ」をタップします。アバター(アイコン)を選択することもできます。
- コンテンツ設定の選択: ブラウザの場合と同様に、「未就学児向け」「小さいお子様」「大きいお子様」「コンテンツを自分で承認」から、お子様に合ったレベルを選択します。
- 検索機能の設定: 「検索をオンにする」か「検索をオフにする」かを選択します。
- プロファイルの完成: 設定が完了すると、お子様専用のプロファイルが作成され、YouTube Kidsを利用開始できます。
子供に見せたくない動画やチャンネルをブロックする手順
YouTube Kidsの自動フィルタリングは非常に優秀ですが、それでも「このチャンネルはうちの子には見せたくない」と感じるコンテンツが表示されることがあるかもしれません。その場合は、以下の手順で簡単にブロックできます。
この機能を使えば、その動画やチャンネルはお子様のプロファイル上では二度と表示されなくなります。 アルゴリズムに「この種のコンテンツは不適切である」とフィードバックする効果もあり、より快適な視聴環境の構築に繋がります。
ブロック設定の手順(スマホアプリの場合)
- ブロックしたい動画を見つける: お子様が視聴している画面、またはホーム画面や検索結果で、ブロックしたい動画を見つけます。
- メニューを表示する: 動画の横、または動画プレーヤーの右上にある「︙」(縦の三点リーダー)アイコンをタップします。
- ブロックを選択する: 表示されたメニューから「ブロック」をタップします。
- ブロックの範囲を選択する: 「この動画のみブロック」または「(チャンネル名)のチャンネルをすべてブロック」のどちらかを選択する画面が表示されます。特定のチャンネルを丸ごと非表示にしたい場合は、後者を選択し、「ブロック」をタップします。
- 保護者確認のパスワード入力: 保護者確認のため、計算問題が表示されるか、事前に設定したカスタムパスコードの入力を求められます。正しく入力すると、ブロックが完了します。
- 完了: 「動画がブロックされました」というメッセージが表示され、その動画やチャンネルは表示されなくなります。
ブロックを解除する手順
間違えてブロックしてしまった場合や、お子様が成長して視聴を許可できるようになった場合は、以下の手順で簡単にブロックを解除できます。
- 保護者向け設定画面を開く: YouTube Kidsの画面右下にある「鍵」のアイコンをタップします。
- 保護者確認: 計算問題を解くか、カスタムパスコードを入力して、保護者向けの設定画面に入ります。
- 「設定」に移動: 表示されたメニューから「設定」をタップします。
- お子様のプロファイルを選択: 設定を変更したいお子様のプロファイルを選択し、プロファイルのパスワードを入力します。
- ブロックした動画の解除: 「ブロックした動画のブロックを解除」という項目をタップします。
- 解除の実行: ブロックされている動画とチャンネルの一覧が表示されます。解除したいものの横にある「ブロックを解除」ボタンをタップします。「すべてのブロックを解除しますか?」という確認画面が表示されたら、「はい、ブロックを解除します」をタップします。
- 完了: これでブロックが解除され、再びその動画やチャンネルが表示されるようになります。
ファミリーリンク機能でYouTubeのチャンネルをブロックする方法
次に、YouTube Kidsではなく、通常のYouTubeアプリをお子様の年齢や発達段階に合わせて管理したい、という場合の「ファミリーリンク」を使った方法を解説します。この方法は、主に10歳〜13歳くらいのお子様で、YouTube Kidsでは物足りなくなってきた場合に検討すると良いでしょう。
YouTubeの子供用アカウントを作成する手順
まず、ファミリーリンクを使って、保護者の管理下にあるお子様専用のGoogleアカウントを作成する必要があります。
ブラウザ(パソコン)の場合
- ファミリーリンクのサイトにアクセス: ウェブブラウザで「Googleファミリーリンク」の公式サイトにアクセスします。
- アカウント作成を開始: 「ファミリーグループを作成」などのボタンから、アカウント作成プロセスを開始します。
- お子様のアカウント作成: 画面の指示に従い、「お子様用のアカウントを作成しますか?」という問いに「はい」と答えます。
- お子様の情報を入力: お子様の名前、生年月日、性別を入力します。次に、希望するGmailアドレス(ユーザー名)とパスワードを作成します。
- 保護者の同意: 保護者のGoogleアカウントでログインし、お子様のアカウント作成に同意します。この際、プライバシーポリシーなどの説明が表示されるので、内容をよく確認してください。同意の証明として、保護者のクレジットカード情報の入力が求められる場合があります(少額の請求が発生しますが、後で返金されるか、確認のみで請求されない場合がほとんどです)。
- アカウントの連携: 作成したお子様のアカウントと保護者のアカウントがリンクされ、ファミリーグループが作成されます。
- 完了: これでお子様専用のGoogleアカウントが作成され、保護者のファミリーリンクアプリから管理できるようになります。
スマホアプリの場合
- ファミリーリンクアプリをダウンロード: 保護者のスマートフォンに、Google PlayストアまたはApp Storeから「Googleファミリーリンク(保護者向け)」アプリをインストールします。
- アプリでアカウント作成: アプリを開き、画面右上の「+」アイコンなどをタップして、お子様のアカウント作成を開始します。
- 手順に従い作成: ブラウザの場合と同様に、お子様の情報入力、ユーザー名とパスワードの設定、保護者の同意といった手順を進めていきます。アプリの画面に表示される指示に沿って操作すれば、簡単に作成できます。
- お子様のデバイスに設定: アカウント作成後、お子様が使用するスマートフォンやタブレットに「Googleファミリーリンク(お子様・ティーン向け)」アプリをインストールし、作成した子ども用アカウントでログインして、デバイスの管理設定を完了させます。
制限モードで子供に見せたくない動画をブロックする手順
お子様のアカウントで通常のYouTubeにログインしたら、まず設定しておきたいのが「制限モード」です。
制限モードとは?
制限モードは、YouTube上で成人向け、または不適切である可能性のあるコンテンツをフィルタリングするための設定です。このモードをオンにすることで、暴力的なシーン、性的な内容を示唆する表現、その他デリケートなトピックを含む動画や、それらの動画に付随するコメントが非表示になります。
メリットと注意点
- メリット: ワンタップで簡単に、広範囲の不適切なコンテンツへのアクセスを未然に防ぐことができます。
- 注意点: このフィルタリングは100%完璧ではありません。システムが不適切と判断しなかった動画が表示される可能性は常にあります。あくまで補助的な安全機能と捉え、後述する個別のブロック機能などと併用することが重要です。
制限モードの設定手順(スマホアプリの場合)
- お子様のアカウントでYouTubeにログイン: お子様のデバイスでYouTubeアプリを開き、作成した子ども用アカウントでログインしていることを確認します。
- プロフィールアイコンをタップ: 画面右上のプロフィールアイコンをタップします。
- 「設定」を開く: 表示されたメニューから「設定」を選択します。
- 「全般」を選択: 設定項目の中から「全般」をタップします。
- 制限モードをオンにする: 「制限モード」の項目を見つけ、トグルスイッチをタップしてオン(青色など)にします。
- ファミリーリンクでの固定(推奨): 保護者のファミリーリンクアプリ側で制限モードをロックすることもできます。これにより、お子様が自分で制限モードをオフにしてしまうのを防げます。保護者のファミリーリンクアプリを開き、お子様のアカウント > 「設定を管理」 > 「YouTube」 > 「YouTubeの設定」と進み、「制限モード」をオンに設定します。
制限モードを解除する手順
制限モードを解除する場合は、設定時と同じ手順を逆に行います。
- YouTubeアプリの「設定」>「全般」に移動します。
- 「制限モード」のトグルスイッチをタップしてオフにします。
- 保護者のファミリーリンクアプリで設定をロックしている場合は、まずファミリーリンクアプリ側でロックを解除する必要があります。
個別に動画やチャンネルをブロックする手順
制限モードを有効にしていても、特定のチャンネルの動画スタイルや発言内容が「うちの子には見せたくない」と感じることもあるでしょう。その場合は、チャンネル単位で非表示に設定することが有効です。
この機能の概要とメリット
通常のYouTubeには、YouTube Kidsのような直接的な「ブロック」機能はありません。その代わりに「このチャンネルをおすすめに表示しない」という機能があります。これを設定すると、そのチャンネルの動画は、YouTubeのホーム画面やおすすめ動画の一覧に表示されにくくなります。
完全に表示されなくなるわけではありませんが、お子様が偶然そのチャンネルの動画に触れる機会を大幅に減らすことができます。
設定の手順(スマホアプリの場合)
- 非表示にしたいチャンネルの動画を見つける: ホーム画面や検索結果で、非表示にしたいチャンネルの動画を見つけます。
- メニューを表示する: 動画のタイトルの横にある「︙」(縦の三点リーダー)アイコンをタップします。
- 「チャンネルをおすすめに表示しない」を選択: 表示されたメニューの中から「チャンネルをおすすめに表示しない」をタップします。
- 完了: これだけで設定は完了です。「(チャンネル名)の動画はおすすめに表示されなくなります」といったメッセージが表示され、以降、そのチャンネルの動画はおすすめフィードに現れにくくなります。
「おすすめに表示しない」を解除する手順
間違えて設定してしまった場合、解除するには少し手順が必要です。この設定は、YouTubeのアルゴリズムに対するあなたの「好み」を伝えるシグナルとして扱われます。そのため、明確な「ブロックリスト」のような管理画面はありません。
解除操作は、設定時に表示される「元に戻す」をすぐにタップするのが最も簡単です。時間が経ってしまった場合は、そのチャンネルを検索して訪問し、動画をいくつか視聴したり、チャンネル登録(後で解除しても可)をしたりすることで、YouTubeのアルゴリズムに「このチャンネルに興味がある」と再認識させる必要があります。
テレビのYouTubeで子供に見せたくないチャンネルをブロックする方法
リビングのテレビで家族と一緒に、またはお子様だけでYouTubeを視聴するご家庭も多いでしょう。大画面ならではの迫力がありますが、その分、意図しない動画が流れた時の影響も大きくなります。
テレビのYouTubeアプリでチャンネルをブロックする方法は、基本的にはこれまでにご紹介したスマホやパソコンでの設定がそのまま反映されます。
テレビのYouTubeアプリに、どのGoogleアカウントでログインしているかが重要です。
ケース1:テレビで「YouTube Kids」を利用している場合
スマートテレビやFire TV Stick、Chromecast with Google TVなどには、YouTube Kidsのテレビ用アプリが提供されています。
このアプリを利用している場合、保護者のスマホのYouTube Kidsアプリで行ったブロック設定(特定のチャンネルをブロックするなど)は、同じアカウントでログインしているテレビアプリにも自動的に同期されます。 スマホで「このチャンネルはブロック」と設定すれば、テレビのYouTube Kidsにもそのチャンネルは表示されなくなります。
ケース2:テレビで通常の「YouTube」を利用している場合
テレビの通常のYouTubeアプリに、ファミリーリンクで管理しているお子様のアカウントでログインしている場合も同様です。
保護者がファミリーリンクで設定した「制限モード」は、テレビアプリにも適用されます。 また、お子様がスマホのYouTubeアプリで「このチャンネルをおすすめに表示しない」と設定した場合、その設定はテレビのYouTubeアプリのおすすめフィードにも影響を与えます。
テレビのYouTubeアプリで直接「制限モード」を設定する方法
アカウントの設定とは別に、テレビのYouTubeアプリ内で直接「制限モード」をオンにすることもできます。
- テレビでYouTubeアプリを開きます。
- メニューを左側に表示させ、一番下にある「設定」アイコン(歯車のマーク)を選択します。
- 設定項目の中から「制限付きモード」または「制限モード」といった項目を探します。
- 「有効にする」または「オン」を選択します。
この設定は、そのテレビデバイスでのみ有効になります。アカウント自体に紐づけたい場合は、やはりスマホやパソコンのファミリーリンクから設定するのが確実です。
子供に見せたくないチャンネルがブロックできないときの対処法
「設定したはずなのに、ブロックしたチャンネルが表示される…」 「『おすすめに表示しない』を選んでも、なぜかまた出てくる」
このように、設定がうまく機能しない時には、いくつかの原因が考えられます。慌てずに一つずつ確認していきましょう。
原因1:ログインしているアカウントが違う
最もよくある原因が、意図しないアカウントでYouTubeにログインしてしまっているケースです。
- お子様が保護者のアカウントで視聴している: 保護者のアカウントには制限がかかっていないため、ブロックしたはずのチャンネルも表示されてしまいます。
- アカウントにログインせずに(ログアウト状態で)視聴している: ログアウト状態では、あらゆる制限が適用されません。
- 複数のGoogleアカウントを切り替えて使っている: デバイスに複数のアカウントが登録されている場合、お子様が自分で制限のかかっていない別のアカウントに切り替えてしまっている可能性もあります。
【対処法】
- YouTubeアプリを開いたら、まず右上のプロフィールアイコンを確認し、必ず管理対象のお子様のアカウントでログインしているかを確認する習慣をつけましょう。
- テレビの場合も同様に、アプリ起動時にどのアカウントでログインしているかを確認してください。
原因2:ブラウザのキャッシュやCookieの問題
パソコンのブラウザで視聴している場合、古いキャッシュやCookie(ウェブサイトの閲覧情報などを保存する仕組み)が原因で、設定の変更が正しく反映されないことがあります。
【対処法】
- お使いのウェブブラウザ(Google Chrome, Safari, Microsoft Edgeなど)の設定画面から、キャッシュとCookieを削除してみてください。具体的な方法はブラウザによって異なりますが、「設定」メニューの「プライバシーとセキュリティ」などの項目から操作できます。
- キャッシュクリア後に、再度お子様のアカウントでログインし直し、問題が解決したか確認してください。
原因3:YouTubeの仕様上の限界
「チャンネルをおすすめに表示しない」機能は、あくまで「おすすめ」に表示されにくくするもので、100%表示されなくする機能ではありません。
例えば、お子様がそのチャンネル名を直接検索した場合や、他のウェブサイトに埋め込まれている動画を再生した場合、関連動画として表示される可能性は残ります。
【対処法】
- この機能の限界を理解した上で、より確実なブロックを求める場合は、やはり「YouTube Kids」の利用に切り替えるのが最も効果的な解決策です。YouTube Kidsであれば、ブロックしたチャンネルは検索しても表示されません。
原因4:お子様が設定を解除している
制限モードなど、デバイス側で設定しただけの制限は、知識のあるお子様であれば自分で解除できてしまう可能性があります。
【対処法】
- 必ず「Googleファミリーリンク」を使って、保護者のアカウントから設定をロックしましょう。 これにより、お子様のデバイス側では設定変更ができなくなり、より強固な管理が可能になります。
これらの対処法を試しても問題が解決しない場合は、一度YouTubeアプリやデバイスを再起動してみるのも有効な手段です。
安心して子供にYouTubeを見せるためのポイント
ここまで、YouTubeの機能を使った技術的なブロック方法について詳しく解説してきました。しかし、最も大切なのは、これらの設定を”ゴール”としないことです。
ツールによる管理は非常に重要ですが、それだけでは十分とは言えません。お子様が安全に、そして賢くインターネットと付き合っていくためには、保護者の継続的な関わりと、親子間のコミュニケーションが不可欠です。
安心して子供にYouTubeを見せるために、設定に加えてぜひ実践していただきたいポイントを5つご紹介します。
1. 親子で視聴ルールを決める
一方的に制限を課すだけでは、子どもの反発を招いたり、隠れて見るようになったりする可能性があります。なぜルールが必要なのかを子ども自身の言葉で説明しながら、一緒にルール作りをすることが大切です。
- 時間と場所を決める: 「平日は1日1時間まで」「夜9時以降は見ない」「自分の部屋ではなくリビングで見る」など、具体的な時間を決めましょう。タイマー機能の活用も有効です。
- 見る内容について話す: 「ゲームの動画を見ることが多いね」「最近はこのアニメにハマっているんだね」など、子どもが見ているものに興味を示し、どんな内容なのかを一緒に話しましょう。
- ルールを守れたら褒める: ルールを守れた時は、「約束を守れてえらいね」としっかり褒めてあげることで、子どもの自己肯定感を育み、ルールを守るモチベーションに繋がります。
2. 定期的に視聴履歴を確認し、会話のきっかけにする
YouTube Kidsやファミリーリンクには、保護者がお子様の視聴履歴を確認できる機能があります。これを「監視」のツールとして使うのではなく、「コミュニケーション」のツールとして活用しましょう。
「この科学の実験動画、面白そうだね!今度一緒にやってみない?」 「このキャラクター、新しいシリーズが出たんだね。どんなお話なの?」
このように、視聴履歴をきっかけに会話を広げることで、子どもの興味関心を知ることができます。また、もし不適切だと感じる動画を視聴していた場合も、感情的に叱るのではなく、「どうしてこの動画を見ようと思ったの?」「これを見てどんな気持ちになった?」と、冷静に理由を尋ねる良い機会になります。
3. 「困ったことがあったら話してね」という信頼関係を築く
どんなにフィルタリングを強化しても、予期せず怖い画像や不快な言葉を目にしてしまう可能性はゼロではありません。大切なのは、子どもがそうした経験をした時に、一人で抱え込まずに保護者に相談できるという安心感を持たせることです。
日頃から「もしYouTubeを見ていて、イヤな気持ちになったり、怖いと思ったり、よくわからないものが出てきたりしたら、すぐにパパやママに教えてね。怒ったりしないから大丈夫だよ」と伝えておきましょう。この信頼関係が、子どもをインターネットの危険から守る最大のセーフティネットになります。
4. 広告やコメント欄の存在を教える
YouTubeには、動画本編だけでなく、広告や(通常のYouTubeの場合)コメント欄にも注意が必要です。
- 広告: 子どもの興味を過度に煽るような商品の広告や、不適切な内容の広告が表示されることもあります。広告はスキップできること、広告で紹介されているものをすぐに欲しがらないことなどを教えましょう。広告を非表示にできる「YouTube Premium」の利用を検討するのも一つの選択肢です。
- コメント欄: 通常のYouTubeのコメント欄には、他人を傷つけるような言葉や、不確かな情報が書き込まれていることがあります。コメント欄は必ずしもポジティブな場所ではないことを伝え、見知らぬ人とのやり取りの危険性についても教える必要があります。
5. できるだけ一緒に視聴する時間を作る
特に幼いお子様の場合は、保護者の目が届く範囲で、一緒に視聴する時間を設けるのが理想です。隣に座って一緒に見ることで、動画の内容について解説してあげたり、不適切な場面があればすぐに別の動画に切り替えたりすることができます。
一緒に笑ったり、驚いたりする体験は、親子の絆を深める貴重な時間にもなります。
まとめ
今回は、お子様を不適切なYouTubeチャンネルから守るための具体的なブロック方法や管理設定について、網羅的に解説しました。
最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
- 最も安全な方法は「YouTube Kids」の活用: 特に12歳以下のお子様には、初めから安全なコンテンツに限定されたYouTube Kidsが最適です。
- YouTube Kidsの主な管理機能:
- 年齢に合わせたコンテンツレベル設定
- 特定の動画やチャンネルの個別ブロック
- 検索機能のオン・オフ切り替え
- 視聴時間を制限するタイマー機能
- 高学年向けには「ファミリーリンク」での管理も選択肢に:
- 保護者の管理下で子ども用Googleアカウントを作成
- 「制限モード」で不適切な可能性のある動画をフィルタリング
- 「チャンネルをおすすめに表示しない」機能で特定のチャンネルを遠ざける
- テレビでのブロックもアカウント設定が基本: スマホやPCでログインしているアカウントの設定が、テレビアプリにも反映されます。
- ブロックできない時はアカウントやキャッシュを確認: ログインしているアカウントが正しいか、まず確認しましょう。
- ツールだけに頼らない親子での取り組みが不可欠:
- 視聴ルールの設定
- 視聴履歴を通じたコミュニケーション
- 何でも話せる信頼関係の構築
YouTubeは、子どもたちの好奇心や知識を広げる素晴らしいツールです。一方で、その自由さゆえに、保護者による適切な管理とガイドが不可欠となります。
今回ご紹介した各種設定を有効に活用し、そして何よりもお子様との対話を大切にしながら、ご家庭に合った最適な視聴環境を整えてあげてください。この記事が、皆さまが安心してお子様とYouTubeを楽しめる一助となれば幸いです。