一向に姿を現さない夫…
これは息子が1歳5カ月、私が娘を妊娠中のころの話です。その日は休日で、私は自宅で息子を遊ばせながら、家事をしていました。夫も仕事はお休み。家にはいましたが、激務が続いていたこともあり、日々の疲れを癒やすべく部屋でのんびり過ごしており、私も特にそのことに関して不満はありませんでした。
しかし、私が洗濯物を干しにベランダへ出たところで、事件が発生。伝い歩きができるようになってきた息子が、誤ってベランダの鍵を閉めてしまったのです! 私は締め出されてしまいましたが、まだこの時点では夫が室内にいたため、それほど焦りはありませんでした。
後追いが始まっていた息子は、窓越しに私がいるのに触れられず、案の定大泣き。私は窓を叩きながら「締め出されたから開けて~」と夫を呼びます。しかし、いくら私が窓を叩こうと、息子が泣き叫ぼうと、夫がこちらに来る気配はありません。
顔を真っ赤にして大泣きする息子の姿に、私はだんだん焦り始めます。夫が見ていない間に息子に危険が及んだらどうしよう……。夫に知らせようにも、スマホが手元になく、電話もできません。幸いにもアパートのベランダが1階にあったことから、私は意を決してベランダの柵を飛び越えて外へ。おなかの赤ちゃんのことも心配でしたが、一刻も早く息子の安全を確保したいと必死だったので、おなかの重さやしんどさなどは感じる暇もありませんでした。そして近所に住む、あいさつを交わす程度の80歳くらいのおばあさんの家に走り、電話を貸してもらうことに。
事情を聞いたおばあさんは、驚きながらもすぐに電話を貸してくれました。電話に出た夫は、かけてきたのが私でびっくり! そのとき初めて息子が泣いていることに気づいたようです。夫が言うには、イヤホンで動画を見ながらダラダラしており、まったく気づかなかったのだとか。すぐに子どもの無事は確認しましたが、「ごめんごめん」と平謝りする夫に、私がどれだけ不安だったかわかってないと不満を訴えました。すると、身重の私を心配してついて来てくれたおばあさんが「ご主人、父親としての自覚が足りてないよ!」とピシャリ。「子どもをほったらかして、妊婦さんを走らせて、何かあったら取り返しがつかないよ!」と夫を諭してくれたのです。夫も事の重大さに気づいたようで、「はい……!」とおばあさんの言葉に何度も返事をし、心から反省してくれました。
走っておなかが少し張っていた私は、念のためその後ゆっくり座って休憩。張りはすぐ収まり、翌日に行った妊婦健診でも異常なく、数カ月後、無事に娘を出産できました。
今回の件があってから、私たち夫婦は、どちらかが子どものそばを離れるときには、お互いにひと言声をかけるようになりました。また、夫はもう家の中ではイヤホンを使っていません。夫婦で子どもの安全を守れるよう、これからも気を引き締めていこうと誓った出来事です。
著者:伊東杏/30代・ライター。わが道を行く7歳の息子、とひょうきんな5歳の娘を育てる母。夫は理屈屋。「ていねいな暮らし」に憧れ、いつか自分も……と夢見ている。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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