離乳食が食べたい長男
次男の離乳食を始めたときから、長男は次男の離乳食が食べたくて仕方ありません。最初は、普段から自分の要求を口に出したり態度に出したりすることがないため、「おなかが空いているのかな」と思い、離乳食の時間帯になると長男にパンや軽食を与えたり、長男の食事の時間に合わせて離乳食を次男に与えたり工夫をしました。
しかし、長男は次男の離乳食が欲しいようで、自分の食事が目の前にあるにも関わらず次男の離乳食を欲しがってグズりだす始末。私は落ち着いて次男に離乳食を与えることができないほどでした。
夫の言葉にハッとした
長男がさんざん自分の食べたい物を食べても次男の離乳食を欲しがり、離乳食介助が落ち着いてできない私は苛立ちが募りました。「いっぱい食べたでしょ! 人の物を欲しがらないの!」と長男に叱ることも増え、どうしたらゆっくり次男に離乳食を与えられるのか悩み始めました。
そんな私の姿を見て夫は、「長男は自分が離乳食を食べていたときのことを思い出して味が懐かしいんじゃない?」とチラッと言ったのです。私は我に返る思いでした。
大満足の長男を見て
夫の言葉を聞いてから私は、「長男にはもう離乳食は必要ないし、人の物ばかり欲しがるなんて良くない」と勝手に長男の行動を否定していて、気持ちをわかってあげることができていなかったことに気づいたのです。
それから、離乳食を少し多めに作っては、離乳食の時間帯に長男にも少し与えるようにしました。すると、長男は大満足の笑顔で少量の離乳食をゆっくり味わうように食べていたのです。私はそんな長男の姿を見ると愛おしくてたまらなくなりました。
自分の物があるのにもかかわらず、人の物を欲しがる長男を「意地汚い子」と私は勝手に決めつけて叱っていたことに気づき反省しました。まだ小さい長男が赤ちゃんのときのことを思い出し、懐かしみながら幸せそうに離乳食を楽しんでいる姿を見て、私は「感情を決めつけて叱りつけてはならない」と改めて学びました。今後も、長男の心の成長を尊重しながら育児を楽しんでいきたいと思います。
著者:岩見 エリ
2人の男児の母。看護師歴12年、フランスで出産し子育て中。