予期せぬ生理
私が25歳のころ働いていたのは私と係長以外、みんな男性の職場でした。
その日、体調には何の異変も感じず、普段通り仕事をしていた私。そして、書類提出のために席を立ち、デスクに戻ると……隣の席の男性職員からスマートフォンの画面を見せられたのです。
そっと教えてくれた同僚の心づかい
スマートフォンはメモ機能の画面になっていて、そこには「血でズボンが汚れてるみたい」と書かれていました。
私が席を外した際、同僚は経血で汚れた私の後ろ姿を見てそのことを教えてくれたのです。しかも、周りに気づかれないように、口頭ではなくスマートフォンのメモ機能を使って。
焦った私はすぐにお手洗いに走りました。普通に職場内を歩いていたため、「他にも気づいている人がいるかもしれない」と思うと、仕事場に戻るのが怖くてトイレで頭を抱えた私。とはいえ、仕事には戻らないといけません。ひとまずショーツにはトイレットペーパーをあて、ズボンについた経血は完全に落とし切ることはできなかったものの、できる限り拭き取りました。
おしりを隠しながらデスクに戻ると、私の椅子には膝掛けが。それは隣の席の同僚の物でした。そして、再び「何かできることあったら教えてね」とメモで教えてくれました。やさしい心づかいがとてもうれしかったです。
その後の私の生理への対策
その後は同僚から借りた膝掛けに助けてもらいながら、お昼休みになると係長に経血で服が汚れたという事情を話し、着替えのために一度帰宅させてもらうことに。職場の椅子はその日の就業後、ひとりでこっそりと職場に残り、拭き取ってなんとか元通りに戻すことができました。
この一件以降は、生理が近い日ではなくても最低1枚はナプキンを持ち歩くように。また、職場には必ず着替え一式をロッカーに備えることにしました。
そして、アプリと手帳に生理開始日と終了日を記入し、アプリにはその日の体調の変化についても入力しています。このようにして、体調と生理日は、気になったときにいつでも確認できるようにしています。また、この経験を経て「ちょっといつもと体調が違うな」「下腹部に違和感があるな」というときには我慢をせず、すぐにお手洗いに行くようにもなりました。
私自身、初めての失敗で、もう「この職場にはいられない!」と思うほど恥ずかしかったですが、同僚の心づかいに救われました。この経験があってからは、生理用品を常に携帯することで急な生理にも焦らずに対応できています。また、自分の体調を毎日アプリにつけるようになり、ちょっとした体の異変にも気付けるようになったため、今では経血漏れの失敗はしていません。これからも、生理用品の携帯とアプリ・手帳への体調の記録は続けたいなと思っています。
著者/なかまる あゆみ
作画/ののぱ
監修/助産師 松田玲子
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