夫の実家に行って感じた違和感
義母が夫のことを「夫ちゃん」とちゃん付けで呼んでいたのには、少し驚きました。しかも、夫も義母のことを「ママ」と呼んでいて……。仲が良いのは悪いことではありませんが、親離れ・子離れできていないような印象を受け、正直、モヤッとした私。
それでも当時はそこまで深く考えず、「親子の距離感ってそれぞれだし」と自分に言い聞かせていました。私は彼との将来を信じていたし、ささいなことに目くじらを立てたくないと思ったのです。
そして私たちは結婚し、その後すぐに妊娠が判明。夫もとても喜んでくれました。
出産直前に突然の同居宣言!?
臨月を目前に控えたある日のこと、義母がキャリーバッグを引いて突然わが家を訪ねてきました。
「今日からここに住むからね! 夫ちゃんから聞いてない?」と一方的な同居宣言。驚いた私は、「聞いていません! 今日のところはお引き取りください」と伝えましたが、義母は「嫌よ。夫ちゃんと決めたんだから!」と食い下がります。
とにかくまずは夫と話し合いをしなければと思った私は、「帰っていただけないなら、私が出ていきます」ときっぱり伝えました。
その場は引き下がってくれた義母でしたが、私の対応に夫は不機嫌に。「母さんを追い返そうとするなんて、冷たいな。お前とはやっていけない。離婚だ!」と言い出す始末。私もついカッとなって「わかった、離婚しよう」と返してしまいました。
すると義母が「出産を控えているんだから、離婚はやめて!」と割って入り、夫を制止。ひとまずその場は収まり、義母は帰っていきました。
しかし、その後の私と夫の関係は悪化。夫はストレスからか生活が乱れ、仕事も休みがちになっていったのです。
産後、義母のトンデモ発言にあぜん!
私は出産に向けて実家に里帰りし、無事に娘が誕生。その後、2カ月ほどして自宅マンションに戻ると、またしても義母が現れました。
そして娘を抱き上げながら、「A子ちゃん、ママですよ〜」と声をかけたのです。あぜんとする私に向かって、「この子は私が育てるの。名前はA子にしましょう。あなたはもう用済みよ」と言い放ちました。
実は義母は、長年の不妊治療の末にやっと息子(夫)を授かった経緯があり、ずっと女の子も欲しかったそうで、孫の性別が女の子だとわかったときから「ようやく女の子を育てられる」と考えていたようなのです。
隣でそれを聞いていた夫は、まるで当然かのようにうなずき、「ママ(義母)が育てたほうが安心だろ」と無責任な発言。私はその瞬間、完全に離婚を決意しました。
冷静に現実を突きつけ、離婚へ
義母は私に「前に『離婚する』って言っていたわよね? この子も生まれたし、もう出ていっていいわよ」と言い、私を家から追い出そうとまでしてきました。
さすがに限界を感じた私は、娘を連れて実家に避難。弁護士に相談し、離婚調停を申し立てました。
義母は「親権は私たちが!」と猛反対しましたが、夫が仕事を辞めていたこと、家庭環境が安定していないこと、そして義母による一連の言動が決定打となり、私は無事に娘の親権を得て、離婚も成立。養育費の支払いも命じられました。
その後、私は職場に復帰し、実家の支えを受けながら娘との生活を再スタート。子育ては大変ですが、幸せな日々を送っています。
家族とは、本来支え合う存在のはず。自分の願望を押し付けようとした義母と、それを止めなかった夫には、心底がっかりしました。
私はこれからも、娘の幸せを第一に考えながら、穏やかな日常を大切にしていきたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。