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「今月で倒産しまっす!」懸命に明るく振る舞う経営者の夫→俺の力不足で…でも従業員はなぜか大爆笑?

私と夫は、小さな会社を共同経営しています。デザインは私、営業や事務などの仕事は夫が全面的にバックアップしてくれています。好きなことを仕事にして、起業もして、夢が叶って、頼りになる夫もいて、幸せいっぱいでした。

しかし、そんな幸せは、長くは続かなかったのです……。

ある日、姉から連絡がありました。結婚生活から会社の経営までいろいろな話をした中で「どんな小さなことでも、気になったらすぐに調べなさい」とアドバイスされた私。

 

実はここ最近、私はデザインの仕事が忙しく、夫に会社のことを任せっぱなしにしていることが気になっていたのです。姉から、忙しくても共同経営者なのだから私も責任を持って関わりなさいと言われ、反省しました。

 

周りの人の話をよく聞いたり、協力を得たりして、うまくやり切りなさいと姉から応援され、私は覚悟を決めて動き出すことにしたのです。

 

強力な味方を得て、決意を新たにした矢先…

まずは、腹心とも呼べる従業員の2人に話を聞くことにした私。すると、決心したような面持ちで、2人も大切な話をしてくれたのです。2人に見せられたのは、会社の帳簿。数字が得意じゃない私に、2人はわかりやすく説明してくれました。

 

話を聞き終えた私は驚がく。デザインばかりして、会社の大事なところを見ていなかった……これでは経営者として失格です。2人のおかげで会社の危機的状況を把握した私は、すぐさま本格的な調査に乗り出すことに。

 

ここ1年くらい、黙って様子を見ていてくれた2人でしたが、このままでは倒産もまぬがれないかもしれないと打ち明けてくれたのです。そして、これからどうしたらいいか、自分たちがどう考えているかを教えてくれました。さらに、いつでも頼ってほしい、私の味方だと言ってくれた2人。協力を得て、私が会社を立て直そう……そう決意を新たにしました。

 

それから数週間後。
ある日の朝礼で、なんと夫が衝撃のひと言を放ったのです。明るく大きな声で「今月で倒産します!」と。自分の力不足でこのままでは持ちこたえることができないと続けました。

 

すると今度は、経理担当の女性が、蓄えが底をついたと告白。経理を任されていたのに申し訳ないと、泣きそうな勢いです。夫は「君のせいじゃないよ」と彼女をフォローし、「俺のせいだ! ここまでついてきてくれて、みんなありがとう!」と言います。

 

努めて明るく振る舞っているかのような、必死の小芝居……私と従業員の2人は、夫たちを見て思わず大爆笑。「これ以上は無理だよね」「今まで頑張ったよね」と、顔を見合わせ、笑いながら夫たちをたたえてあげました。

 

キョトンとしている夫たちに「驚くことなんて何もないの。だって、全部知ってたから。残念ね!」と私は告げたのです。

 

倒産なんてするはずないよね?

自分で言うのも何ですが、私のデザインも従業員2人の仕事も評判がいいのです。顧客からも取引先からも仕事が早くて質が高くて助かると好評。起業時に銀行から借りたお金もすでに完済しています。業績を見れば倒産なんてあり得ないのです。

 

しかし、実際には倒産もまぬがれない状況。それは、夫が会社のお金を使い込んでいたからなのです。私は会社の帳簿をくまなくチェックして、不自然なお金の流れを調べました。どうしてこんな状況になるまで、気が付かなかったのか……それは、経理担当の女性がバレないよう、夫の不正をうまく隠していたからでした。

 

そして、夫と経理担当の女性は不倫関係にあります。不倫の証拠のほうは、探偵に依頼して調査済みです。不正の証拠、不倫の証拠を突きつけ、夫たちを問い詰めると「いや……えっと、その……」と挙動不審に。

 

会社名義で購入されたブランド品や高級コスメ、出張という名目で支払われているリゾートホテルの宿泊代、ビジネスクラスの航空券に、星付きレストランでの食事代……。

 

私は以前から、経理担当の女性の休みの多さが気になっていました。家族が病気、亡くなったという理由で休むので、責められずにいたのですが、夫の仕事のスケジュールと照らし合わせると、休みは出張の日ばかりだったのです。

 

怒りに震える人物は、もう1人

混乱の中、1人の男性が会社にやってきました。激怒しているその男性は、経理担当の女性の旦那さん。夫たちはダブル不倫をしていました。夫からの突然の倒産宣言を受けて、真実を暴露することにした私は、経理担当の女性の旦那さんに不倫の証拠とともに連絡を入れておいたのです。

 

経理担当の女性に離婚を告げた旦那さんに続けて、私も夫に離婚を宣言。その日は、仕事にはならなかったので、従業員2人には帰ってもらい、夫婦2組で話し合いという流れになりました。

 

私と経理担当の女性の旦那さんの要求は、離婚と慰謝料。夫たちが会社のお金を使い込んだことは、刑事告訴しない代わりに、全額きっちり返金してもらうという話で合意。会社のお金は返金の期日を設けて、約束の日までに返金がなければ直ちに刑事告訴すると告げ、夫たちにはそれぞれ念書を書かせて、その後離婚も成立しました。


借金を背負うことになった夫たちは、2人で一緒にいるのか破局したのか知りませんが、きっと2人とも困窮した毎日を過ごしていることでしょう。

 

一方私は、腹心の2人と会社の経営を立て直し、3人で協力しながら、仲良く楽しく仕事に励んでいます。

 

◇ ◇ ◇

 

パートナーに裏切られ、精神的なショックは大きかったと思いますが、味方だと言ってくれた従業員の存在が大きな救いとなったのではないでしょうか。夫を切り捨てるという選択をし、家族を失いましたが、頼りになる家族のような2人がいれば、未来は明るいことでしょう。力を合わせて、会社を盛り立てていってほしいですね。

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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