昔はやさしかった夫。けれど今は…
義両親とは良い関係を築けていたものの、最近は夫とあまりうまくいっていない私。共働きというともあり、家事は分担していたのに、夫が手伝ってくれないことにモヤモヤしていました。
そんなある日、家事のことでケンカになってしまいます。
舌打ちをして寝室へ向かう夫……。そんな夫の態度にあきれてしまい、怒る気にもなれない私。
「昔はやさしかったのに……」
今では家事は手伝ってくれないどころか、帰りも遅い。
「どうしてこうなっちゃったんだろう……」
そんな私は、夫の浮気を疑い始めます。
意を決して夫に「最近、帰り遅くない?」と聞いてみると、「部署が変わって忙しくなっただけ」と返す夫。
嘘をついているようには見えなかったため、あまり気にしないことにしました。
頭をフル回転して仕返しを決意
そんなある日のこと、仕事中にめまいを感じた私は、会社を早退することに。病院に寄ることも考えましたが、そんな余裕もなく、とりあえず家に帰って休むことにしました。
「今日は仕事休みの夫が家にいるはず……」
夫に看病してもらおうと、やっとの思いで家にたどり着き、ドアを開けたところ……。玄関に、女性モノの靴があることに気づく私。
恐る恐る家に上ってみると、部屋のいたるところに服が脱ぎ捨ててあります。足音を立てない風呂場に近づくと、中から楽しげな声が聞こえてきて……。
「夫が浮気していたなんて……」
強いショックを受けるのと同時に、めらめらと燃えるような怒りを感じる私。
このまま出てくるのを待ち構えてやろうか、怒鳴り込んでやろうか、頭をフル回転させた結果、ある方法で仕返ししてやろうと決意します。
まさに公開処刑!?
風呂場でイチャつく声を聞きながら、義母に電話をかけた私。
そう、夫の浮気現場に親族一同を呼ぶことにしたのでした。
「実は夫から重大な発表があって、親族の皆さんにも伝えたいので、皆さんと一緒に急いでウチまで来てくれますか?」
私の切羽詰まった口ぶりに、急いで向かうと約束してくれた義母。
あとは2人を風呂場に閉じ込めたまま、みんなの到着を待つだけ……。
風呂のドア前に家具などの荷物でふさぎ、出てこられないように準備。
閉じ込められたことに気づいた2人はパニックになって叫んでいます。
そこへようやく義両親が到着し、続いて夫の姉夫婦や近所に住む親戚まで駆けつけてきました。
親戚が勢ぞろいしたところを見計らって、風呂場のドアを開ける私。
全裸の2人が悲鳴を上げながら必死で体を隠す様子に、親戚たちは開いた口がふさがりません。
事の重大さを理解した親戚は、夫を責め立てます。
みんなに恥ずかしい姿を見られ、完全に心が折れた夫は、終始うつむきながら異動先の後輩と浮気に走ったことを認める説明を始めました。
そんな情けない夫の姿を見た私は、完全に冷めて離婚を突きつけます。義両親も納得してくれ、慰謝料の支払いも約束してくれました。
その後、私は夫と離婚。慰謝料も支払ってもらい、すっきりしました。夫と浮気相手は、親戚一同にこっぴどく叱られたようです。
私は友人たちに励まされながら、素敵な男性と出会い再婚。かわいがってくれていた義両親に再婚の報告をしたところ、心から喜んでくれました。
息子のしでかしたことにずっと責任を感じていた義両親を少し安心させることができて、私はホッとしたのでした。
◇ ◇ ◇
忘れたいはずの過去でも、良くしてくれた義両親への恩義を忘れない心持ちは素敵ですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。