結婚した途端、夫の態度は豹変し…
結婚してからの夫は、家事を手伝う様子が一切なくなりました。私が残業で疲れ果てて帰宅した日も、食事の準備は一切されていません。夫は炊飯器のスイッチを入れることすら面倒がり、ソファでくつろぎながら、私がキッチンに立つのを当然のように待っている始末でした。
少しでも平日の負担を減らそうと、私は貴重な休日を返上して、何品も作り置きを用意するようになりました。しかし夫は、「また作り置きのおかずか〜。ラクしないで、たまにはできたてを食べさせてくれよ」と言うようになったのです。
平日の夜に一から料理を作るのがどれほど大変か、想像すらしてくれない夫の態度に、私は虚しさを感じずにはいられませんでした。
夫のワガママに我慢の限界!
夫の要求は日に日にエスカレートしていきました。ついには、「温め直しは手抜きだ! できたて以外の料理は食わん!」と怒鳴り散らすようになったのです。
「私だって仕事をしてるし、時間をかけて準備してるんだよ!」と言い返しましたが、夫は聞く耳を持ちません。「俺は温かいものが食いたいんだ! これじゃ何のために結婚したかわからない!」と、まるで私が家政婦であるかのような言い草でした。
その傲慢な態度に、私の我慢は限界を迎えました。
「わかった。もう温め直しはやめるね」と告げ、私は夫の望み通り、できたての料理を振る舞う計画を立てたのです。
私が用意した“最高にできたて”の料理
翌日、帰宅した夫は開口一番「おい、メシは?」と催促してきました。私はすかさず、「はい、今日はできたてだよ!」と、パックから出したての豆腐で作った冷奴を差し出しました。
夫は呆然としたあと、「ふざけるな! 風呂に入ってくるから、その間にまともなものを作っておけ!」と捨て台詞を吐いて脱衣所へ向きました。
しばらくして風呂から上がってきた夫が「今度こそできたてのメシ、準備できただろうな?」と聞いてきたので、私はキッチンで「今からお米を浸水させてるところだよ」と、まだ炊飯器のスイッチすら入れていないお釜を見せました。
「炊きたてが食べたいんでしょ? 今から準備するから、あと1時間はかかるかな」
そう淡々と告げると、夫は顔を真っ赤にして「嫌がらせか!」「いい加減にしろ!」と喚き散らしました。しかし、私は動じることなく本心を叩きつけました。
「もうあなたのワガママには付き合えない。共働きなのに家事をおろそかにして、その上、私の努力に文句ばかり言うなら……今すぐ離婚してくれて構わないよ。明日、役所で用紙をもらってくるね」
離婚を突きつけた後の、夫の変化
最初は「そんなことで離婚なんて、大げさなんだよ!」と鼻で笑っていた夫でしたが、私が一切目を合わせず、黙々と荷物をまとめ始める姿を見て、ようやく事の重大さに気づいたようでした。
私が本気だと察した瞬間、夫の顔から余裕が消え、みるみるうちに青ざめていきました。
「待ってくれ、本気なのか……? 俺が悪かった、謝るから!」
夫は震える声でそう言い、ボロボロと泣き崩れながらこう続けました。
「結婚した安心感から、◯◯(私)がそばにいてくれることを当たり前に思いすぎていた。仕事のストレスもあって、強く当たってしまっていたんだ。本当にごめん……」
自分がどれだけ私の頑張りに甘え、勝手な理想を押しつけていたか。それを失う瀬戸際になって、夫はようやく理解したようでした。
それ以来、夫は洗濯や掃除などの家事を自分からおこなうようになりました。料理についても、仕事終わりに一から準備することの過酷さを知ってもらうため、平日の当番を何度か任せることにしました。
実際に自分でキッチンに立ち、段取りの難しさを知ったことで、夫はようやく、当たり前に食事が出てくるありがたみをわかってくれたようです。
妻は家政婦ではありません。パートナーへの思いやりを忘れたのなら、いつだって別々の道を歩む覚悟が私にはあります。今は夫の様子を見守りつつ、二人で仲良く暮らしていけるように話し合いを続けていこうと思います。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。