兄妹でこんなにも違う? イヤイヤ期
わが家の息子は割とのんびりした性格で、小さなころから物への独占欲や執着心がありません。そのため、お友だちとおもちゃの取り合いになる様子をほとんど見ませんでした。第2子となる娘が2歳になりイヤイヤ期に入ったころ、娘は何でも自分の物にしたくて息子からおもちゃを取り上げることが日常茶飯事に。
それが影響したのか息子も譲らないようになり、多発するきょうだいゲンカに私はイライラが爆発。娘に対して「貸してあげなさい!」「取らないの!」「いいよは?」と毎日言い続けました。
ハッとした友人のひと言
子育ての先輩である友人に相談したとき、「うちは買える物はきょうだい2人分をそれぞれ用意してるよ」と言われ、目からウロコが落ちました。私自身が子どものころ、母の育児方針から1個の物を貸し借りや分け合うことが当たり前で育ちました。
その経験から無意識に子どもたちに同じ思いをさせていたのです。娘は1個の物を息子と一緒に使うのではなく、自分だけの物が欲しかったのかもしれません。それから私は、負担にならない程度の小さめなおもちゃなどは同じ物を2個買い、息子と娘それぞれに与えるようにしました。
自分の物があるから人にも貸せるように
娘は自分だけの物が持てたことで気持ちが満たされたようでした。息子と娘それぞれに物を与えることをしたら取り合いをすることがぐっと減り、しばらくすると娘は貸し借りが自然とできるようになったのです。
もちろん大きなおもちゃなど、2個買うことができない物はありましたが、子どもたちなりに考え、交換して使ったり一緒に仲良く遊んだりする様子が見られました。私はイライラの原因を1つ解消できたことで心に余裕が持て、娘の他のイヤイヤに対しても笑ったり受け流したりという対応ができるようになりました。
自分が親にされてきた子育てを自分も自然と子どもたちにしており、それが娘のイヤイヤを引き起こしていたとは考えてもみませんでした。1個の物を最初から貸し借りすることが難しかった娘は、「自分だけの物」を持ち、心を満たすことで結果的に物の貸し借りができるように成長しました。もしかすると、親である私の心に余裕が持てたことも、娘のこのような成長につながったのかもしれません。娘の成長とともに、私も自分自身の子育てについて見直すきっかけになり、今となってはとても良い経験です。
著者:樋山ゆり菜/女性・主婦。6歳男児、4歳女児の母。夫は不規則な勤務体制のためワンオペ育児多め。食べることが大好きで、地元・栃木県の食をメインとしたブログを運営しながら、飲食店にて接客のパートをしている。
イラスト:ホッター
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています