「勝手にしなさい!」はNG!子どもを脅していませんか?親がやりがちな「脅す育児」とは?

3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に「脅す育児」について教えていただきました。

この記事の監修者

医師保田典子 先生
小児科 | 高円寺こどもクリニック院長

2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。
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こんにちは。小児科医の保田典子です。今回は「脅すような親の言葉」について。子どもに言うことを聞いてもらいたいために使ってしまいがちな「脅し言葉」と「脅す育児」について考えてみたいと思います。

 

やりがちな「脅し言葉」

よく親御さんたちが使いがちな「脅し言葉」として、例えば「オバケがくるよ! 鬼さんがくるよ!」だったり、「勝手にしなさい!バイバイ!」と言って、子どもを置いていこうとするようなものがあります。

 

このように「何かをしなかったら(したら)怖いことが起こる」という「脅し言葉」や、子どもを突き放すような言葉、つい使ってしまう親御さんも多いのではないでしょうか。このような言葉をなぜ使ってはいけないか、考えていきましょう。

 

「オバケがくるよ!」恐怖で行動を促しても長続きしません

人が行動をする動機として、「快を求める」か、「不快を避ける」パターンがあります。持続可能な方法は「快を求める」行動なので、鬼が来るという不快を避けるための行動は長続きしない可能性があります。

 

子どもがごはんを食べない、着替えてくれないといったとき、「ごはんを食べないと鬼が来るよ!」「着替えないとオバケ来るよ!」などと言うのは、子どもに恐怖心を植え付けるという意味でも良くないですが、結局「長続きしないしつけ」になってしまうので、親の狙いすら達成することができなくなってしまいます。

 

「勝手にしなさい!バイバイ!」と置いて行こうとするのはダメ

例えば、おもちゃ売り場で遊びを止めないときや、お菓子売り場で買ってほしいと泣き続けるときなどに「もう勝手にしなさい! バイバイ!」と言ってしまう方も多いのではないかと思います。

 

置いて行くフリであっても、お子さんから目を離してしまうことが良くないですが、この「もう勝手にしなさい!」の一言は子どもにとって良くないと言われています。アメリカの精神医学研究者のグレゴリーが提唱した「ダブルバインド(二重拘束)」と呼ばれる状態です。

 

今回の例の場合、「勝手にしなさい」と言われた子どもが、その言葉の通り遊びを続けたり、泣き続けたとき、親は「何してるの! 何回言ったらわかるの!」と怒ります。親が言う通りにしていたのに、怒られてしまう。1つのメッセージの中に矛盾した複数の意味が込められているため、子どもに混乱と強い緊張、過度なストレスを与えてしまうそうです。

 

実行可能なことであれば使ってもOK

ちなみに、個人的には「〇〇しないと〇〇する」というメッセージは、使い方のコツがあると思っています。「おもちゃ遊びをやめないと置いて帰るよ!」と言っても、本当に親が子どもを置いて帰ることはない訳です。「やらないこと」を使って子どもを脅す「脅す育児」になってしまいます。

 

ですが、例えば「遊園地でぐずって泣き続けたら即帰宅するよ!」というように、親の覚悟もいるけれど、実行可能なことであれば使ってもいいのではないでしょうか。これならダブルバインドにはなりません。

 

来て5分でも泣いてぐずったら帰る。高い入園料を考えると親としても痛手ですが、「〇〇の場所で、〇〇したらいけないんだ」とわかる時期のお子さんであれば、再発がぐっと減らせます。大事なのは親が嘘をつかずに本気で言葉を伝えること、ダブルバインドはしないということなのではないでしょうか。

 

「脅す育児」をしないためにはどうすればいい?

では、「脅す育児」をしないために、日ごろの生活のなかでできることは何でしょう。親がイライラして子どもを「脅す」状況を作らないためにも、まずは子どもがぐずる状況を作らないようにするのがオススメです。

①見通しを早めに教える

遊びを切り上げるとき、できれば遊びはじめに「いつまで」を教えて、帰る時間が近くなったら30分前、15分前、10分前、5分前、3分前といった感じでちょこちょこ「いつまでか」を伝えます。

「あと3分だから、これが終わったら帰ろう」と伝え続けることで、スムーズに終われるといいですね。慣れてきたら、子どもに「あと10分だけど、何を何回したら帰る?」など聞けるとなおスムーズになるでしょう。時計を見る習慣もつきそうですね。

 

②スモールステップでやってもらうことを決める

食事や着替えなどなかなか進まない場合は、自分で進められるところまでは手伝ってあげるのも良いです。親御さんとしては「〇歳だから、これはできるべき」という気持ちもあると思いますが、その日の気分などでもできることは変わってきたりします。大変かもしれませんが、お手伝いをしてあげて、最後のステップは本人にやってもらって「自分でできた!」という気持ちを育ててあげてください。

 

③そもそもぐずりやすい所には子どもを連れて行かない

お菓子売り場やおもちゃ売り場など、ぐずると予想できる場所に子どもを連れて行かないことです。わが家の場合、スーパーにはできる限り子どもと一緒に行かないようにしていました。子どもも、ぐずって泣いて欲しがったところで、親が「ダメ!」と言ったことは絶対にやってくれないと次第に理解していきます。子どもと行く必要があるときは、例えばスーパーに入る前に「今日、お菓子は買いません」と事前に伝えて行くと、ぐずらないようになっていきます。

 

④それでもダメだったとき、自分を責めない

いろいろ工夫して、トラブルポイントは避けていて行動しても、うまくいかない日もあります。そんなときは「こんな日もあるよね」と気持ちを切り替えて過ごすようにしていました。これだけで、次に子どもがぐずったときも脅し言葉を使わないで前向きに子どもたちと向き合えます。

 

 

何度もこのコラムで書いていますが、親の子育ての方針をしっかり決めて、それを子どもにも伝えることで子どものグズグズはかなり減らせます。「自分がぐずったり泣けば親が言うことを聞いてくれる」と子どもが学習してしまうと、ぐずりが増えてしまいます。親が生活の主導権をしっかり持って、親も子もお互い気持ちよく過ごせるといいですね。

 

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