義実家へはベビーフード持参
義実家へ行くといつもお昼ごはんを食べるので、1歳の息子用に市販のベビーフードを持っていきます。家でのごはんは手作りとベビーフードの半々くらいの割合なのですが、義実家などに出かけるときは手間のないベビーフード一択でした。
ある日息子が1歳を過ぎたとき、義実家に行くと、「息子用に」と義母がおかゆを用意してくれていました。食欲旺盛な息子は義母の作ったごはんもペロリ。それを見た義母はうれしそうに「おいしかった? おいしかった?」と何度も話しかけていました。
料理上手な義母の手作り離乳食
それからというもの、息子を連れて義実家に行く際は、必ず義母が息子の離乳食を作っておいてくれるようになりました。10種類の野菜が入ったおかゆに、野菜をうさぎの形に切って柔らかく煮た物、星の形のハンバーグに生のトマトから作った手作りケチャップまで……。どれも手間がかかっていて豪華な離乳食です。
「ありがとうございます」と言いながらも、内心「こんなに手の込んだもの作ったことないよ……」と義母の張り切りように圧倒されていました。さらに義母は毎回「こんなの大したことないわよ。息子くんのためなら時間も手間も惜しくないわ。毎回レトルトじゃ味気ないしね」とにっこり言います。
トライしてみて至った結論
義母の豪華な離乳食を受けて、「もう少し私も頑張ったほうがいいのかな?」と思い、いつもより料理に時間をかけてみることに。ただ、頑張って野菜をかわいく切ったりしていると、4歳の娘からは「まだー? 遊ぼー?」の声と、1歳の息子から抱っこを求める声が……。その声を聞いて「あれ? 子どものためにしていることなのに子どもたちを放って私は何をしているんだろう……」と思い至りました。
その結果、やはり息子の料理はこれまでのままでいくことに。手の込んだ料理よりも子どもたちとたくさん遊んで関わることのほうが、私にとっては大事なんだなと再確認した瞬間でした。
義実家で手作り離乳食を振る舞われるたびに義母から子どもの食事についてチクリと指摘されますが、そのたびに「家だと子どもの相手優先で、なかなか難しいんですよ!」と笑って返しています。義母が私の返事をどう受け取っているかはわかりませんが、これからも義母の厚意だけありがたく受け取り、批判的な言葉はスルーしていこうと決めています。
作画/ぐら子
著者:山口花
2017年生まれの女の子と、2021年生まれの男の子のママ。夫の地元で個性的な人たちに囲まれながら育児しつつ、教育系ライターとして活動中。