弟思いのお姉ちゃん
小さい子が大好きで、「早く自分もお姉ちゃんになりたい」としきりに話していた娘にとって、5歳にしてようやくできた待望の弟はこの上ないほどかわいいよう。私もお姉ちゃんと一緒に弟をあやしながら「かわいいね」と言い合って、かわいい2人の姿を写真におさめる毎日。
出産前に心配だった赤ちゃん返りも一切なく、弟の面倒を一生懸命に見てくれるやさしくて愛情深いお姉ちゃんのおかげで、手のかかる0歳児育児も苦にならず、楽しく過ごせていました。
かんしゃくがヒートアップ
お姉ちゃんはこれまでイヤイヤ期もほとんどなく、比較的聞き分けのいい子でした。しかし、5歳になってから一度かんしゃくを起こすと泣き叫んで、こちらが何を言おうとも聞く耳を持ってくれなくなりました。普段の穏やかなお姉ちゃんからは想像できないほどの豹変ぶりに、原因がわからず困惑する私。
通っている保育園での様子も先生に伺いましたが、園ではかんしゃくを起こすことはまったくなく、「いつも先生のお話もよく聞いてくれるいい子です」とのこと。それでも自宅でのかんしゃくは治まるどころか、頻度は増す一方……。
ママは弟のことしかかわいくないんでしょ
休日の昼食前のこと。もうすぐごはんなのでおもちゃを片づけるように何度やさしく伝えても、一向に片づけようとしないお姉ちゃん。「片づけてくれないなら捨てる!」という、半ば強引な私の言葉を発端にかんしゃくスイッチオン。
泣き叫ぶお姉ちゃんの声に驚いて泣く弟のお世話を夫に任せ、お姉ちゃんに叩かれながらもギュッと抱きしめること数分後、お姉ちゃんがポツリと「ママは弟のことしかかわいくないんでしょ?」と言いました。
きちんと言葉にしなくて、ごめんね
一瞬何を言われたのか理解できずあっけにとられ、「どういうこと?」と尋ねると、「弟のことはかわいいって言うのに、私のことはかわいいって言ってくれなくなった」と。振り返ってみれば、たしかに弟にはお姉ちゃんと一緒になってかわいいと言っていたけれど、お姉ちゃんに向かって「大好き」とは言っても、「かわいい」とは伝えていなかったことに気づました。
その日以降、お姉ちゃんが弟をかわいいと言ってくれるたびに私がお姉ちゃんのことをかわいいと伝え、意識的にお姉ちゃんともスキンシップをたくさんとるようにしました。
かわいいと伝えていなかったことがかんしゃくの直接的な原因かどうかはわかりませんが、スキンシップをとるようにしてからお姉ちゃんのかんしゃくを起こす頻度や激しさが治まってきました。赤ちゃん返りはないと私が思い込んでいただけで、お姉ちゃんなりに寂しい気持ちを溜め込んでいたのかもしれないと反省し、改めてきちんと言葉にして伝えることの大切さを学んだ出来事でした。
著者:近藤あいこ/女性・主婦。6歳女児と1歳男児の2児の母。自身の体験をもとに、妊娠や出産、子育てに関する体験談を中心に執筆している。
作画:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています