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保育園でやりがちだけど、それNGです!保育士が「実はちょっと困っている保護者の対応」とは!?

保育士の中田馨さんが、「実はちょっと困る保護者の対応」を教えてくれました。連絡帳に書いてほしいこと、子どものことでお願いしたいことがあるとき、叩かれたときなどシチュエーション別でご紹介!

こんにちは、保育士の中田馨です。保護者の方からすると良かれと思ってしている行動だったりするのですが、実は保育士側は「ちょっと、困ってしまう」なんてこともあります。保育士として「こうしてもらえると、さらにありがたいな」という対応例もいっしょにご紹介します。

 

連絡帳に怪我や体調についての記載がない

連絡帳の形は、保育園によってさまざまだと思います。

 

連絡帳が1人1冊あり、家に持ち帰って書いてくるタイプ。教室にあって、登園時に記入するタイプ。どちらも連絡帳に書く内容にポイントがあります。

 

連絡帳に書く内容といえば、食事の時間や量、睡眠時間、排泄の内容などの項目があると思います。それ以外に、自由に連絡事項を書く欄もあったりします。私の保育園では、連絡事項の部分は「子どもの体調面や日々のエピソードなど書いてください」とお伝えしています。

 

子どもの日々のエピソードを、保護者と保育園で交換日記のように渡し合える連絡帳は、貴重な育児日記でもあります。そんな連絡帳ですが、子どもの日々のエピソードを書くことが楽しくて、一番重要な「子どもの体調面」を書いてくれない保護者がときどきいます。

 

普段と変わらず機嫌がよい場合はいいのですが、「夜に頭をぶつけた」「帰宅後、1回嘔吐した」などの情報は、その日の保育につなげることができるので、連絡帳に書くか、口頭で伝えていただけると助かります。

 

自分の要望だけを伝える

「蚊になるべく刺されないように対応してください」

「私なら転びそうになったら飛び込んで助けます」

 

これらは実際、私が保護者に言われたことです。それぞれの家庭の大切なお子さんですので、私たちの仕事は責任重大です。できるかぎり、朝登所した元気な状態で夕方帰宅できることが目標でもあります。

 

ただ、子どもの年齢によって違いますが、0歳は3名につき1名、1~2歳は6名につき1名の保育士が保育します。1人の保育士が6人の子どもを保育していたら、蚊に刺されることもありますし、転んでしまうこともあります。

 

まず、そこは理解していただいたうえで、「どうして蚊に刺されたくないのか?」を考えてみましょう。うちの子は刺されると赤く大きく腫れるのが心配なら、それを伝えてもらえると助かります。そして、保育士と一緒に対策を考えてみます。

 

保育園側ができることは、あくまで集団生活の範囲内ですが、「外に行くときは長そで、長ズボンをはく」などは対応してもらえるでしょう。一方的に、子どもの見てもらいたい部分だけを伝えるのではなく、なぜそう思っているのかを言葉にして伝えて保育士と一緒に対応を考えてみてください。

 

 

叩かれた! 噛まれた! そのことしか見ない

保育園にお迎えに来て、自分の子どもを見ると、顔に引っかかれた痕が!

保育士に「すみません。お友だちに引っかかれました」なんて言われたら、子どもがかわいそうで悲しくなってしまいますね。

 

それが数日続くことがあると、「なんでうちの子だけ」と思うことでしょう。保育園で起きたケガは、すべて保育園の責任です。とはいえ、保育士も人間ですし、子どもも元気いっぱいに活動しています。「今後、絶対にケガをさせません」という約束はできません。

 

以前、お友だちに噛まれた2歳児の保護者からこんなことを言われたことがありました。「お互いが乱暴にやり合ったなら、喧嘩両成敗でいいが、うちの子はたたいてもいないのに納得できない!」

 

保護者としては、たたき合いなどの喧嘩であれば噛まれても仕方ないという考えだったのでしょう。でも、子どもの世界はそんなに単純なものではありません。乱暴をされなくても「嫌だ! やめてほしい!」という気持ちが芽生えたら、たたいたり、噛んだりするという行動につながることがあります。なぜなら、まだ言葉で自分の気持ちを伝えることが難しいからです。

 

もし、保育園で自分の子どもが傷つけられたとき、つらい気持ちになると思いますが、「そのとき何があったのか? 子どもたちの心の動きがどうだったのか?」を説明している保育士の言葉にもう少し耳を傾けていただけるとうれしいです。

 

 

今回は、私の園で実際にあった例をあげながらお話をさせていただきました。保護者の保育園への理解と協力、保育士とのコミュニケーションがあればあるほど、子どもの保育園生活は充実していきますよ。

 

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    この記事の著者
    著者プロファイル

    保育士中田馨
    一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長

    0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!

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      子どもってうまく言語化出来なくて手が出ちゃうんですよね。大人が叩くのとまた訳が違う。成長過程として捉えられない人意外と多いですよね
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      保育者側の意見とても参考になりました!
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      私も11年間保育士をしていました。今回の内容には、同感です。子どもたちは言葉で伝えることが上手にできませんし、情緒も成長途中なので、我慢できないことが多いです。手が出てしまうことはたくさんあり、他の子… もっと見る
      私も11年間保育士をしていました。今回の内容には、同感です。子どもたちは言葉で伝えることが上手にできませんし、情緒も成長途中なので、我慢できないことが多いです。手が出てしまうことはたくさんあり、他の子の対応をしている時にケガにつながってしまうことは正直あります。そのたびに悩み、帰宅してからも反省しない日はありませんでした。

        私も同じことを言われたことがあります。「なんでうちの子だけ噛まれるのですか?」 「噛んだ子の親はしっているんですか?」
      また、3歳児クラスの担任をしていた時(30人以上を2人担任です)、「蚊にさされないように虫除けスプレーをしてください。」「散歩に行く時は、長袖に着替えさせて、帰ってきたら半袖に着替えさせてください。」と言われたこともありました。もちろんスプレーは他の子につく可能性があるので断りましたが、着替えを要求された時は、その子の着替えを待つだけで出発が遅れることがありました。

      保護者の方にとっては大事なお子さんなので、心配になるのはわかります。ただ、保育士も人なので保護者の一言で、心が折れそうな時もあります。もう少し、我が子の成長発達の様子を見て、集団生活の大変さを想像してから意見や要求を言ってほしいと思います。 
      保護者と保育士がお互いに子どもの成長を喜び、理解と協力できる関係だと子どもたちの笑顔が増えそうですね。そんな保育園がたくさん増えるといいなぁと思います。 
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