同居したものの我慢の毎日
夫が長男ということもあり、私たちが家を買うタイミングで義両親と同居することになりました。はじめはお互いの生活リズムを把握しようとしましたが、夫は不規則なシフトで一緒に食事する時間は少なく、私と子どもたち、義両親で食卓を囲んでいました。
私が食事の担当ですが、料理は得意なほうではありません。さらに、子どもと義両親の好きな献立も違い、次第にストレスがたまっていきました。仕事が終わって買い物をし、バタバタして帰ってきて作る料理に義両親の辛口コメント。さらに生活リズムや考え方の違いに、我慢の毎日が続きました。
同居解消。そして……
とうとう私の体調にもストレスの影響が出始め、夫もいろいろと義両親に我慢していたため、夫から義両親に同居を解消することを伝えました。義両親は何かあったときのためと、前に住んでいた持ち家を売らずにいたので、そこへ戻ることに。義両親は引っ越しの準備を着々と進め始めました。
自分たちの荷物や家具は持って行くからと言われましたが、一緒に使っていた物もあり、どの程度なくなるのか把握できません。食事の準備もあるのでいつ引っ越すか確認すると、私たち家族が仕事や学校に行っている間に業者に頼んで運んでもらい、家の鍵もポストに入れておくからと言われました。
仕事から帰ると……
義母が言っていた通り、仕事から帰ると家はスッキリと物がなくなっていました。リビングのダイニングテーブルや脱衣所の棚、「義妹が弾いていたけれど、もう弾かないから孫に」と言っていたピアノまで。自分たちの物はきれいに全部持っていかれていました。
それまで自分たちの家なのに義両親のもので埋め尽くされていたことに気づき、なくなって困った反面、やっと自分たちの家になった実感が湧いたのです。こまごました日用品もなくなっていましたが、夫も自分がお金を払っている家なのに思うようにできないということに悶々としていたらしく、解放されてスッキリしたようでした。
物がなくなったあと、部屋の模様替えをしたり必要な物を買ったりと出費はありましたが、やっと自分たちの家になりました。子どもたちも友だちを家に呼べるようになり、できなかったことを楽しんでいます。その後義実家はリフォームし、義父は他界しましたが、義母は自分の生活を満喫しているようで、私たちもいい距離感で付き合っています。
著者:松田みさと
長男と次男が15歳差の2男2女の母。仕事をしながら子育てに奮闘中。現在はライターとして、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。