授業参観で、娘が友達のママに……
「あら、その服地味ね。どこで買ったの?」とA子。「おばあちゃんが作ってくれたの!」と娘が答えると、「今どき手作りの服!? 貧乏丸出し!」と悪口を言っているではありませんか!
私は慌てて「ちょっと、今のはどういう意味ですか!?」と口を挟みました。
娘の服を作ってくれている義母の正体に衝撃!
「娘さんの服、ひどくないです? 私は子どもには着たいものを着せてあげたいって思っているの」と、お姫様のようなワンピースを着ているA子の娘の服を見せびらかしてきます。
私が言い返そうとすると、「大丈夫よママ。この子は優秀な子だし、この服のことをわかっているママもいるわ」と娘。
すると、「これ高級ブランドの服ですよね! 大好きだけど、高くて手が出せなくて……。こんなシックなデザインの子ども服もあるの?」と他のママが話しかけてきてくれました。
実は、私の義母はこのブランドの社長兼デザイナー。娘の服は、義母が愛する孫のためにわざわざ作ってくれているのです。
自分から言ったことはありませんが、私はとてもお金持ち。衝撃の事実を知ったA子が「何よ! 私のだって高級ブランドなんだから!」と怒鳴り始めました。
娘が母親を説得
その途端、A子の娘が「ねぇお母さん、もうやめよう」とA子をたしなめます。「誰かを悲しませたり困らせたりしたら、謝らないといけないんだよ?」と落ち着いた声で伝えます。
黙ってうつむいていたA子は、「ごめんなさい……」と謝罪。
母親失格だと落ち込むA子に「この子はいつもお母さんのことを私に自慢しているの。見栄っ張りだけど本当は頑張り屋で、家では優しくて料理じょうずなお母さんだって」と娘が伝えます。
その言葉に、A子は大泣きです。
義母に子どもたちの服を作ってもらうことに
実は、A子は貧しい家で育ったため、お金持ちに嫁いでから見栄を張って頑張っていたそうです。きちんと謝罪して反省したA子を許すことにした私たち。A子親子を家に招いて、義母に服を作ってもらうことにしました。
見栄を張ることもなくなって、好きだったシックな装いでナチュラルメイクになったA子。今では親子で温泉旅行に行く仲になりましたよ。
人は見た目ではありません。周りの目ばかり気にしすぎて、背伸びをしていると疲れてしまいますよね。子どもたちのおかげで、大切なことに気づけたA子。友情がこれからもずっと続きますように。