弁護士を目指して勉強中の彼
交際当時、私は社会人2年目でしたが彼はまだ学生でした。私と同い年の彼は弁護士になる夢を叶えるべく、二度目の大学生活を送っていました。奨学金をもらっていたので、夜勤のバイトをしながらで大変そうな彼を応援していた私。
交際から2カ月ほど経ったある日、私たちは出会いのきっかけとなった合コンに参加していたメンバーの話で盛り上がっていました。彼が友人たちの職場での失敗談などを面白おかしく話してくれて、最初は私も笑っていたのですが、次第に彼らの欠点を指摘しながらマウントを取り始めたのです。
偉そうな彼に幻滅
彼の友人たちは高校卒業後フリーターとして働いている方が多く、彼は「俺は大卒だけど、あいつらは高卒だしフリーターって将来厳しいよな」と見下すようなことを言い出します。「一生正社員になるのは無理そう」など好き勝手に仲間の将来を予想してバカにする姿に、私は一瞬で引いてしまいました。
確かに彼は大卒ですが、まだ正社員として働いた経験はありません。フリーターだとしても、毎日汗水垂らして働く仲間をバカにするのは違うと思いました。彼が親のスネをかじっていたわけではありませんが、違う立場の人たちにえらそうなことを言う彼に違和感を覚えたのです。
プライドの高い彼が放つ言いわけ
その後も、彼の言動に疑問を抱くことが増えていきました。例えば、彼が肌荒れに悩み「金欠でまともな食事ができない」と私に相談したときのことです。心配した私は、彼が少しでも栄養バランスのいい食事をとれるようにと、デート代を多めに出していました。しかし、彼の部屋を訪れるとそこには大量のビールの空き缶が積み上げられていたのです。しかも飲んでいたのは高級ビールで、「このビールの味を知ったら他のビールは飲めない」と言う彼に私は唖然としました。
またあるときは、彼が「テストが近いから勉強したい」と言っておきながら、テレビをつけながらやっていてギョッとしました。集中できる環境は人それぞれですが、彼は明らかにお笑い番組をチラチラ見ていて、全然集中できていません。そんな彼の怠慢な姿勢を見て、弁護士への道が近づいているとは思えず「働く気はないの?」と聞いたことがあります。すると、彼は「自分は人に使われる人間になりたくない」と言う始末。どこまでもプライドが高く自分に甘い彼に私は幻滅し、将来を考え別れることを決意しました。
彼はやさしく穏やかな人でしたが、他人を見下すような言動や矛盾した行動にはがっかりしました。最初は彼を応援したいと思っていましたが、ビッグマウスな気質はどうしても受け入れられませんでした。彼との交際をきっかけに、大きな夢を語る人には少し警戒するようになった私。謙虚で誠実な人が一番だと思い、今の夫との結婚を決めました。
著者/佐々木まほ
作画/ちゃこ
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