睡眠不足が慢性化して感覚がマヒしていた私
子どもを産む前から、職場でのストレスなどがあると気になって寝つきが悪い・早朝覚醒といった睡眠障害の症状がありました。しかし、「心療内科」と聞くと受診には抵抗があるのと同時に、睡眠障害の期間が長きに渡っていたので感覚がマヒしており、私のなかで「眠たいけどまだまだ頑張れる」といった気持ちがあったのです。
長女を出産後は、就寝後から起床時まで2時間おきに起こされるのが当たり前の生活で、さらに睡眠不足となり、また昼間や夜間に寝られるチャンスがあっても「またどうせ長女に起こされるから」と気にしすぎて長女が寝た隙に一緒に寝る、といったようなこともなかなかできませんでした。
何も悪いことをしていないのに苛立つ私
そして、次女を出産後、とうとう私のメンタルは限界に。具体的には、長女に対して何もしていないのにイライラするようになってしまったのです。しまいには2人の寝かしつけの際に、泣き叫んでいる次女の様子を見た長女が気をつかってか「私、先に寝るね」と言ってきたことにすら腹が立つ始末でした。
この状況であれば「空気を読んでくれる物わかりの良い子だわ」と感じる場面なのかなと思います。しかし、長女は普段からお友だちにおもちゃを取られたりしても何も言わない子だったので「自分の意見がない子なのか」と、過去の長女の気にくわない言動と被ってしまって、変な苛立ちを覚えていたのかもしれません。
心療内科を受診した私
「とうとう私のメンタルも限界に近いのか」と自身で気付き、まずは市の保健所に連絡。その後、精神保健福祉士の方たちに私の話を聞いてもらい、思い切って心療内科を受診したのが、次女が生後8カ月のころです。医師は私の気持ちや本心を的確にかみ砕いてくださり、「あなたが言いたいことはこう?」と聞いてくれたのが心強かったです。
そして「そんなにずっとつらい思いをしていたのなら、もっと早く受診したらよかったね」と私の気持ちに共感してくれたのが、本当にありがたかったです。
現在は、産後うつと適応障害と診断を受け、服薬とカウンセリングを受けながら心療内科へ通院しています。心療内科を受診したことで「弱い自分」や「ありのままの自分」を受け止められるようになり、「なんでも適度に、できないことはやらない」くらいの気持ちでいられるようにしています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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イラスト/おんたま
著者:山本加奈子
2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。