入学祝いくらい、くれてやるよ!
「娘の卒園と入学のお祝い、何をしようか?」
私は夫に相談を持ちかけます。
しかし、気乗りしなそうな様子で返事をする夫。
「幼稚園なんて誰だって卒園できるし、小学校も義務教育なんだから誰でも入学できるよね? お祝いするようなことじゃないじゃん」
「それはそうだけど……人生の一区切りを迎えた娘を祝いたいじゃない」
「どうでもいいや〜。そんなことに金や時間を使うよりも、別のことに使ったほうが有意義だろ」
親としての自覚を疑うレベルの最低な発言に、私はがっかり!!
そんな私を見て、夫は投げやりにいいます。
「あげりゃいいんだろ? 入学祝いくらい、くれてやるよ!」
しかし卒園式にも入学式の朝にも、夫からのプレゼントはありませんでした。
捨てるに値するプレゼント
しばらくして、きれいにラッピングされたプレゼントを持って帰ってきた夫。
「待たせたな〜。入学祝い、買ってやったぞ~」
とプレゼントの箱を娘に渡しました。
無言で受け取った娘はプレゼントの箱をテーブルにポンと置き、どこかへいってしまいました。
しばらくして、ゴミ箱にプレゼントの箱が捨ててあるのを発見した私。びっくりして娘に尋ねると、娘はしれっと答えます。
「いらない! これは私にくれたプレゼントじゃないから」
そう言われ、ゴミ箱に捨てられたプレゼントを開けてみると、高級なブランドものの財布とメッセージカードが入っていました。
「A子、誕生日おめでとう! 愛してる♡」
なんと、浮気相手へのプレゼントを誤って娘に渡していたのでした。
最低夫、プレゼントを取り違える
娘に言わせると、心のこもっていないプレゼントはすぐにわかるのだそう。
おかしいと思った娘が夫の部屋を探したところ、もうひとつプレゼントの箱を発見!
夫は娘への入学祝いと一緒に、浮気相手へのプレゼントを買っていたのでした。しかも自分で準備したのか、同じリボン、同じペーパーでラッピングしており、見分けがつきません。
残念な夫は、浮気相手へのプレゼントと娘へのプレゼントを取り違えたのでした。
娘へのプレゼントを開けてみると、小さなぬいぐるみが1つ。よくよく見ると100円ショップのタグがついていました。
かたや高級な財布、かたや100円のぬいぐるみ。
「パパは私よりもA子さんが大事なんだね」と、悲しそうな表情を見せる娘。
プレゼントは気持ちを伝える手段のはずが……
「娘のお祝いに、なんてことしてくれるのよ!!」
私は夫を呼びつけ、問い詰めることにしました。
ゴミ箱に捨てられていた浮気相手へのプレゼントを見て、すべてを悟った夫。
私と娘の冷ややかな視線に耐えきれず、ゴミ箱からブランド物の財布を拾い上げ、乱暴に家を出ていきました。
「どこまでもセコイ男ね!!」
娘と浮気相手へのプレゼントを同じラッピングにするなんて、プレゼントに気持ちが入っていない証拠。私と娘に愛想を尽かされるばかりか、浮気相手に捨てられるのも時間の問題でしょう。
◇ ◇ ◇
娘さんの言うように、本来プレゼントは気持ちを伝える手段。今回は、プレゼントをあげる相手を雑に扱う気持ちまで伝わってしまったようですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。