パニ子の娘、パニ美はお菓子作りが得意な女の子。作ったお菓子を友だちにプレゼントするのですが、ラッピングにもこだわりあり! パニ美曰く、「プレゼントは物を贈るものでなく、心を届けるもの」なのだそう。そんなパニ美も4月から小学1年生! 親としてはとっておきのプレゼントをあげたいのですが……
入学祝いくらい、くれてやるよ!
「パニ美の卒園と入学のお祝い、なにをしようか?」
パニ子は夫、ミノルに相談を持ちかけます。
しかし、気乗りしなそうな様子で返事をするミノル。
「幼稚園なんて誰だって卒園できるし、小学校も義務教育なんだから誰でも入学できるよね? お祝いするようなことじゃないじゃん」
「それはそうだけど……人生の一区切りを迎えたパニ美を祝いたいじゃない」
「どうでもいいや〜そんなことに金や時間を使うよりも、別のことに使ったほうが有意義だろ」
親としての自覚を疑うレベルの最低な発言に、パニ子はがっかり!!
そんなパニ子を見て、ミノルは投げやりにいいます。
「あげりゃいいんだろ? 入学祝いくらい、くれてやるよ!」
しかし卒園式にも入学式の朝にも、ミノルからのプレゼントはありませんでした。
捨てるに値するプレゼント
しばらくして、きれいにラッピングされたプレゼントを持って帰ってきたミノル。
「パニ美〜待たせたな〜。入学祝、買ってやったぞ~」
とプレゼントの箱を渡しました。
無言で受け取ったパニ美はプレゼントの箱をテーブルにポンとおき、どこかへいってしまいました。
しばらくして、ゴミ箱にプレゼントの箱が捨ててあるのを発見したパニ子。びっくりしてパニ美に尋ねると、パニ美はしれっと答えます。
「これは捨てるに値するものだからよ! よく見て。これは私にくれたプレゼントじゃないから」
そういわれ、ゴミ箱に捨てられたプレゼントを開けてみると、高級なブランド物の財布とメッセージカードが入っていました。
「スズコ、誕生日おめでとう! 愛してる♡」
なんと、浮気相手へのプレゼントを誤ってパニ美に渡していたのでした。
最低夫、プレゼントを取り違える
パニ美にいわせると、心のこもっていないプレゼントはすぐにわかるのだそう。
おかしいと思ったパニ美が夫の部屋を探したところ、もうひとつプレゼントの箱を発見!
ミノルはパニ美への入学祝と一緒に、浮気相手へのプレゼントを買っていたのでした。しかも同じリボン、同じペーパーでラッピングしており、見分けがつきません。
残念なミノルは、浮気相手へのプレゼントと娘へのプレゼントを取り違えたのでした。
パニ美へのプレゼントを開けてみると、小さなぬいぐるみが1つ。よくよく見ると100円ショップのタグがついていました。
かたや高級な財布、かたや100円のぬいぐるみ。
「私へのプレゼントは渋々用意したのに、その女には張り切って購入したのがすぐにわかるプレゼントね。パパは娘よりも浮気相手が大切なのね!」
プレゼントは気持ちを伝える手段のはずが……
「娘のお祝いに、なんてことしてくれるのよ!!」
パニ子はミノルを呼びつけ、問い詰めることにしました。
ゴミ箱に捨てられていた浮気相手へのプレゼントを見て、すべてを悟ったミノル。
パニ子とパニ美の冷ややかな視線に耐えきれず、ゴミ箱からブランド物の財布を拾い上げ、乱暴に家を出ていきました。
「どこまでもセコイ男ね!!」
娘と浮気相手へのプレゼントを同じラッピングにするなんて、プレゼントに気持ちが入っていない証拠。パニ子とパニ美に愛想を尽かされるばかりか、浮気相手に捨てられるのも時間の問題でしょう。
パニ美のいうように、本来プレゼントは気持ちを伝える手段。今回は、プレゼントをあげる相手を雑に扱う気持ちまで伝わってしまったようですね。