困った様子のママさんに遭遇
その日は夫と一緒に、3歳と1歳の娘を連れて公園へ。お昼になり、近くの商業施設のフードコートで食事をすることになりました。
フードコートは家族連れであふれており、私たちは子どもたちの相手をしながら慌ただしく食事を済ませました。食べ終わった食器を片付けようと立ち上がると、遠くの席に何やら困った様子のママさんを発見。
帰り際に涙を拭う姿を見て…
そのママさんは、3人の男の子をひとりで連れており、私は「3人の子どもを連れておでかけなんて、大変そうだなぁ」と思っていました。よくよく見ると、そのうちの1人の男の子が嘔吐してしまったようで、嘔吐物が隣の人にかかってしまった様子。
男の子のママさんは、かかってしまった人にひたすら謝っていましたが、相手の方は、険しい顔をしながら我関せずな様子に見えました。
近くにはぎっしりとお客さんが座っていましたが、誰も助けようとしておらず、ママさんは顔を真っ赤にして、汚れた床や座布団をひとりで必死に拭いています。
私は、「声をかけようか……。でも、迷惑だと思われるかな……」と悩みましたが、そうこうしているうちに清掃員の方が来て、嘔吐物を片付けてくれていました。
清掃員の方が来たのを見て安心していましたが、そのママさんがフードコートを後にするときに、涙を拭っている姿を目撃。その姿を見て胸がギュッとなり、「あぁ、やっぱり声をかければよかった」と後悔。
ひとりで3人の子どもを連れているだけでも大変なのに、あんな状況になってしまって、とてもつらかったのではないかと感じます。
さらに、誰も手を差し伸べてくれない状況に、「自分だったら絶望的な気持になるだろうな。誰かが声をかけたり手伝ってあげたりしていたら、あのママさんの気持ちが軽くなったかもしれない」と思いました。
もし自分がワンオペの状況で、予想外のアクシデントに見舞われ、周りが見て見ぬふりをしている状況だったら、きっと絶望感や孤独感に襲われると思います。今までは「迷惑だと思われたら……」とためらってしまい、なかなか行動できずにいた私ですが、今後もしあのママさんのように困っている様子の人に出会ったら、迷わず声をかけようと感じた出来事でした。
著者:南星 花/30代女性・主婦。3歳と1歳の姉妹と、発達障害の夫、13歳の猫と暮らす。妊娠中に夫の失業、切迫早産、胎児発育不全など、さまざまなトラブルを体験。IT業界で働くワーキングマザー。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています