うちのおむつは試供品じゃない!
大学時代のBはというと、みんなで食事に行けば、人が頼んだものを「おいしそうだから一口ちょうだい」と言い、自分が多めに注文しても割り勘にする人でした。また、お店に置いてある化粧品のサンプルなどを何個も持ち帰るようなこともあり、Aは「Bはケチな人だ」とやや苦手意識があったのです。
しかし、Aは「夫以外に話し相手がいないし、子ども同士の月齢が近いと話も合うだろう」と、Bを自宅に招くことにしました。Bは「久しぶりに会えてうれしいよ」と、ゼリー2個をお土産にくれたのです。お金を使いたがらないBからお土産があるとは思わず、Aはケチを理由に会うか悩んだ自分を恥じたそう。
そこから、育児や夫婦関係などいろいろな話で盛り上がりました。途中、Bの息子が大きいほうをしたのですが、「しまった! 出る前にバタバタしてておむつポーチ忘れた!」と、Bが焦って言ったそう。Aは「うちのおむつでよければ使って」と、ベビーワゴンからおむつを渡すと、「助かる!」とBはA宅のおむつとおしりふきを使用しました。
ところが、おむつ替えが終わるとBは「はい」と、Aに使用済みおむつを渡そうとしたのです。「え、ごめん。トイレ案内するね」と言うと「Aが捨ててくれるんじゃないの?」とどこか不服そうなB。「いくら人の家とはいえ、使用済みおむつは親が処理するのが当たり前なのでは?」とモヤモヤしつつ、おむつ消臭袋をBに渡しトイレに誘導しました。
トイレから戻ったBは「うちで使ってるおむつとおしりふきのメーカーと違うし、ついでに使い心地試したいな~。ここにあるおむつとおしりふき、もらうね! あ、この試供品もよさそう~」と、ベビーワゴンからおむつを10枚ほどと、ストックしてあった未使用のおしりふき、Aが子どもに使おうと思っていたベビー用の保湿剤の試供品をとり、バッグに入れ始めたのです!
その行動にびっくりしたAは「何してるの!? 勝手にとらないでよ」と断ります。「も~、ゼリー持ってきてあげたのにケチくさいなー。1、2枚じゃ使い心地わからないじゃん。ママ友なんだから助け合いだよ!」と、さも正論かのように言うではありませんか。
たしかに、お土産はもらったけれど、さすがに度が過ぎると思ったAは「それは私がお金を出して買ったもの。無償提供するためのものじゃないの。大学時代から思ってたけど、ちょっとがめつすぎない?」と、つい本音が……。
そう言われ、顔を真っ赤にしたBは「おむつ何枚かでギャーギャー言うほど生活苦しいんだね。返せばいいんでしょ。もうAとは会わない!」と、バッグに入れた物を床に叩きつけ、怒って帰ったそうです。
Bにとっては、Aからおむつやおしりふきをもらうのは、試供品をもらう程度の感覚だったのかもしれません。しかし、友だちとは言え、許可もなく勝手に人の家のものを持って帰ろうとするのは、許されることではないと私は思います。物やお金に対する価値観の違いはあれど、私も他人に迷惑をかけるような偏った考えになっていないか、きちんと自身を振り返らなければと反面教師にした出来事でした。
著者:福尾ひより/30代・主婦。7歳の息子と夫と3人暮らしの主婦。パートを頑張りながら、趣味のハンドメイドやセルフネイルで息抜きしている。
作画:sawako
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)
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