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夫「俺は仕事でクタクタなのに」「お前は給料泥棒だな」私「ごめんね、じゃあ選手交代」→すると1週間後…!?

夫が「イクメン」として1年間の育休を取得。これで産後の大変な時期も2人で乗り越えられると信じていました。

……しかし、現実は育児を私に丸投げし、カフェや飲み会三昧の夫。私の体力が限界に達し、夫の無責任さを責めると、彼は逆ギレして育休を返上してしまいます。

絶望する私に、ある日、私の上司から衝撃的な連絡が入り……?

 

夫からの信じられない返信

「やっと赤ちゃん、寝てくれた……」


生後3カ月になる息子の育児に、私は寝不足になりながら毎日奮闘していました。産後のぼんやりした頭で時計を見ると、もう午後。ふと、育休中の夫の姿が家から消えていることに気づきました。


「あなた、どこに行ったの?」とメッセージを送ると、数分後に呑気な返信が。


「あ! おつかれ〜! 今カフェでリフレッシュ中! 家にいると泣き声で休めないからさ〜」


その文字を見た瞬間、全身の血が逆流するような感覚に襲われました。


「カフェ!? あなたも育休中でしょ!?」


私は授乳で1時間おきに起こされ、体はフラフラです。それなのに、夫は私に育児を丸投げして、1人で優雅にお茶をしている……。


「いやいや、俺だって休む権利くらいあるだろ? せっかく育休で仕事から解放されてんだからさ。あ、今日は友だちと飲むから、夕飯いらない」

 

信じられない言葉でした。

 

「だって、この前おむつ替えただろ? ミルクも1回作ったし!」と、数えるほどの「手伝い」を恩着せがましく主張する夫。たった1回で父親面して、育児をすべて私に押しつけるなんて……。

 

責任転嫁する夫

それから数週間――。

 

状況は何も変わりませんでした。夫は両親などの来客のときだけ、見せるためかのように、数回おむつを替えただけ。私がその無責任さを指摘すると、夫はとんでもないことを言い出しました。


「ったく……細かいなぁ。ていうか、お前だって、俺にそんな厳しく言えるのかよ。最近、家がほこりっぽいくせに!」


育児に追われる私に、家事まで完璧にこなせと言うのです。


「俺さ、部屋が散らかってると落ち着かないんだよなぁ〜。あ、だから育児にやる気も出ないのかも。お前がもう少し家事に力入れてくれたら……俺も本気出せるかもな!」


怒りで体が震え、「いい加減にしてよ!」と私が叫ぶと、夫は待ってましたとばかりに逆ギレしてきました。


「は? 何キレてんだよ! せっかく育休とってやったのに! そんな言い方されるなら、もういいわ! 育休なんて、もう返上してやるよ! 明日から働きに出るからな!」

 

「……好きにすれば? どうせ家にあなたがいても変わらないし」と私が冷たく言うと、「本当にかわいくないやつだな! もう明日から会社行くわ!」と捨て台詞を吐いた夫。

 

しかし実際には、会社との調整に2週間かかりました。そのころ、息子は寝返りを打ち始め、目が離せなくなってきていました。それなのに夫は「復職準備で忙しい」と言い、育児は相変わらず私任せ。スマホゲームばかりしている夫を見て、私の怒りは頂点に達していました。

 

そして2週間後、夫は育休期間をまだ数カ月残しているにもかかわらず、職場復帰してしまったのです。

 

 

上司が目撃したイクメン夫の裏の顔

「お久しぶり。体調はどうかしら?」

 

部長のやさしい声に、思わず涙が出そうになりました。お礼を伝えると、部長は少し躊躇してから言いました。

 

「実はね、最近、旦那さんを社内で見かけてね。もう育休を切り上げて復職されたって、部署の人から聞いたの」

 

「え、はい……」

 

「人事の担当者と雑談していたときに、『家では自分が育児も家事もほとんどこなしてるから、妻が居場所をなくしてピリピリしていて、家に居づらくて……』って話していたって聞いてね。それで私、少し気になって……」

 

「育休を取った旦那さんが復職するって、本当に家庭の事情が落ち着いたからなのかしら?」

 

部長の言葉に、私は堪えていたものが溢れ出しました。

 

「実は……全然落ち着いてないんです。夫は育休中、ほとんど育児を手伝ってくれなくて……。それを指摘したら逆ギレして、育休を切り上げて復職してしまって……」

 

電話の向こうで、部長がため息をつく気配がしました。

 

「やっぱりそうだったのね。人事から聞いた話と、あなたの様子があまりにも違うから……。前回メールをくれたときも、かなり追い詰められてる様子だったから心配してたの」

 

私は限界を感じ、産休前にお世話になった上司の部長にメールで相談していました。

 

「育休中なのに、夫が全く育児を手伝ってくれません。私が体調を崩しても『専業主婦なんだから当然だろ』と……」部長からは「大変ね。無理しないでね」という温かい返信がありましたが、状況は変わりませんでした。

 

夫は外ではイクメンを装い、家では育児を放棄。それどころか、私の悪口を言って自分を上げているなんて。


「あなたばかりが我慢する必要はないのよ。職場はいつでもあなたを待ってるわ」

 

部長のその言葉で、私の覚悟は決まりました。

「寝てるだけ」と笑う夫への反撃

夫が復職してから2週間後――。

 

私は夜泣きで一睡もできず、体力の限界を迎えていました。夕方、これから帰宅するという夫に「ごめん、今日は本当に体が動かない。夕飯、自分でお願いできる?」とLINEを送りました。

 

すると数分後、信じられない返信が届きました。

 

「は? 何言ってんだよ!お前、毎日家にいるだけだろ? 昼間寝てばっかで家事もしないって、ラクすぎだろ」

 

さらに夫からのメッセージは続きます。

 

「俺っていう旦那さまは、毎日仕事でクタクタになってんのにさ」 「お前は赤ん坊と一緒に寝てるだけで働いてないくせに」

 

スマホの画面に並ぶ「給料泥棒」扱いするような言葉。その瞬間、私のなかで何かが完全に切れました。

 

私は震える指で入力し、送信ボタンを押しました。

 

「ごめんね」 「じゃあ、選手交代しようよ?」

 

 

 

数分後、帰宅した夫は「おい、さっきのLINEどういう意味だよ!」とリビングに入ってきましたが、私は夫の目をまっすぐ見つめ、あらためて宣言しました。

 

「文字通りの意味よ。そこまで言うなら、選手交代しよう。息子の面倒はこれから、あなたに任せます」

 

「……は?」とぽかんとしている夫に、私は続けます。

 

「今週末、土日の2日間、息子のお世話を全部あなたに任せるわ。私は実家に帰るから。」

 

「はぁあ!? 週末くらい休ませろよ!」

 

「あら、『寝てるだけでラク』なんでしょ? たった2日間、赤ちゃんとゴロゴロしてればいいだけよ。給料泥棒って言ってたわよね。私の代わりに、そのラクな『給料泥棒』を体験してみて」


「はぁあ!? 冗談だろ!?」と言う夫に、私は「え? なんで嫌がるの? だって、ゴロゴロできてうらやましいんでしょ? 『赤ちゃんなんて寝てるだけ』『給料泥棒でうらやましい』って、いつも言ってたじゃない」と微笑みかけます。


夫は「俺はもう働いてるんだぞ!?」とあわてていましたが、もう遅いのです。

 

「あなた復職したばかりよね? 『仕事と育児の両立』がイクメンの腕の見せ所じゃない? 今ならまだ在宅勤務への切り替えだって、間に合うんじゃない?」

 

夫は顔面蒼白。

 

「そ、それは……自分から『復帰する』って戻ったのに、またすぐに『在宅勤務にさせてください』なんて言ったら、評価が……」

 

「あら、イクメンアピールしてたんじゃないの? 本当に子どものことを考えてるなら、評価より家族でしょ?」

 

妻の覚悟と、現実を知った夫

もちろん、あの無責任な夫にまだ赤ちゃんの息子を任せることには、胸が張り裂けそうな不安がありました。もし事故でも起きたら? 万が一、夫が逆上して息子に手を上げたら……?


しかし、このまま私が心身ともに潰れてしまっては元も子もありません。私は「これは夫を父親にするための最終手段だ」と覚悟を決めました。


万が一に備え、私は近所に住む母に事情を話しました。


部長に相談すると、「旦那さんが自宅で見てくれるなら、保育園が決まっていなくても復職の手続きは取れるわよ」と言ってくれました。私の職場にはリモートワークの制度があり、しばらくのあいだは平日の日中を実家でリモートワークすることになったのです。


その間、何かあったときには母が手伝いに行けるよう、夫にも伝えておきました。

 

また、もともと安全のためにリビングに設置していたベビーモニターを使って、リモートワーク中もスマホでいつでも様子を確認できるようにしました。

 

その週末――。

 

私は母の家に避難しましたが、心配で何度もベビーモニターを確認。母にも「何かあったらすぐ駆けつけて」と頼んでいました。

 

土曜日の昼、夫から電話。


「お、おい……ミルク作ったのに全然飲まないんだけど……温度が悪いのか? 量が悪いのか?」

「説明書通りに作った? あと、哺乳瓶の乳首はちゃんと咥えさせてる?」

 

土曜の夜、また電話。
「な、なぁ……さっきから2時間泣きっぱなしで……おむつも替えたし、ミルクも飲ませたのに……どうすればいいんだ……」

 

その声は、明らかに疲弊していました。日曜の夕方、私が帰宅すると、夫は髪を振り乱し、目の下にクマを作ってリビングの床に座り込んでいました。部屋は散乱し、使用済みおむつがゴミ箱から溢れ、シンクには洗っていない哺乳瓶が山積み。

 

「おかえり……」と力なくつぶやく夫の姿に、私は複雑な感情を抱きました。


私は冷静に返します。


「え? そんな基本的なこともできないの? 『寝てるだけでラク』って言ってたのは誰だっけ?」


夫は「昨日も夜通し起こされて、寝不足で頭が回らない!」と泣き言を言いますが、私は「晩ごはんにはカレーが食べたいなぁ」と追いうちをかけました。

 

 

さらに、私は容赦なく告げます。

 

「さて、明日からは平日ね。私は『復職』して忙しいから、あとのことはよろしくね」

「冗談だろ……明日からは平日だぞ! 俺は仕事があるんだ!」

 

「あら? 『赤ちゃんは寝てるだけだし、俺なら仕事しながらでも楽勝!』なんでしょ? 当然、両立できるわよね? 保育園もまだ決まってないんだから、言い出しっぺのあなたが責任もって見てちょうだい」

 

引っ込みがつかなくなった夫は、会社に頭を下げて、なんとか「完全在宅勤務」に切り替えてもらったようです。 私はその日から、朝になるとスーツを着て「出社する」ふりをして家を出て、実家でリモートワークをするようになりました。夕方に帰宅してからも「持ち帰りの仕事がある」と言って自室にこもる生活を続けました。

 

もちろん、完全放置はできません。夜泣きで叩き起こされた夫が、あやしきれずに力尽きて泥のように眠ってしまったあと……私はこっそり部屋に入り、おむつを替えたりミルクを飲ませたりしてサポートしていました。

 

それから1週間後――。

 

「なぁ……俺、もう無理だ……」

 

夫はついに限界を迎えました。

 

「オンライン会議中も泣き声が入って白い目で見られるし、作業も全然進まない……。夜泣きで頭がガンガンするし……何やっても裏目に出るんだ……」

 

やつれた顔の夫は、床に座り込みました。

 

「正直、会社で上司に怒鳴られるより、きつい……。お前、毎日これをやってたのか……?」

 

「……気づくのが遅すぎたわね」

 

冷静に言ったものの、実はこの1週間、私自身も穏やかではありませんでした。

 

夫には「残業」と嘘をついて帰宅時間を遅らせ、夜は夫が力尽きてからこっそりケアをする……。そんな生活を続けながら、母親として手を出してあげられない罪悪感と、「これしか方法がない」という確信の間で、私は毎日揺れていました。

 

夫には「自分1人でやった」と思わせる必要がありました。彼がプライドをかけて1人で夜泣きと戦っている今、私が安易に助け船を出してしまえば、すべてが台無しになってしまいます。

 

夫が本当の意味で「父親」になるためには、私が味わった苦しみの片鱗だけでも、夫自身に体験してもらうしかなかったのです。

 

私は「これはあの子の未来のためだ」と自分に言い聞かせ、夫が自ら「無理だ」と認めるのを待っていました。


「……本当にごめん……」

 

夫が絞り出すような声で言いました。

 

「俺、今まで全部押しつけて、笑ってばかり……いや、もういい。とにかく、わかったよ! 大変なのはわかった! 俺が悪かった! ……だから、お前も早く仕事を切り上げて、前みたいに家に……いや、なんでもない……。とにかく、1人じゃ無理だ……」

 

完璧な謝罪や感謝ではありません。でも、あのプライドの高い夫が、初めて育児の過酷さを認め、私に「降参」した瞬間でした。

 

「……そっか。1人じゃ無理だって、やっとわかったんだね。私の仕事は在宅勤務もできるから、これからはうまく分担していこう」


試すような形になったことを謝ると、夫は「いや……お前がそうでもしなきゃ、俺はわからなかった……」と力なく首を振りました。


「これからは……その……俺もやるから……」


夫のその言葉を聞いて、私はやっと、本当の意味での「夫婦」として、そして「親」としての一歩を踏み出せた気がしました。

 

あれから3カ月――。

 


信じていた夫から浴びせられた「寝てるだけ」「給料泥棒」という言葉は、産後の心身に深く突き刺さりました。

 

その絶望的な状況を変える転機となったのは、夫の嘘を教えてくれ、復職への道筋をつけてくれた部長の存在でした。彼女の後押しと、万が一に備えた母の協力、そしてベビーモニターがあったからこそ、私は「選手交代」という苦渋の決断を実行に移せたのです。

 

夫は今でも完璧な父親ではありません。疲れているときは「今日はちょっと無理」と言うこともあります。


家事の分担でも、まだ文句を言うことがあります。でも、あの週末以降、確実に変わったことがあります。

 

夜泣きで起きたとき、たまに「俺が行く」と起き上がってくれるようになりました。
休日に「ちょっとカフェ行ってきていいよ、俺が見てるから」と言ってくれることも出てきました。

 

完璧じゃない。でも、「育児は寝てるだけでラク」とは二度と言わなくなりました。それだけで、私は少し希望を持てるようになったのです。


言葉で何度訴えても届かなかった苦労は、夫自身が体験することでしか理解させられなかったのです。夫が本当の意味で「父親」になるには、まだまだ時間がかかりそうです。しかし、少なくとも「育児は寝てるだけ」と笑う無責任な夫はもういません。

 

私たち夫婦が本当の意味で「親」になるための、これは最初の大きな一歩だったと信じています。
 

 

【取材時期:2025年10月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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