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「もしかしてタワマンでバイト?」略奪した友人と元婚約者にロビーで再会…私を見下す2人に「感謝してる」…だって

信じていた幼馴染と、結婚を誓った婚約者。たった2人の大切な人たちに、私は同時に裏切られました。

仕事も恋も失い、どん底に突き落とされたあの日。嘲笑いながら私からすべてを奪ったあの2人をぎゃふんと言わせる日がくるなんて、その当時の私は思ってもみませんでした……。

「あんたって、婚約者と価値観合うのかなって……」

 

半年前、幼なじみから連絡があったのは、そんな探るような一言からでした。私は地味な事務職で、彼は地元で有名な企業勤め。二回りも三回りも住む世界が違うと感じることはありましたが、それなりにうまくやっているつもりでした。

 

しかし、幼なじみはそのことを心配してくれているようで……?

 

心配という名の嘲笑

「私、ブランド物とか興味ないから、彼のこだわりがわからないときはあるね」

 

私がそうこぼすと、幼なじみは待ってましたとばかりに言葉を続けます。


「やっぱり合わなそう! あんたって結構ケチだし、彼もストレス溜まってるかもね~」「だってほら、大根の葉で味噌汁、作ってたじゃん? あれ見て、ヤバって思ったもん!」


カチンときました。それは節約ではなく、食材を大切にしたいという私の信条です。「別に節約してるって訳じゃなくて、おいしいから食べてるだけだし……」と私が反論しても、彼女は「はいはい、そういうことにしてあげる」と笑うだけ。食材を大切にしたいと言う信条からですが、仮に節約でも何が悪いのでしょう。昔から彼女は、心配するふりをしてマウントを取ってくるのです。


「ごめんって! ほんとに悪気はなかったのー。せっかく安定した企業に入れたのに、最近、投資の勉強とか怪しいことばっかりしてるって聞いて……。私はあんたが変な道に行っちゃうんじゃないか心配で……」最後はそう言って私を丸め込みましたが、このときの違和感を、私はもっと重要視すべきでした。

入籍前日に告げられた残酷な真実

それから半年後、入籍前日――。

 

私は仕事の傍ら続けていた投資の勉強に、よりいっそう力を入れていました。その日も勉強を終え、婚約者にメッセージを送りました。いつもならすぐに返信が返ってくるはずなのに、しばらく待っても音沙汰がありません。電話をかけてみても、つながりませんでした。


そんなとき、タイミングを見計らったかのように幼なじみから電話がかかってきました。

 

「最近どう? SNSで『仕事辞めたい』って言ってたけど、投資で大損した?」 「でもエリート彼氏がいるもんね! 結婚したら勝ち組じゃん!」


能天気な声に、私は「彼と連絡が取れない」と、か細い声で答えるしかありませんでした。すると彼女は、信じられない言葉を口にしたのです。


「そりゃそうだよね! だって彼はあんたのこともう好きじゃないし!」「実はさ~、今、彼と一緒にいるんだよね。 私が彼の新しい婚約者ってこと♡」


頭が真っ白になりました。2人は、浮気していたのです。

 

「あんたを傷つけたかったわけじゃないよ? お互い自然に惹かれちゃっただけだからさぁ~」と電話口でくすくす笑う幼なじみに、私は怒りで震えました。


「嘘つかないで。私のこと傷つけたいだけでしょ?」と言うと、彼女はひときわ大きな笑い声を上げました。

 

「あはは、わかっちゃった? だって一日中パソコンに向かってる地味なオタクのくせに、エリート会社員が恋人とか、生意気すぎでしょ」


これ以上、聞く必要はありませんでした。幼なじみだと思っていた人は、私のすべてを奪うためだけにそばにいたのです。

 

さらにその翌日、浮気がバレて開き直った元婚約者から「ゲーム機を取りに行きたい」と連絡がありました。謝罪の一言でもあればまだよかったのですが、彼はただただ私がプレゼントしたゲーム機を返せと言うだけでした。あきれ果てた私は、ゲーム機は着払いで送ることと、慰謝料を請求する旨だけを告げました。

 

「お前への慰謝料なんて俺のボーナス1回分で払えるし」と、最後まで私を「金のない地味女」と見下す元婚約者。私は、この屈辱を絶対に忘れないと誓いました。

 

 

2年後もなお見下される「負け組」の私

2年後――。

 

私は、とあるタワマンのロビーで、最も会いたくない2人にばったりと再会してしまいました。


「ちょっと~! まさか、うちらの新居候補のタワマンで再会するなんて!」派手な格好の幼なじみが、隣にいる元婚約者の腕に絡みつきます。


「あんた、結局仕事も辞めて、投資の道も諦めたんでしょ? あんたのお母さんから『変な勉強はやめた』って、うちの親が聞いたみたいだし。完全に負け組じゃん!」

 

幼なじみは、私がどれだけ落ちぶれたかを確認したくてたまらないようでした。

 

「なんであんたがタワマンにいるのよ?」「あ、もしかして清掃のバイト?私がエリート婚約者を奪っちゃったからか~」と幼なじみ。

 

「あなたには感謝しかないよ」と私が言うと、「はぁ?」と言って、2人は腹を抱えて笑い出しました。

 

「実は、あなたが彼を略奪してくれたおかげで、人生はかなり良くなったんだ」そう私が言うと、彼らは「強がりはやめろよ」と憐れむような視線を向けてきます。

 

そこで、私は事実を告げることにしました。


「私、別にバイトなんてしなくても暮らしていけるから」「昔、あなたがバカにした『大根の葉』生活で貯めたお金、全部投資に回したら、このタワマン買えるくらいになっちゃって」


2人は目を丸くして固まりました。

 

「ど、どういうこと……? だって、あんたのお母さんは……」とつぶやいた幼なじみににっこり笑って、私はこう言いました。


「娘の婚約者を奪った人の親に、うちの親が本当のことを言うわけないでしょ?」

 

 

私は略奪されたあと、仕事も辞めて本気で投資に集中したのです。「あの2人を見返してやる」――その思いだけで。

 

「おかげで十分すぎるくらいの資産ができたから、今日の内見で最上階の部屋、買うことにしたの」「これからは、のんびり好きなことだけして生きてくつもり」

 

あ然とする2人を置いて、私はタワマンを後にしました。

 

その数日後――。

 

「すごい投資家になってたって知ってびっくりしたよ! 俺、実はずっと尊敬してたんだよ! 近いうちに2人でメシ食わない?」

 

そう電話をかけてきたのは、元婚約者でした。

 

「『結婚』とかはあいつが勝手に言ってるだけだから。やっぱりお前のほうがかわいいなって思って……そうそう、あのタワマンの最上階にもお邪魔させてよ」

 

手のひらを返したような彼の言葉に、私はため息しか出ませんでした。

 

「ふざけるのはいい加減にしてくれる?」


私は、この2年間で知った事実を、彼に叩きつけました。

 

「私、あんたの会社の人と仕事で知り合ったんだけど……社員にあなたの名前はないって聞いたよ」「本当は派遣社員なんでしょ?『ボーナスで慰謝料払う』とか言ってたけど、そもそもボーナスなんて出ないくせに、よくあんな見栄張れたね」


そう、彼は地元の有名企業の正社員ではなく、派遣社員だったのです。見栄のためにタワマンに住み、金持ちアピールをしていただけ。

 

「あの時の慰謝料だって、どうせ借金でもして払ったんでしょ? プライドだけは高いんだから」私がそう言うと、彼は図星だったのか黙り込みました。

 

「それにね、ちょうど昨日幼なじみにも伝えておいたよ。あなたがくれる『海外セレブ御用達』とか『日本未上陸の限定品』の正体」

 

私が別れた後に処分しようとしたそれらは、海外の激安サイトで数百円で売られているただの雑貨でした。高級そうな刻印に見えたものは、意味のないただの飾り模様だったのです。

 

「すごいよね。ネットで300円で買った指輪を、『王室御用達で俺のツテがないと買えない』なんて嘘ついて渡してたんだから」

 

絶句する彼に「私、新しい恋人がいるので二度と連絡してこないで」と告げ、私は電話を切りました。

 

屈辱にまみれた略奪者

それからさらに1週間後――。

 

今度は幼なじみから泣きそうな声で電話がかかってきました。

 

 

「聞いて! もらった指輪、友人がネットで調べたら安物だったの! 友だちにも笑われて、死ぬほど恥かいた!」「それに彼、実は『金持ちの婚約者がいる』って嘘ついて多額の借金をしてたのよ! 最低すぎる!」彼女はSNSで散々「セレブ自慢」をしていた分、周囲からの嘲笑に耐えられない様子でした。


「私たち、騙されてたのよ!」とうろたえる彼女に、「私たちって、あんたと一緒にするのやめてくれる?」私は冷静に告げました。


「私はあなたと関わりたくない。そういえば母から聞いたけど……あなた、実家から絶縁されたんだって? うちの母があなたと彼の結婚の話を聞いて、怒って暴露しちゃったみたいだね」

 

彼女は図星だったのか、電話口で息をのみました。

 

「そうだよ……。うちの親、彼があんたの元婚約者だって知らなかったから、すごく怒っちゃって……。『別れた』って言っても、家に入れてくれないの……」

 

行くあてをなくした彼女は、私に頼るしかなかったようです。

 

「お願い、幼なじみとして助けて……」

 

「無理。引っ越したら今の誠実な彼と同棲するから。こうなったのも、あんたはいかに『マウント取れるか』しか考えてなかったから。自業自得でしょ」

 

私はそのまま電話を切り、彼女の連絡先をブロックしました。

 

その後――。

 

 

後日聞いた話によると、元婚約者の借金は父親にバレてしまったそうです。激怒した父親は「家の恥だ」と借金を肩代わりする代わりに彼を田舎へ連れ戻し、スマホを取り上げて借金分を働いて返させるために農作業に従事させているとのこと。エリート気取りだった彼は見る影もなくやつれているそうです。

 

幼なじみも「偽りのセレブ生活」がバレて友人たちから総スカンを食らい、今は安アパートでひっそりと暮らしているそうです。

 

信じていた幼なじみと婚約者に同時に裏切られ、すべてを失ったあのときは、まさに人生のどん底でした。ですが、絶望のなかでも腐らず、彼らを見返したい一心で資産を築くことのみに集中し、行動し続けたことが、私の転機となりました。かつて"ケチ"と嘲笑された私の生き方こそが、未来を切り拓く力だったのだと実感しています。

 

あの2人を許すことはありませんが、もう彼らが私の人生に関わることはありません。私は戦って勝ち得たこの穏やかな日常と、新しいパートナーを心から大切にして、前を向いて歩いていきます。

 

【取材時期:2025年8月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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