結婚報告の電話だったのに…
電話に出たのは父でした。「父さん、久しぶり。実は……」と話し始めたところ、横から母の声が入り、「何なの急に。今日は弟の成人祝いで忙しいのよ」と、そっけない反応。父も「勝手に家を出て行ったお前が今さら何の用だ」と冷たく言い放ちました。
さらに弟までも、「兄さんが心配しなくても、会社は俺が継ぐから」と軽い調子で口を挟んできます。私は成人祝いに参加したくて電話したのではないと伝えましたが、父からは「送金を再開するなら来てもいい」などと心ない言葉が返ってきました。
そのやりとりを聞いていた婚約者のA子は、「信じられない」と怒りを隠しませんでした。電話の向こうはお祝いの最中なのか騒がしく、私が話そうとしてもまともに耳を貸す様子はありませんでした。
私は静かに、「これで決心がついたよ」とA子に伝え、その場でひとまず電話を切りました。
仕送りを巡る誤解
後日、仕送りについて確認するために私から改めて実家へ連絡しました。というのも、ここ最近母から「仕送りが止まった」と責めるようなメッセージが届くことがあり、気になっていたからです。
私は「今まで通り毎月送金しているよ」と説明しましたが、両親は驚いた様子。「え……本当に?」と声を上げています。詳しく聞くと、どうやら互いに通帳の残高を確認しないまま、それぞれが必要に応じてお金を引き出していたようで、「送金が止まった」と誤解していたことがわかりました。
婚約者のA子が「確認不足で混乱が起きただけではないですか?」と冷静に伝えると、両親は困惑していました。弟も、「学費が仕送りってどういうこと?」と戸惑い、家族間でも情報が共有されていなかったことが明らかになりました。
実家訪問と最後の話し合い
数日後、両親から「話がしたい」と連絡があり、A子と一緒に実家を訪れました。
両親は深刻な表情で、「誤解もあったし、これからも支えてほしい」と私に頼んできました。私はこれまで、可能な範囲で家族の生活を補助してきましたが、正直なところ、その関係が私の負担になっていると感じる場面も増えていました。
A子は落ち着いた声で、「彼は自分の生活の中から支援していたのに、その気持ちが十分に伝わっていなかったのは残念です」と伝えました。両親は黙って聞いていましたが、これを機にお互いの依存関係を見直す必要があると感じたようでした。
私は「今日はあいさつと、これからの関係を整理するために来た」と伝え、今後は無理のない距離感で付き合っていきたいと話しました。
その後、A子と一緒に「これからは私たちで新しい家庭を築いていこう」と誓い、ささやかな結婚式を挙げました。
まとめ
家族との問題は、誰にとっても簡単に答えが出るものではありません。距離を置くことで見えてくることもあれば、関わり続けることでわかることもあります。私自身、家族とどう向き合うべきか迷い続けてきましたが、今回の出来事を通して、「無理に近づこうとしなくてもいい」「自分の生活を大切にしながら必要なときにだけ向き合えばいい」という、自分なりの答えが少し見えてきた気がします。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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