給料を好き勝手に使う夫に、私が出した答えは
マイホームを購入してしばらくたつと、夫は徐々に生活費を入れなくなっていきました。共働きをいいことに、自分の給料を好きなように使うようになり、「今月はカードの支払いが多くて」「付き合いがあって」などと言い訳をしながら、ここ3カ月ほどは毎月5万円しか振り込まれない状態。もちろん、そのたびに私は何度も注意してきましたが、一向に耳を貸してくれません。
そんな状況が数カ月続いたある日、理由を問い詰めると、夫が高価な時計を購入していたことが判明しました。夫はその時計を「長く使える投資みたいなものだ」と正当化しようとしましたが、住宅ローンだって安くないなか、生活費が払えないほどお金を使っている現実に、私は怒りとあきれが入り混じった気持ちになりました。
このままでは将来が不安でたまらない――そう感じた私は、家計管理の方法を改める決意をしました。生活費やローン、貯蓄をしっかり管理するため、「来月からは夫の給料は一度すべて私が預かる」と宣言し、その中から必要な支払いをすべて私がおこなうことに。そして、夫にはお小遣いとして3万5千円だけ渡すことにしました。
夫は「少なすぎる」「せめて5万円はほしい」と不満そうにしていましたが、ここで折れてしまえばまた同じことの繰り返しになるのは明らかです。私は、「これからは私が家計をきちんと管理し、将来を見据えてやりくりしていく」と心の中で固く決意しました。
8万円の請求!?夫を問い詰めるとまさかの返答が…!
1カ月後のある日、私はクレジットカードの明細を確認していて、見慣れない店名に目が留まりました。そのお店に8万円もの請求が上がっていたのです。不審に思い、夫にメッセージを送り、すぐに電話で問いただしました。夫は「ああ、それは同僚何人かで行った飲み屋だよ」と軽い口調で答えました。しかも支払いは夫のカードで立て替え、「まとめて払ったけど、今度みんなに返してもらうから」と言うのです。
さらに夫は、「お前さ、ちょっと厳しすぎだって」と切り出し、「節約は子どもができてからでいいだろ? 必死に働いてるのに小遣い3万5千円とかマジでないって。なんのために働いてるのか意味わかんない」とまで言ってきました。私は「余裕がないからお小遣いが3万5千円なのよ。ここまで無計画な人だとは思っていなかった」と、胸の内の本音を口にしてしまいました。
すると夫は少し黙ったあと、「じゃあ別れる?」と投げやりな言葉を口にしました。そのうえ、「俺と別れたら子ども産むチャンスなくなるかもよ? 別れてから男見つけて、それから妊活だろ? 時間あるかな?(笑)」と、年齢や将来への不安をえぐるようなことまで言ってきたのです。あまりの言葉に、私は「何? 私と離婚したいの?」と聞き返しました。すると夫は「俺はしたくないよ? でもさ、結婚を後悔してるんじゃないかと思ってさ」と続け、まるで私のせいで関係が悪化しているかのような口ぶりでした。
そのとき私は、ふっと力が抜けるような気持ちになり、「じゃあ、お金のことはもう言わないよ。うるさく言わないから、好きにしたら」と言ってしまいました。その言葉に夫の声はぱっと明るくなり、「本当か!? 言ったな? 約束だぞ? 後で“やっぱりなし”とかやめてくれよ!」と念を押し、「いやぁ~さすがだ! とりあえず子どもができるまでは自由ってことで。そんな感じでよろしく!」と軽い調子で笑いました。
夫「ローン払ってるよね?」に私が告げた真実は
2カ月後のある夜、私は実家に泊まることにして、夫には「実家にいる」とだけメッセージを送りました。しばらくすると夫から、「今郵便物を見ていたら住宅ローンの督促状が来てるんだけど。ちゃんと払ってるよね?」という連絡が届きました。私はスマホの画面を見つめながら、「払ってないけど…?」とだけ返しました。すぐに「は?」という短い返信が来て、電話が鳴り始めました。
電話に出ると、夫は半ば怒鳴るような口調で「なんで払ってないんだよ! いつもお前が払ってたじゃん!」と責めてきました。私は冷静に、「あなたが欲しがってローン組んだんでしょ。2人で払う約束だったのに“2人”で払ったのも最初の2カ月くらいまで。あとはほとんど私しか払っていないよね?」と伝えました。
夫は「で、でも生活費は入れてたじゃん」と言い訳をしてきましたが、私はすぐに否定しました。「お互い10万円ずつ入れて貯金もしていく約束だったのに、いつしかあなたの金額は5万円になり、今月は0円だった。その生活費のこと?」と、これまでの経緯をはっきりと伝えました。
すると夫はしばらく黙ったあと、「だって……金のことは言わないって……」と、以前私が言った言葉を持ち出してきました。あのとき「もうお金のことはうるさく言わないから好きにしたら」と投げやりに伝えたのは事実です。しかし、それを「生活費もローンも払わなくていい」という意味に受け取っていたことに、私は心底あきれてしまいました。
給料を丸々お小遣いにする夫に…私が下した決断は
「それで生活費を払わないって、おかしいと思わない?」と私は告げました。「私が家庭のお金を全部出して、あなたは給料を丸々お小遣いみたいに使う。それって明らかにおかしいよね」と続けると、夫は「でもお前のほうが給料多いし…」と、さらに信じられない言葉を返してきました。
その瞬間、私の中で何かがぷつんと切れました。「だからって、私が全部負担してもいいってこと? なんで家庭にお金を入れない男を私が養わなきゃいけないの。あ、言っておくけど、『将来妊娠したら俺が養うから』みたいなバカな言い訳はもう聞きたくないからね」と、私ははっきり伝えました。
追い詰められたのか、夫は「じゃあさ、これからは生活費ちゃんと入れるから……だからローンは一緒に払おう?」と慌てて提案してきました。しかし私は、もうその言葉を信じる気にはなれませんでした。「私はもう払わないよ」ときっぱり告げると、電話の向こうで夫が動揺する気配が伝わってきました。
「ちょっと待てよ! 俺ひとりで払えっていうのか!? この家は俺たちの家なんだぞ!?」と声を荒らげる夫に、私は静かに言いました。「これからは、あんただけの家になるよ」と。しばらく沈黙が流れたあと、私は続けました。「離婚しましょう」と。
夫の“いつもの言葉”に初めて反論。その後、夫は…
「離婚!?」と夫は驚いた声を上げました。「あなたとは価値観が合わないみたいだから」と伝えると、夫は一気に取り乱し、「待てって! 生活費を払わなかったのはごめん! 来月から払うから、そんなこと言うなよ!」と必死に引き留めようとしてきました。それでも、私の気持ちはもう決まっていました。
すがり付いてくる夫に、私は「ねえ、なんで私と離婚したくないの? 不満があるなら別れたほうがいいって言ったのはあなたのほうだよね?」と問いかけました。以前、夫はお金のことで私が注意するたびに、「そんなに不満なら別れたほうがいいんじゃない?」と、まるで“離婚”をカードのように切ってきました。あの言葉がどれほど私を傷つけていたか、きっと彼は理解していません。
夫との離婚を決めたあと、私は「明日荷物を取りに行く」と連絡しましたが、夫は「もう一度話を聞いてくれ」とすがってきました。私への愛情を口にし、「今度こそ幸せにする」「給料も全部渡す」と言われましたが、私の年齢や妊娠を持ち出して脅すような言い方をしたこと、私の収入を当てにして頼りきりだったことが忘れられず、「もう二度と関わりたくない」とはっきり伝えました。
さらに、飲み代と偽ってキャバクラの女性にお金やプレゼントを貢いでいたことも証拠付きで問い詰め、「妻を奴隷のように扱っていたあんたとは離婚する」と告げました。
夫はローンやカード支払いに追い詰められ、「助けてくれ」と泣きついてきましたが、私は「債務整理でも破産でも好きにしたら」と突き放して家を出ました。その後、双方の両親を交えた話し合いで正式に離婚が成立。夫は「思い出の家だから」と売らずにひとりでローンを払い続け、私の帰りを待っているそうですが、私が戻ることはありません。今はまだ次の恋愛を考えられませんが、次に誰かと一緒になるときは、お金も将来もきちんと話し合える相手を選びたいと思っています。
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お金に関するすれ違いや不公平な負担は、放置すればするほど関係をゆがめてしまいます。どちらか一方だけが我慢して無理を続ければ、相手の甘えや依存を助長し、やがては信頼まで崩れてしまうもの。夫婦としてこれからも暮らしていきたいのであれば、お互いを思いやる行動を心がけたいですね。
【取材時期:2025年11月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。