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「うちの子のママに」妻を若手エリートシンパパに奪われたのに…娘は大喜び!?⇒半年後、逆転劇が…!

私は妻と6歳になる娘と3人で暮らしています。妻とは職場で知り合って結婚し、当初は仲も良く、子どもが生まれたときには2人で心から喜び合いました。ところが……。

妻が転職後、なんだか様子に“異変”が…!?

妻の様子に違和感を覚え始めたのは、彼女が転職してからのことです。「新しい職場、若い人が多いんだよね。ベンチャーだからみんな仕事の意識が高くてさ」と楽しそうに話していました。

 

しかし、そのうち特定の人物の名前が頻繁に出るようになりました。「うちのリーダーのAさんがね、すごくできる人でさ。まだ30なのに年収も高いんだって」「シンパパなんだけど、毎日お弁当を作ってあげてるんだって。えらくない?」

 

どうやら、若くて仕事ができるエリートのシングルファーザーらしいのです。「そうなんだ、がんばっている人なんだね」とそのときは軽く聞き流していました。妻が同僚の話をするのは珍しいことではありませんし、「シンパパ」という言葉に少し驚いた程度でした。

 

ただ、そのころから妻はやたらと身なりに気を使うようになりました。「そのワンピース、新しく買ったの?」と聞くと、「うん、会社の子たちオシャレだからさ。浮いちゃうと嫌じゃん?」と答えます。髪を巻き、ネイルを整え、残業も増え……。違和感はありましたが、私自身も仕事に加えて家事や育児に追われており、「まあ、そういう時期なんだろう」と自分を納得させていました。

 

妻から突然の「話がある」…その内容は

転機が訪れたのは、ある夜のことでした。妻から「話がある」と言われ、娘を寝かしつけたあと、リビングで向き合いました。すると妻は「……落ち着いて聞いてね」と前置きしてきたのです。そのひと言だけで、胸の奥がざわつき、嫌な予感しかしませんでした。

 

「私、好きな人ができた」
頭をガツンと殴られたような衝撃。耳鳴りがして、一瞬、何を言われたのか理解できませんでした。「……は?」と聞き返すと、妻は続けました。「前に話したことあるでしょ? シンパパのAさん」――最悪の予感ほど、よく当たるものです。

 

「ちょっと待って。付き合ってるの?」
「うん。もう半年くらいになる」

半年。妻の残業が急に増えた時期と、ぴったり一致していました。「冗談だよね? 子どももいるのに、何を言ってるの……」声が震えているのが自分でもわかりました。

 

しかし妻は、どこか吹っ切れたような表情で話を続けました。「結婚して10年……正直、ドキドキとかもう感じないんだよね。でもAさんといると、久しぶりに“女として見られてる”って感じがして……。ああ、私、まだこういう気持ちになれるんだって思ったの」

 

「だからって浮気していい理由にはならないだろ」と言うと、妻は「それはそうなんだけど……止められなかったの」と視線を落としました。そして、ふっと息を吸って続けました。「それにね――息子くんが、私のこと“ママみたい”って言ってくれるの」

 

「……は?」さらに追い打ちをかけるように、妻は言いました。「Aさんも“うちの子のママになってもらうからな”って言ってくれてる。私、もう決めたの。離婚してAさんと一緒になるって」

 

 

突然の離婚宣言。妻の主張に呆然…

妻の突然の告白に、「ふざけるなよ」と思わず声を荒げていました。怒りよりも先に込み上げてきたのは、呆れと、信じがたいという感情でした。「娘はどうするんだ。子どものことを考えたのか?」と問い詰めると、妻はほんの一瞬だけ視線をそらしました。

 

「……娘の親権は、あなたに任せるよ」「私さ、正直ママに向いてないと思うんだよね。料理も得意じゃないし、家事もきらいだし。娘のことはもちろん大事だけど、“ずっとママでいたい”って胸を張って言えないの。Aさんの子はもう少し大きくて手もかからないし……正直、そっちのほうが気楽で」

 

私が「つまり、自分の子より、よその子を選ぶってことか?」と問うと、「……そう、なるのかな」と妻。あまりの身勝手さに、怒りを通り越して、思わず笑い出してしまいそうになりました。

 

「パパとふたり暮らしになるかも」娘に伝えると…

後日、私は娘に「ちょっと話し合おうか」と声をかけました。「ママね、別の人と一緒に暮らしたくなっちゃったみたいなんだ。だから、これからはパパとふたり暮らしになるかもしれない」――そう伝えながら、胸が締め付けられる思いでした。泣くだろうか。怒るだろうか。混乱するに違いない。そんな不安が渦巻いていました。

 

しかし次の瞬間、娘の口から飛び出した言葉はまったく予想外のものでした。

 

「……やったあ!」

 

「え?」こんどは私が固まりました。

「ママ、すぐ怒るし、最近ずっとイライラしてて怖かった。私、パパといるほうが楽しいの」さらに娘は続けました。「ママ、私のことあんまり見てないよ。スマホばっか見てるし、ごはんも“自分であっためて”って言われること多いし……。パパはさ、遅くなっても“ごめんな、遅くなったな”ってちゃんと言ってくれる」

 

胸の奥がじんと熱くなり、その場で娘を抱きしめました。涙がこぼれそうで、声が震えてしまったのを覚えています。「ありがとう。でもね、ママのことを“きらい”って決めつけなくていいからね」と伝えると、娘は即答しました。

 

「うん。でもパパがいい」

この子にとって“安心できる居場所”がどこなのか、私はその瞬間、はっきりと理解した気がしました。

 

離婚後、元妻から「会いたい」と連絡が…

その後は弁護士を挟んで離婚協議を進め、親権は私が持つことになりました。数カ月後、正式に離婚が成立し、妻は“若いエリートシンパパ”のもとへと去っていきました。一方、私と娘の生活は、最初こそバタバタしたものの、意外なほど早く落ち着きを取り戻しました。

 

離婚から半年ほど経ったころ、元妻から突然連絡がありました。「ちょっと相談したい。会えない?」と。正直、関わりたくはありませんでしたが、娘の母親であることに変わりはないので会うことにしました。

 

 

久しぶりに会った元妻は、どこかやつれた表情をしていました。娘の近況を伝え終えたあと、彼女はぽつりと切り出しました。「実はAさんと……うまくいってないの」予想はしていましたが、詳しく話を聞くことにしました。

 

「仕事が忙しいのはわかってたんだけど、私と結婚してからは、自分の子のことをほとんど私に任せっぱなしで家にいないの。“うちの子のママになってもらうからな”って、そういう意味だったみたいで……。子どもは懐いてくれてるけど、正直、他人の子をゼロから育てるのって想像以上に大変で。元奥さんの話も耳に入ってくるし……」

 

その言葉に、少しだけ同情も覚えました。けれど同時に、「自分で選んだ道だろう」という気持ちも込み上げてきます。「それで、相談って?」と尋ねると、元妻はしばらく黙ったあと、こちらをまっすぐ見つめて言いました。

 

「……戻りたい」

「は?」

「あなたと娘と、また3人で暮らしたいの。あのころは、なんか舞い上がってたんだと思う。今からでも、やり直させてほしい」少し考えたのち、私は静かに答えました。

 

「……ごめん。無理だよ」

元妻は「反省してる」「もう絶対浮気しない」「家事も育児もちゃんとする」と言い募りましたが、そういう問題ではありません。「もう君のことを“家族”とは思えない。あの日、“うちの子のママになってもらう”なんて言葉を楽しそうに話していたよね。そんな相手と、もう一度夫婦になるなんて考えられない」

 

それから数年が経ち、娘は小学校高学年になりました。元妻とは定期的に会っており、今は穏やかな関係を保てています。あの日、泣きそうな私に向かって「やったあ!」と言ってくれた娘のひと言が、どれほど救いになったことか。これからも、自分なりの“シンパパ”を頑張っていこうと思っています。

 

◇ ◇ ◇

 

衝動的な行動や一時的な感情に流されて大切な家族を手放してしまうと、その代償は想像以上に大きくなることも。いったん壊れた信頼関係を取り戻すのは容易ではありません。だからこそ、日々の対話や思いやり、誠実さを大切にしながら、家族の心に向き合って過ごしたいですね。

 

【取材時期:2025年11月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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