やさしい義妹だと思っていたけれど
先日もA子さんから「お義姉さん、高級和牛が届きました。いつもありがとうございます」と電話がありました。
「好き嫌いがあると困ると思って」と伝えると、「お肉は大好きなんです」と明るい声が返ってきました。母を気づかい、私とも気さくに話してくれる義妹。私はすっかり信頼していました。
「都内で人気のケーキ知ってますか? あれも大好きで……」と笑うA子さんに、「今度送るわね」と約束するほど、関係は順調に思えました。「お母さんのこと、お願いしますね」と出張へ向かったときも、不安は何もありませんでした。
帰省を拒まれた理由
1カ月後、久しぶりに休暇が取れたため、私は母に「実家に帰るね」と連絡しました。ところが母は戸惑いながら「今回は……来ないでほしい」と言うのです。
「どうして?」と尋ねると、母は言いにくそうに「お嫁さんに気をつかわせたくなくて」とだけ答えました。その言葉の真意がわからず、私はモヤモヤしたまま帰省を見送りました。
偶然耳にした会話
数週間後、母とスマホで話していたときのことです。通話中、母の近くでA子さんが話す声が聞こえてきました。
「味噌汁と飲み物、準備しておいてって言ったよね?」
語気が強く、母に対してきつい言い方をしているように聞こえました。2人のやりとりの一部を偶然耳にしただけですが、これまでの印象とは違う一面を感じ、不安が一気に膨らみました。
母は私が通話中であることに気付かれたくない様子で、小さく「大丈夫だから」とだけ言いました。でも「帰省しないで」と言われた理由が、なんとなくわかってしまった気がしました。
その後、改めて母に電話で事情を尋ねると、母は時間をかけて少しずつ話してくれました。A子さんとの生活の中で、お互いの価値観の違いから衝突することがあり、母は必要以上に気をつかうようになっていたそうです。「あなたが帰ってくると、あの子がもっと気を張ってしまう気がして」と、母は私を気づかって帰省を遠慮させたことを明かしました。
さらに母は、「弟が留守のとき、私に強く当たることがあるの」とぽつりと漏らしました。母が我慢していたことを知り、私は胸が痛くなりました。
その後の決断
私は弟に状況を説明し、夫婦間でしっかり話し合ってもらうようお願いしました。その結果、価値観の違いや生活の負担感など、積み重なった問題が明らかとなり、弟夫婦は最終的に双方の話し合いで離婚という結論になりました。離婚後の詳細は弟から聞いただけで、私にはわかりませんが、母と弟の生活が落ち着いたことだけはたしかです。
私自身はこれを機に仕事のペースを見直し、できる限り母のそばにいられるようにしました。「これからは私がもっと支えよう」と心から思った出来事でした。
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最初は明るく気さくな義妹だと思っていましたが、母の話を聞くうちに、互いに無理をしていた部分が見えてきましたね。家族でも、表に見える姿と本音には差があることも。早い段階で問題に気付けたことで、弟夫婦も母も、気持ちを整理する時間が持てたのではないでしょうか。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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