記事サムネイル画像

夫「余命半年って話してたよね?」私「それはお義母さん」⇒勘違いから“金の亡者”になった夫の悲惨な末路

私は夫と2人で暮らしています。ある日、夫の従兄弟の結婚式が近づいていたため、ご祝儀に入れるお金を封筒に入れてリビングのテーブルに置いておきました。ところが、その封筒がどこにも見当たらず……。

お金を入れた封筒がテーブルから消えた!?

私は夫に「リビングに置いておいた封筒、知らない?」と尋ねました。すると夫は悪びれもせず、「あぁ、サンキューな。俺の小遣いだろ? 有難く使わせてもらったよ」と言ったのです。思わず「違うよ!」と声を上げると、夫は「え、違うの?」とキョトンとした顔。

 

私は「あれはご祝儀袋に入れようと思って用意してたの。今度、あなたの従兄弟が結婚するでしょ?」と説明しました。すると夫は「え~、あの金、そういうことだったの? それならそう書いといてよ~」とヘラヘラ。問い詰めると、ギャンブルに使ったと白状しました。夫は反省していると言うものの、どうせ口だけ……。

 

問い詰めても無駄だと思った私は話題を変え、「結婚式にはお義母さんも来るよね? 久しぶりに会えるのかな」と聞きました。しかし夫は「どうだろ、知らん」と素っ気ない返事。「聞いてないの?」と重ねて尋ねると、「多分呼んでないだろ。うちの母親は親族から嫌われてるし。俺もきらいだから一切連絡してないしさ」と言いました。

 

「なんでお義母さんってそんなに嫌われてるの?」と聞くと、夫は「性格悪くてさ。親父が生きてたころからいろんな人に嫌われてたよ。虚言癖があったり自慢話ばっかりしたり、デリカシーのない発言したり。あと金遣いも荒かったな」と話しました。心の中で「あなたと同じじゃん」と思いつつ……「本当にもう少ししっかりしてほしい」と大きなため息がでてしまいました。

 

「…大変なことになった」すれ違いの始まり

それから3カ月ほど経ったある日、私は夫に「……大変なことになったよ」と切り出しました。すると夫は、どこか落ち着いた様子で「知ってるよ。余命宣告されたんだろ?」と言うのです。その口ぶりから、すでにわかっていたのだと悟り、私が「知ってたんだ」とつぶやくと、夫は「まあな……聞こえちゃったんだ」と淡々と答えました。

 

「人生って、本当にどうなるかわからないものね」と、私は自分に言い聞かせるように言いました。「ねえ……これからどうする? 余命半年なんて、きっとあっという間だよ」と不安を口にすると、夫は「俺はこれまで通り、普通に過ごしたい。余命宣告されたからって、特別なことをするつもりはないよ」と答えました。

 

その言葉に一瞬戸惑いながらも、「そっか……」と返す私に、夫は「これでもショックは受けてるんだぞ? 冷たい人間だと思わないでくれよ。ただ日常を壊したくないだけなんだ」と、少しだけ本音を見せてくれました。

 

そして夫は、「人生って思っているよりずっと短いんだなって。だからこそ、今を大事にしなきゃなって改めて思った」と静かに前を向こうとしていました。「そうかもね……」と私も頷きながら、これからの半年をどう過ごすべきなのか、答えの出ない思いを胸に抱えたまま、いつも通り夕食の支度に取りかかりました。

 

 

夫の「登山なんてやめとけ!」で判明した勘違い

半年後のある日、私は何気なく夫に「明日、出かけるからね。職場の人に日帰り登山に誘われていて……」と話しました。すると夫は眉をひそめ、「え、登山なんてして大丈夫かよ? やめとけって。お前は健康体じゃないんだから」と言うのです。あまりに心外な言い方に、「え? なに言ってるの? 私、むしろ体力が有り余ってるんだけど」と返しました。

 

すると夫はきょとんとした顔で、「なんでだよ……? 余命半年じゃなかったの?」と言ったのです。そのひと言に私は思わず固まりました。「え……?」としか言えない私に、夫は「もう先が短いんだからさ。登山なんてして無理して体力削って、これ以上寿命縮めるなよ」と真顔で続けました。

 

そこでようやく状況を理解し、「それ、お義母さんのことだよ」と告げました。夫は「は?」と目を丸くし、私が「余命宣告されたのはお義母さん」と重ねると、「え……お前じゃないの?!」と、今度は夫のほうが青ざめました。私は「嘘、やだ! まさかずっと勘違いしてたの? 私、治療もしてないし、病院にも通ってないのに!?」と、呆れと怒りが入り混じった気持ちで言いました。

 

夫は「だってお前が誰かと電話してるのを聞いて……会話の内容から、てっきりお前が余命宣告されたんだと思ってた……」と話しました。私は「ああ、多分それ、実家の親に電話したときの話ね。あなたも知ってるのかと思ってた」と答えました。すると夫は顔色を変え、「嘘だろ……どうしよう……」とつぶやいたのです。

 

 

妻の余命宣告を“いいことに”夫は…!?

そうして夫の口から出てきたのは、信じがたいひと言でした。

「夫婦共有の口座にあった貯金、全部使っちゃった」

 

一瞬、何を言われたのか理解できず、「は? い、今なんて……? 冗談だよね?」と聞き返しました。すると夫は、「そろそろ寿命が来るころだと思って、全部下ろして使っちゃった」と白状したのです。その瞬間、全身の血の気がスーッと引いていくのを感じました。

 

夫は「だ……だってさ……先のことなんて考えられなかったんだよ。とにかく金を使うのが楽しすぎて……」と、訳のわからない言い訳を続けます。私は思わず「……は?」と言葉を失いました。さらに夫は、「どうせ保険金も下りるから、貯金がなくても大丈夫だと思ったんだ」とまで言うのです。

 

さすがにカーッとなった私は「家賃の更新も車検も控えていて、すぐにまとまったお金が必要なの。早く返してくれないと、離婚します!」と、最後通告を突きつけました。その後、義母が亡くなったこともあり、義母が残してくれたお金を急いで口座に振り込んだようで……、「全額きっちり振り込んだよ!」と夫は得意げに連絡してきました。

 

そして、「とにかく持ち出した貯金はこれで返したぞ。これで許してくれるだろ?」と言いましたが、私は「考えさせて」としか答えられませんでした。すると夫は「え?! 何をだよ? これで許すって言っただろ!」と食い下がりましたが、私はどこか胸騒ぎがして、「もう少しだけ待って」と告げました。

 

親戚の「大丈夫?」の裏に隠された衝撃の事実

しばらくして親戚で集まる機会がありました。久しぶりに顔を合わせた義父方の親族たちは、開口一番、私の体調を心配する言葉をかけてきました。「体調は大丈夫なのか」「無理をしていないか」「お金のことも大変だろう」と次々に言われ、思いもよらない内容に私は思わず固まってしまいました。

 

 

私が「私はどこも悪くない」と答えると、夫の叔母は不思議そうな表情を見せました。叔母によると、「妻が余命半年と宣告され、治療費や生活費が大変だ」と夫から聞き、少しでも役に立てばと10万円を夫の口座へ振り込んだのだと言います。実際にスマホの振り込み履歴にはその記録が残っており、私は今度こそ血の気が引く思いがしました。さらに別の親族たちも、同じようにお金を渡したと口々に話し始め、夫があちこちに私の余命宣告を話していたことが判明しました。

 

夫は顔色を変えながら「勘違いしていたのは本当だ」と言い訳を始めました。私が余命宣告を受けたのだと思い込み、最初は本当に治療費のつもりで親族に話したものの、私が元気だとわかったあとも言い出せず、そのままになっていたのだと言います。しかし、ここまで人の命とお金を軽く扱える姿を見て、私はもう人として信用できないと感じました。以前「考えさせて」と伝えていたものの、私は「もう決めた。離婚する」と夫に伝え……その後、離婚が成立しました。

 

離婚後、元夫は親戚から借りたお金の返済に奔走していると聞きました。給料の額を考えずにお金を使ってしまうタイプなので、借金生活から抜け出すのは難しいだろうと思っていますが……。今回の経験を踏まえ、次に結婚するときはより慎重に相手を見極めたいと思っています。

 

◇ ◇ ◇

 

夫婦であっても、「わかっているはず」と思い込むことは危険です。お金のことや家族に関する情報は、特に慎重に扱うことが夫婦関係を守るうえでは大切になってきますよね。お互いを思いやる小さな積み重ねこそが、円満な関係を築く秘訣なのかもしれませんね。

 

【取材時期:2025年11月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
  • \ この記事にいいね!しよう /
    シェアする

    • コメントがありません

    この記事の著者
    著者プロファイル

    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

    読者からの体験談をお届けします。

    同じ著者の連載

    新着記事が配信されたら、メールやプッシュ通知でお知らせ!
  • 気になる記事をまとめ読み

    人気連載

    新着連載

    連載完結

    もっと見る

    注目記事を探す

    人気記事ランキング

    アクセスランキング
    コメントランキング

    お得な無料キャンペーン

    エンタメの新着記事

  • PICKUP