義姉「お祝いなんだけど…」
入籍し、結婚式の準備など幸せな忙しさに包まれていたある日、兄の妻である「Aさん」からメッセージが届きました。
「結婚おめでとう。本当はお祝いを渡したかったんだけど、家計が厳しくてうちから結婚祝いは渡せそうにありません。ごめんね」と。
お祝いは気持ちですし、それぞれに事情があるものだと感じます。そのため、Aさんからの言葉に特に気になることはなく、私は「お気持ちありがとうございます。気にしないでください」と返事をしました。
すると翌日、今度は兄から連絡が。
「結婚おめでとう。お祝い、何がいい?」
前日に義姉から連絡がきていたこともあって、「無理はしないで大丈夫。お祝いの件は聞いたよ」と返すと、兄は「お祝いの件って?」と少々驚いている様子に。そのため私は、義姉から「家計が厳しくて、家族からのお祝いは難しいと連絡が届いた」「無理はしないでほしい」ということを伝えました。
すると兄からは、ボーナスが一時的に減ったこと、ただ家計がひっ迫するほどではないこと、妻(義姉)はそれを大ごとに捉えていて、私に伝えたのだろうということを告げられました。
それでも「こうしたときくらいしか、何か贈れないと思うから気にせずリクエストして」と言ってくれた兄。ありがたい気持ちでいっぱいでした。
兄夫婦からのご祝儀袋を開けたら…
その後、約半年準備をしてきた結婚式をおこなった私たち夫婦。結婚式には兄夫婦も参列してくれ、ご祝儀も出してくれました。兄もAさんも式を楽しんでくれたようでホッとしていたのですが……。
ご祝儀の確認をしていたときのことです。
兄夫婦からのご祝儀袋を持ったとき、小銭が入っている感覚がありました。「縁が切れないように」と小銭を入れる方もいるということを知っていたので、そういった気づかいをしてくれたのかな?と思って中を見てみると……。
中に入っていたのは――53円。
お札は入っておらず、53円しか入っていませんでした。何か間違えてしまったのだろうか?とも思い、私は兄に電話をしてみることに。しかし仕事中だったためか電話には出ず……次にAさんに電話をかけました。
「すみません。ご祝儀のことで確認したいことがあって。中に53円が入っていたのですが……」と失礼のないように伝えると……。Aさんからは
「間違ってないよ。前にお祝いについて連絡したときにも言ったけど、家計が苦しいの。ご祝儀は気持ちでしょ?」
と驚きの言葉が。たしかに事情も知っていましたし、ご祝儀は気持ちだと思います。包みたくないという方もいるでしょう。でも……。53円……硬貨の組み合わせを見たとき、ふと嫌な想像が頭をよぎりました。「5」と「3」で、“ゴミ”とも読めてしまう数字だ、と。
結婚式の日、きれいなドレスを着て楽しんでいたAさんの姿を思い出し、私はさらにモヤモヤした気持ちになってしまいました。
ご祝儀が53円だった、驚きの理由
その日の夜、兄から折り返し電話がきました。すぐに状況を説明すると、「え? 俺、ご祝儀には30万円を包んだけど……」という衝撃の言葉が。ただ、兄もこのときは動揺していて「確認する」と、電話を切りました。
その後、兄から聞かされたのはAさんの驚きの行動でした。
なんと、Aさんは私たちの結婚式のご祝儀として兄が用意した30万円を、ブランド物のバッグの購入に使ってしまったのだそう。最後手元に残った53円を急ぎご祝儀袋に入れて、当日そのまま出したみたいでした。
兄は、責任を持って私たちに改めてご祝儀を包むと言ってくれ、数日後、兄がわが家にやってきて、本当にご祝儀を改めて渡してくれました。ちなみに兄がやってきたとき、Aさんはいませんでした。
家庭の事情は知っていたので、「無理をしないでほしい」ということは伝えていましたが、兄は「これは俺の不甲斐なさでもある」と繰り返し頭を下げてくれ、Aさんには強く言い聞かせたとのことでした。
ご祝儀は「気持ち」もわかる
もちろん、ご祝儀は「金額がすべて」ではありません。兄の家庭の事情もわかりますし、ご祝儀は気持ちであることも重々わかっています。ただ、兄が誠意を持って用意してくれたお祝いを、まさか義姉が勝手に使ってしまうなんて。ただただ驚きでした。
幸い、兄は誠心誠意謝ってくれ、Aさんのおこないについても責任を持って対応してくれました。モヤッとした気持ちはゼロにはなりませんが、気持ちを切り替え、今は夫との新婚生活にしっかり目を向けようと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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