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「左遷とかないわ〜♡本社勤務の彼がいい」彼女がエリートに乗り換え…⇒発表された辞令で“顔面蒼白”!

同じ会社の本社勤務の彼女と付き合い始めたのは、社内の飲み会がきっかけでした。私が地方支店に配属されて1年目のころのことです。私は営業職で、成績はそこそこ。一方の彼女は総務部に所属し、明るく社交的なタイプでした。

私自身は「今の場所でしっかり経験を積もう」と前向きに考えていましたし、異動の多い会社なので、いずれ本社に行くチャンスも来るだろう——そう思っていました。しかし、彼女は違ったようで……。

彼女の前に“エリート社員”が現れると…

彼女は「出世=本社勤務」という価値観が強く、「一生支店とかないわ〜」と笑いながらよく口にしていました。私は冗談だと思って受け流していましたが、振り返れば、あのころからすでに価値観のズレは始まっていたのかもしれません。

 

そんなある日、本社から期間限定でうちの支店に応援に来たエリート社員が現れました。同期より数年早く係長に昇進したらしく、いかにも“デキる人”という雰囲気。言葉選びもスマートで、プレゼンもじょうず。役員たちの前でも堂々と話すタイプでした。

 

彼は社内でも噂になるほどの存在で、彼女がその話題を口にするときの目は明らかにキラキラしていました。「なんかドラマに出てきそう」と、わかりやすいくらいテンションが上がっていくのです。

 

そしてある日、私・彼女・エリート社員の3人で飲むことになった際、彼女は私の目の前で「左遷とかないわ〜。1年以上本社からお呼びがないって左遷でしょ?やっぱ本社勤務の彼がいい」と、冗談めかしながらも本音をのぞかせました。

 

その数日後、彼女に呼び出され、「ごめん、もう別れたい。本社勤務の彼と付き合う」と告げられました。あまりにもストレートな理由に、言い返す言葉も見つからず、私はただ「そうか」とだけ答え、その場を立ち去るしかありませんでした。

 

 

エリート社員を前に“完敗”…そして―!?

振られたあとの数週間は、正直、仕事に集中できませんでした。社内は狭い世界なので、彼女がエリート社員と付き合い始めたという噂はすぐに広まり、私は「大丈夫か?」「災難だったな」と同僚に声をかけられる側になりました。そんな中、支店長だけは何も聞かないふりをしてくれて、「まあ、仕事で見返せばいいよ」とだけ言ってくれました。そのひと言になぜか救われたのを覚えています。

 

ちょうどそのころ、本社主導の大きなプロジェクトが立ち上がり、地方の現場に詳しいメンバーを各支店から選出することになりました。支店長はその候補として私に声をかけてくれたのです。「お前、やってみるか?大変だけど、このプロジェクトで成果を出せば、本社異動も実現しやすくなるぞ」。

 

振られた悔しさも相まって、私は「やらせてください」と即答しました。そこからの日々は忙しく、つらいことも多かったものの、余計なことを考えずに済むぶん、むしろ仕事に没頭できたように思います。

 

数カ月後、そのプロジェクトが高く評価され、本社の幹部会でも話題になっていると聞きました。そしてある日、会議室へ呼ばれ、「まだ公式には発表できないんだが……」と前置きされたうえで、本社への異動内示を告げられたのです。ただし、発表までは口外厳禁。私は胸の内にしまい、これまで通り淡々と仕事を続けることにしました。

 

異動が発表されると、元カノが…!?

そんななか、本社からミーティングと人事発表のために、エリート社員と元カノがうちの支店にやって来ることになりました。久しぶりに会った彼女は、以前より少し垢抜けたように見えました。休憩中、たまたま2人きりになったとき、彼女はどこか勝ち誇ったような笑顔で「久しぶり。元気してた? こないだ東京の新しいレストランに行ってさ〜」と、まるで雑談のように自慢を差し込んできます。私は「そうか、よかったね」とだけ返しました。

 

その日の午後、全社員が会議室に集められ、人事異動の発表が始まりました。しばらくして「○○(私の名前)、本社○○部への転属を命ずる」と読み上げられた瞬間、会議室がざわっとどよめきました。支店長がニヤリとこちらを見て、同僚たちも小声で「おおー!」と盛り上がっています。私は立ち上がって「よろしくお願いいたします」と頭を下げました。彼女は目を丸くしたあと、信じられないという表情で私を見つめていました。

 

その後、「エリート社員が関連子会社へ出向する」という話になり、一時的に空気が止まりました。そこは業績不振でテコ入れが必要と噂される子会社で、もちろん期待されての配属である可能性はありますが、私はふと彼女の顔を思い浮かべました。

 

しばらくしてトイレへ向かう途中、廊下で彼女に呼び止められました。「ねえ、さっきの人事、聞いてなかったんだけど……本社って、いつから行くの?」と、どこか焦りを含んだ声で尋ねてきます。「来月からだよ」と答えると、彼女はぎこちない笑顔を浮かべ、「そっかぁ……すごいじゃん。東京でまた、ごはんでも」と言いかけたところで——。

 

 

本社で元カノに声をかけられ…その後

たまたまエリート社員が現れ、「行くぞ」と彼女を呼びました。彼の表情はどこか疲れていて、これまでの余裕はありません。彼は彼女の腕を軽く引きました。彼女は一瞬だけ私を振り返りましたが、その目には、前のような余裕や優越感はなく、代わりに「計算が狂った」ような戸惑いが浮かんでいました。

 

それから数カ月後、私は本社で忙しい毎日を送っていました。そんなとき、彼女と偶然すれ違いました。以前より少しやつれたように見え、「久しぶり」と声をかけてきましたが、以前のような張りのあるトーンではありません。

 

「彼とはまだ続いてるんだけどさ……あんまりうまくいってなくて」と、ぽつりとこぼします。私が「そうなんだ」とだけ返すと、彼女は少し沈黙したあと、「あのとき、ちょっと浮かれてた。ごめんね」と小さな声で言いました。私は「もう昔の話だよ」と笑って答え、それ以上、深く踏み込むことはしませんでした。

 

彼女とエリート社員がその後どうなったのか、詳しくは知りません。ただ、噂話で「向こうの業績が厳しくて、かなり大変らしい」という話だけは耳に入りました。しばらく恋愛はいいかなと思っていましたが、最近、少し気になる人ができ……余裕ができたら、食事に誘ってみようかなと思っています。

 

◇ ◇ ◇

 

恋人同士でも、立場や肩書で相手を判断してしまうと、本当に大切なものを見誤ってしまうことがあります。社会的地位ではなく“人としてどう向き合ってくれるか”を大切にしたいですね。

 

【取材時期:2025年11月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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