諸葛亮(孔明)が考案したといわれる食べ物は?
次のうちから選んでみてください。

① まんじゅう
② うどん
③ 飴(あめ)
正解は……



① 饅頭(まんじゅう) でした。
現在の日本で食べられている甘いお菓子としての饅頭とは異なり、諸葛亮が考案した饅頭は、肉や野菜の餡を小麦粉の皮で包んで蒸した点心であり、現代でいうところの肉まんの原型に近い食べ物です。
豆知識:考案された逸話(南征のワンシーン)
饅頭が考案されたのは、諸葛亮が南方の異民族、孟獲(もうかく)を征伐した南征の際の出来事です。
南征と人身御供: 諸葛亮が南征を終え、軍を率いて瀘水(ろすい)という川を渡る際、激しい風雨に遭いました。現地には、川の氾濫を鎮めるために、人身御供(生贄)として人の首を川に捧げる風習がありました。
知恵による代替
諸葛亮はこれを聞き、「人の命を犠牲にはできない」として、小麦粉でこねた生地に肉の餡を詰め、人の頭の形に似せて作り、これを蒸して川に捧げました。すると川の荒れは収まったといいます。
「蛮頭」から「饅頭」へ
当初は、「南蛮(異民族)の頭」の代わりという意味で「蛮頭(ばんとう/まんとう)」と呼ばれていました。
また、神を欺いて納得させたことから「瞞頭(だます頭)」とも呼ばれ、後に食べ物を表す「食」へんが付き、現在の「饅頭(まんじゅう)」という漢字になったとされています。
この逸話は、諸葛亮の知恵と慈悲深さを示すものであり、力による制圧だけでなく、文化と人心を重視した南征の象徴的なエピソードとして語り継がれています。
豆知識:川で饅頭、野戦で梅。知恵で兵を救った曹操
諸葛亮が饅頭(まんじゅう)を考案したように、三国志のもう一人の英雄、曹操(そうそう)にも、知恵で兵士の危機を救った有名な逸話があります。
このエピソードは「望梅止渇(ぼうばいしかつ)」と呼ばれ、「梅を望んで渇きをいやす」という意味です。
曹操の「梅の話」の逸話

曹操が軍を率いて行軍中、兵士たちは極度の喉の渇きに苦しみ、進軍が困難になってしまいました。
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曹操の策: 曹操は兵士たちを鼓舞するため、「この先には大きな梅林がある。梅の酸味を思い浮かべるだけで口の中が潤うだろう」と宣言しました。
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心理効果: 兵士たちは梅の酸っぱさを想像した途端、口の中に唾液が湧き出し、一時的に喉の渇きが和らぎました。その間に、全軍は士気を保ったまま前進を続けることができ、危機を脱しました。
諸葛亮が「人の命を奪う風習を、食べ物で欺く」という慈悲の知恵を使ったのに対し、曹操は「兵士の想像力を利用し、心理的に苦痛を和らげる」という統率の知恵を使ったという点で、対照的ながらも非常に興味深いエピソードです。