レストランでの再会
「久しぶりね! こんなところで会うとは思わなかった」と鼻で笑うB子。僕の実家はあまり裕福ではなく、そんな僕のことをB子は昔から馬鹿にしていました。
「久しぶり」とそっけなく返すと、「あんたって結局、農家を継いだの?」と聞かれ、「そうだよ」と返答。すると、「じゃあ、貧乏なままなんだね。うちの店は高級なの。あんたみたいなお金のない人はさっさと帰れ」と言ってきたのです。
A子さんが、「そんな言い方ひどいです」と抗議しても、B子は「事実でしょ」と即答。頭にきた僕は、「君は昔と全然変わっていないね。こんな場所じゃ食事も楽しめない。もう出よう」と席を立ちました。
店長がB子に激怒
そのときです、騒動を聞きつけた店長が僕たちのもとへ駆け寄って来ました。B子は悪びれる様子もなく、「お金のないお客さんなので、帰ってもらうことにしました」と発言。すると、店長はB子に大声をあげました。
「どういうつもりだ! この方が作る野菜を仕入れたいと思っていて、今日は料理を堪能してもらうために招待したんだよ!」
そう、実は、僕はこのレストランに野菜を納品する予定で、この日は特別に招待してもらっていたのです。
「店長さん。B子さんの僕たちへの態度はあまりにもひどいものでした。契約については、少し考えさせてください」と僕が言うと、「そ、そんな」と店長は大慌て。B子が「野菜なんてほかの農家から仕入れればいいでしょ」と口を挟みますが、店長は「この方の作る野菜は人気で、仕入れたくても仕入れられないレストランがほとんどなんだよ!」と説明したのでした。
他のお客さんも帰ってしまい…
それでも、B子は意地を張って態度を変えず「私は悪くありません!」の一点張り。ついには、店長とB子の言い争いが始まってしまい、店にいたほかの客たちもザワザワし始め……。
僕は「他のお客さまもいるので」となだめましたが、2人のケンカは止まらず、「こんなうるさい店で食事なんてできない」と続々とお客さんが帰ってしまったのです。
その後、やっと店長は我に返り、僕とA子さんに平謝り。ただ、やはりB子の口から謝罪はなく、僕はついに宣言しました。
「残念ですが、契約の話はなかったことにしてください」
そして、僕とA子さんは静かに店をあとにしたのでした。
その後、噂によると、B子の働くレストランは前々からスタッフに対する評判が悪く、お客さん離れが続いているよう。契約を断ったことは正解でした。これからも、料理がおいしいだけでなく、すばらしいスタッフがいるお店に野菜を届けていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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