家族をコントロールしたい夫
孫をかわいがるのは当たり前……自分たち親以外にも愛情を注いでくれる人がいるってことは、アミにとって絶対に必要なことだと私は思います。
でもマサトは、私とアミが実家に行くことを許してくれず……。
















必死に反論するマミさんを、マサトさんは鼻で笑い、冷たく言い放ちます。
「他人に余計な価値観を植え付けられたくない。お前は母親として半人前なんだから、アミのためを思うなら俺に従えばいいんだよ」
しかし今回ばかりは「マサトだって小さいころ、おじいちゃんやおばあちゃんにかわいがってもらったでしょう? なんでそんなひどいことが言えるの……」と、マミさんも食い下がります。
すると、マサトさんは心底どうでもよさそうに「はぁ……覚えてないね」と、ひと言。その冷酷なひと言と冷たい目に、これ以上反論すれば、怒りの矛先がアミちゃんに向かうかもしれない……そう恐怖したマミさん。
翌日、お母さんに電話をかけ、「ごめん、用事ができちゃって……」と嘘をついて食事会を断りました。
電話の向こうで落胆する母の声を聞きながら、心の中で「違う……本心は私も……行きたかったんだよ……」と叫ぶマミさん。
しかしマミさんは、両親に本音を話すことなく、唯一の逃げ場だった実家と、距離を取るという決断をしたのでした。
◇ ◇ ◇
自分がおじいちゃんやおばあちゃんにかわいがってもらった記憶を「覚えてない」と一蹴し、娘のアミちゃんからもその機会を奪うマサトさん。その冷徹さと、自分の価値観以外を一切認めない狭量さには、親としての器以前に、人としての温かみさえ感じられませんね。恐怖に支配され、唯一の味方である実家との距離を置く選択をしてしまったマミさんの孤独を思うと、心が痛みます。
「怒らせると怖いから」という理由で、大切な人との縁を切ったり、自分の行動を制限したりすることは、決して健全なパートナーシップとは言えません。もし家庭内で孤独を感じたり、恐怖で支配されそうになったりしたときは、完全に孤立してしまう前に、友人や専門家など、外の世界とのつながりを死守し、助けを求める勇気を持ちたいですね。
相談窓口をいくつかご紹介します。
※よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター)
ガイダンスで専門的な対応も選べます(外国語含む)
0120-279-338 つなぐ ささえる(フリーダイヤル・無料)
岩手県・宮城県・福島県から 0120-279-226 つなぐ つつむ(フリーダイヤル・無料)
※こころの健康相談統一ダイヤル
電話をかけた所在地の都道府県・政令指定都市が実施している「こころの健康電話相談」等の公的な相談機関に接続します。
0570-064-556 ※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。
※DV相談ナビ
全国共通の電話番号(#8008)に電話をすると、お近くの都道府県配偶者暴力相談支援センターにつながります。
#8008(はれれば)※相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なります。
ゆる山まげよさんのマンガは、このほかにもブログで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
ゆる山まげよ