食事をしながら会話を弾ませていると、義父は「お母さんの腰の調子が悪くてね、湿布を頼まれたんだよ」と、義母を気遣って外出していたことを教えてくれました。
義母を心配しながらも、孫の成長を喜ぶ義父と和気あいあいとした時間を過ごしていた、そのときです。私のスマホが震え、1件のLINEが届きました。
画面を見た私は、思わず息をのみました。送り主の名前は、今まさに私の目の前でニコニコと笑っている義父だったのです。
突然送られてきた、驚きのメッセージ
恐る恐るLINEを開くと、そこには目を疑うような言葉が並んでいました。
「息子と別れろ」「これは命令だ」
あまりに強圧的で、脅迫めいた内容でした。しかし、私の隣に座っている義父は、食事を楽しみながら夫と楽しげに話しており、スマホに触れるような素振りは一切ありませんでした。
どうしても無視することができなかった私は、意を決して義父に直接尋ねることにしました。
「お義父さん、今私にLINEを送りましたか……?」
私の問いかけに、義父はきょとんとした顔で「いや、送っていないよ。そもそも今日は、スマホを家に忘れてきちゃったんだ」と言ったのです。
義父が嘘をついている様子はありませんでした。実際、義父がカバンの中を探しても、やはり端末は見当たりません。となると、誰かが義父のスマホを使って、私にメッセージを送ったことになります。
私と夫、そして義父。3人の間に緊張が走りました。義父のスマホを操作できる人物は、限られています。私たちの脳裏には、同時にある一人の顔が浮かんでいました。
義母がついてしまった「悲しい嘘」
夫はその場で疑惑の相手……自宅で留守番をしているはずの義母に電話をかけました。
電話に出た義母は、最初はいつも通りの落ち着いた様子でした。しかし、義父と一緒にいること、義父がスマホを家に忘れたこと、そしてその端末から私に不穏なメッセージが届いていることを伝えると、電話の向こうで沈黙が流れました。
やがて、義母は震える声で「ごめんなさい……」とポツリと漏らしたのです。
義母はただ泣きそうな声で謝罪を繰り返すばかりで、なぜそんなことをしたのか、詳しい事情は話そうとしませんでした。私たちは食事を切り上げ、すぐに義母の待つ義実家へと向かうことに。
義実家に到着すると、そこには義父のスマホを握りしめたまま、力なく座り込む義母の姿がありました。落ち着くのを待って詳しく話を聞くと、義母は涙ながらに本当の気持ちを打ち明けてくれたのです。
実は義母は、夫が私と結婚してからというもの、最愛の息子と過ごす時間が少なくなったことに、強い寂しさを感じていたそうです。「息子を奪われた」という身勝手な嫉妬心が膨らみ、一方で孫や私とも仲良くしたいという思いとの間で、感情のコントロールができなくなっていたと言います。
その心のモヤモヤが、義父の不在という隙に、衝動的ななりすまし行為へと繋がってしまったのでした。
騒動を経て、私たちが選んだ道
一時は義母に対する不信感でいっぱいになりましたが、私自身も一人の母親です。息子を愛するあまりに暴走してしまった義母の孤独な気持ちが、まったく理解できないわけではありませんでした。
それ以上に、普段は完璧に見える義母がこれほどまでに追い詰められていたことを知り、私と夫も、これまで義母の抱えていた寂しさに寄り添えていなかったことを反省。私たちは義母を厳しく責め立てることはせず、これからはもっと頻繁に顔を見せ、関係を修復していくことを約束しました。
本音でぶつかり合えたおかげで、今の嫁姑関係は以前よりも風通しが良くなっています。夫と義母の親子仲も、適度な距離感を保ちつつ、より深い信頼で結ばれたようです。
義父になりすましてまで私を遠ざけようとした義母でしたが、私がそれを受け入れ、認めたことで、かえって深い後悔と反省の念を抱いたようです。相手の過ちをただ責めるのではなく、その背景にある感情に寄り添うことで、以前よりも強固な絆が築けることもあるのだと、身をもって実感した出来事でした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています