「仕事で疲れている」という夫の嘘
きっかけは、私が切り出した「そろそろ、子どもが欲しいよね」という言葉でした。以前の夫なら前向きに答えてくれたはずなのに、そのときは露骨に面倒そうな顔をされ、関心すら示してくれませんでした。
それどころか、最近は「仕事が忙しくて疲れている」という理由で、夫婦の時間を一切作ろうとしなくなったのです。あまりの急変ぶりにショックを受けた私は、心のどこかで「まさか、浮気をしているのでは?」という疑念を抱き始めました。
隠しきれない不自然な変化
夫への不信感は、日を追うごとに強まりました。夫は内勤のオフィスワークが中心で、連日残業続きだとこぼしていたはずでした。それなのに、シャツの隙間からのぞく首元や腕のあたりが、週末にレジャーを楽しんだあとのようにうっすらと日焼けしていたのです。
さらに、あんなに大切にしていた結婚指輪を外して出社するようになり、私の疑惑は確信へと変わりました。
私は思い切って、夫に探りを入れてみることに。
「なんだか日焼けしてるね。外回りになったの?」
「あと最近、結婚指輪を忘れてるみたいだけど、どうしたの?」
そう問い詰めると、夫は目に見えて動揺し、しどろもどろな言い訳を並べました。その様子に違和感は募るばかりでしたが、決定的証拠がないため、私はいったん様子を見ることにしたのです。
会社からの突然の電話
事態が急展開したのは、翌日のことでした。その日の正午、たまたま有給休暇で自宅にいた私のもとに、夫の会社から一本の電話がかかってきたのです。
「夫に何かあったの……?」と不安になりながら電話に出ると、人事担当者の方はひどく困惑した様子でこう言いました。
「奥様、突然申し訳ありません。ご主人と連絡が取れなくて困っているんです。奥様の看病でお休みされると聞いていたのですが、復帰予定だった本日、まだ出勤されていないようで、個人の携帯もつながらなくて……。もしやご本人に何かあったのではと心配でお電話しました」
「えっ、私の看病……?」
言葉を失いました。私は病気などしていませんし、夫は毎朝スーツを着て「行ってきます」と笑顔で家を出ていたのです。
この電話で、夫が私をダシに使って会社を欠勤していたことが発覚。会社には「すぐに本人に確認します」と謝罪し、私は夫の行き先を自ら突き止める決意をしました。
尾行の先に待っていた地獄
翌朝、普段通り出かける夫を、私は変装して尾行することに。夫が会社とは正反対の方向へ向かう電車に乗ったのを確認し、私も距離を置いて同じ車両に乗り込みました。
30分後、駅に降り立った夫は多目的トイレへ入り、しばらくしてカジュアルなTシャツ姿に着替えて出てきました。駅前で夫を待っていたのは、20代半ばとおぼしき女性と、5歳くらいの男の子でした。
物陰から様子をうかがっていた私の耳に、信じられない言葉が飛び込んできました。 「パパ!」「おかえり、あなた!」
目の前が真っ暗になりました。夫は笑顔で男の子を抱き上げ、女性と親密そうに手を引いて歩き出したのです。私は震える足を動かし、彼らの後を追いました。
暴かれた二重生活
3人が入っていったのは、閑静な住宅街に建つ、ごく普通の一軒家でした。私は意を決してインターホンを押し、応対した女性に「◯◯(夫)の身内です」と告げました。
玄関から現れた夫は、私の姿を見るなり凍りつきました。
「この方はどなた?」と尋ねる私に、夫は「……ただの知り合いだよ」と、あまりにも苦しい嘘を吐きました。
しかし、その言葉に横にいた女性が激昂しました。
「知り合いってどういうこと!? あなた、独身だって言ったじゃない! 私たち婚約してるのよ!」
事実はこうでした。数カ月前、道に迷っていたシングルマザーの彼女を夫が助け、一目惚れしたこと。そのときたまたま指輪を外していたため、既婚であることを隠して猛アタックし、婚約まで漕ぎ着けていたのです。
さらに、彼女の家で日中過ごすために「妻の病気」を理由に会社を休み、彼女には「裁量労働制のSEだから、昼間はかなり自由に動けるんだ」と嘘をついて信じ込ませていました。不自然な日焼けは、彼女たちと公園やレジャーに出かけていたせいでした。
すべてが露呈した瞬間、私と彼女の怒りは頂点に達しました。彼女は「詐欺師! 二度と顔を見せないで!」と夫を家から叩き出し、私もその場で離婚を宣言。
その後、夫の嘘は会社中に知れ渡ることになりました。心配してくれていた同僚たちを裏切り、私を病気扱いしてまで不倫を楽しんでいた事実に、職場の人たちはあきれ果てていました。誰からも相手にされなくなった夫は、いたたまれなくなったのか、逃げるように自分から会社を辞めていきました。
結局、夫は私と彼女の双方から裏切りの代償を厳しく問われることになり、文字通りすべてを失いました。自業自得とはいえ、あんなに嘘を塗り固めてまで手に入れたかった幸せは、一体何だったのでしょうか。
私は今、ようやく手に入れた平穏な日々の中で、新しい一歩を踏み出しています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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