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余命1カ月の私の遺産を狙う夫「遊んで暮らせる〜♪」私「実は…」現実を伝えた夫を待ち受けていたのは

私たち夫婦は共働きで、夫は在宅で働いています。今日、私は朝から体調が悪く、座っていても気分が優れなかったため、早退することにしました。帰り支度をしながら夫に連絡すると、返ってきたのは予想外に軽い反応でした。

体調が悪く早退を決めた私。夫に伝えると…

「体調が悪いから早退する」と在宅中の夫に伝えると、「出かけてる」「病院に行ったら?」という素っ気ない返事。しばらく忙しくないと言っていたのを思い出し、「病院まで送ってほしい」と頼んだところ、「急きょ、急ぎの仕事が入った」と言われました。

 

嘘だとわかっても、そのときは追及する気力がなく、結局その日はそのまま帰宅し、布団に潜り込みました。夫は「ごはんを食べてから帰る」と言い、私を心配する様子もないまま遅くに帰ってきました。立場が逆なら、ギャーギャー騒いで「おかゆが食べたい」などと要求し、私が面倒を見るのが当たり前なのに……そう思うと、言葉にできないモヤモヤが胸に残りました。

 

カードの支払い明細を見て気づいた事実

それから2週間後のこと。何気なくカードの支払い明細を確認していたとき、強い違和感を覚えました。新しいパソコンにカメラ機材、こまごまとした周辺機器――明らかに趣味の延長では済まない金額が並んでいます。問い詰めると、夫は悪びれる様子もなく、手持ちがないから私のカードで買ったのだと笑いながら、「クオリティの高い動画を作るには機材が必要なんだ」と得意げに語ったのです。

 

フリーランスで動画編集を始めて、もうすぐ2年。収入については「ぼちぼち」とごまかし、具体的な金額を聞くと不機嫌になる――実際には、月収が10万円に届かない月がほとんどです。生活が成り立っていたのは、私が必死に踏ん張って稼いできたから。

 

家事についても、夫は「やっている」と言いますが、実際はロボット掃除機のスイッチを押し、洗濯機を回し、ゴミを出し……といった程度。料理や買い物、名もない家事の大半は私が担い、夫は悠々自適に暮らしていました。将来が不安だと何度伝えても、話はのらりくらりとかわされるばかり。

 

その日も夫は「あと1年やってダメなら会社員に戻る」と口にし、最後は「今年中にドカンと稼ぐから」と笑って話を終わらせようとしました。でも、私は笑えませんでした。彼が本気で焦っていないこと、私がいくら訴えても「最後はなんとかなる」と他人事のままでいることが、怒りよりも先に虚しさとなって積み重なっていったのです。

 

 

「隠し事をしてる!」突然、詰め寄ってきた夫

数日後、夫は突然、鋭い声で私に隠し事があるだろうと詰め寄ってきました。前日に私が電話で話していた内容を盗み聞きしたらしく、勝手に私のことを「重い病気にかかっていて、先が短い」と結論づけたのです。そして、次に口にした言葉で、私の中の何かが音を立てて崩れました。

 

それは心配や寄り添いの言葉ではなく、「相続の準備しといてくれよ」というひと言。私がいなくなったら自分はどうなるのか、遺産がなければ生活できない、すぐに受け取れるようにしておけ――彼の口から流れてきたのは、どう考えても夫としての言葉ではありませんでした。

 

病名を聞かれ、がんだと答えると、今度は「生命保険も確認しておかないと」と平然と言いました。その瞬間、私は不思議と冷静になりました。怒りより先に、「なるほど」と腑に落ちたのです。夫が欲しかったのは、私の稼ぎと私の資産だけなのだと。

 

私はその場で取り乱すことなく、彼の「最後くらい望みを叶えてやる」という恩着せがましい言葉を聞き流しながら、静かに決意しました。ここから先は、自分の人生を守るために、徹底的に戦うと。

 

「妻が余命1カ月」と勘違いした夫。実は…

それから2週間後。寝起きの夫が、テーブルの上に置かれた離婚届に気づいて騒ぎ出しました。私は、朝方に帰宅して昼まで寝ていた夫を責めることも見下すこともせず、ただ淡々と事実を並べました。夫が信じ込んでいた「私の余命1カ月」は、私自身の話ではありません。

 

 

盗み聞きした電話の相手は、義母でした。義母の“離婚した元夫”、つまり夫の父ががんで余命宣告を受け、急に頼られて困っているという愚痴だったのです。義母は私のことを気に入ってくれており、普段から電話で愚痴をこぼしたり、最近の出来事を話したりする間柄。

 

義母からは、夫は父親のことをほとんど覚えていないだろうから、この話は伝えないでほしいと言われていましたが、この際なので説明しました。夫が「最近、体調が悪いって言ってただろ?」と食い下がるので、私は「それは風邪と疲れ」とだけ返しました。

 

そして決定打として、私は数日前に目にした“開きっぱなしのLINE”の内容を告げました。私がこの世からいなくなることを「ラッキー」だと笑い、遊んで暮らせると浮かれ、私を邪魔者呼ばわりしていたこと。それを不倫相手に送っていたこと。遺産が入る前提で浪費し、飲み歩いていたこと――すべてです。

 

夫は誤解だ、感情が迷子だった、現実逃避だったと必死にすがってきましたが、私の中ではすでに答えが出ていました。余命を喜ぶような人と、これ以上同じ空気を吸いたくはありません。私は離婚届への署名を求めました。夫は泣き言と土下座を繰り返しましたが、私の意思が揺らぐことはありませんでした。

 

最終的に、私は弁護士を通して慰謝料を請求し、離婚が成立しました。お金がなくなったことで不倫相手も去り、義母も呆れて手を差し伸べることはなく、夫は孤独になりました。一方の私は、余計なことを考えずに仕事に集中できる日々を取り戻しました。あの人を早く忘れ、今まで以上に幸せになる――それが、私が自分に贈った前向きな決断です。

 

◇ ◇ ◇

 

夫婦やパートナーの本音は、順調なときよりも、体調不良や将来の不安といった「弱さ」が見えたときこそ、浮き彫りになるものですよね。無理を続ける関係よりも、自分を大切にできる選択をすることが、人生を立て直す第一歩になるのかもしれませんね。

 

【取材時期:2025年12月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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