ご近所さんへ嘘アピール
ゴミ捨て場でお向かいの奥さんに声をかけられた私は、耳を疑いました。お義母さんの「私かわいそう」アピールは家の中だけじゃなかったのです。外でも嘘をついていたなんて……。













お向かいの奥さんの話によると、偶然外で落ち込んでいる様子の義母を見かけ、声をかけると、義母は「嫁にいじめられて食事が喉を通らない」と泣きついたというのです。
「そこまでして同情されたいわけ!?」
怒りを必死に抑えながら、奥さんの誤解を解いて帰宅したユリさんは、玄関で義母と鉢合わせます。
義母は、ユリさんを見たとたん、「あー、フラフラするぅ。ごはんも食べてないし、力が出ないわぁ」と弱々しい演技を開始。
ユリさんが「嘘を言いふらすのはやめてください」と詰め寄ると、義母は態度を一変して逆ギレ。「事実じゃない! 食事も与えないで無視して、立派ないじめよ!」と喚き散らします。
「あぁー!! ひどいひどい!! 家の中でも外でも嫁にいじめられて」
そう言いながら、さらに義母は、なんと窓を全開にして「誰かー助けてー!!」と外に向かって絶叫。あまりのなりふり構わぬ暴走ぶりに、あきれてため息をつくしかないユリさんなのでした。
◇ ◇ ◇
家の中だけでなく、ご近所さんを巻き込んで嘘を吹き込み、外堀から埋めようとする……その手段を選ばない姿勢には恐怖すら覚えますね。「いじめられている」と吹聴されたら焦ってしまいますが、ここで感情的になって義母と怒鳴り合っては、それこそ近所の人に「やっぱりお嫁さんが怖いのね」と誤解されかねません。近所の方には笑顔で冷静に誤解を解いたユリさんの対応は大人でしたね。
ユリさんのように、義家族との関係や、ご近所付き合いで苦労している人も多いのではないでしょうか。わかり合えない相手とは、無理に合わせようとせず距離を取ることが一番ですが、家族となるとそうもいきません。相手の挑発には乗らない。理不尽を受け入れない。など、毅然とした態度で付き合いたいですね。
小出ちゃこ